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九老区のコールセンターで集団感染…なぜ?

狭い空間で密集勤務・マスク着用容易ではない 

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  • ソウル・首都圏集団感染の発生地域


ソウル市九老区新道林洞のコリアビル11階に位置するエース保険コールセンターで、60人以上のコロナ19確定者一度に発生し、密集事業の集団感染に非常灯が灯った。

コールセンターでこのように大規模な集団感染が発生したのは、コールセンターの業務環境と関連が深いという診断だ。金融機関のコールセンターは、読書室形式で従業員が1メートルにもならない距離に、ずらりと並んで働く密集構造が多い。最小でも2メートル以上の距離を置くように勧告する、感染症予防の原則と合わない構造だ。

このための一人でも感染者が出ると、急速に集団感染をおこしやすい。金融業界の関係者は、「コールセンターの人材を選ぶためには、地下鉄の駅に隣接した交通の便利な場所に場所をとらなければならないが、そのような場所はたいてい家賃が高い」とし、「多くの労働力をより少ない空間に収容することから、1人当たりの使用面積は狭きなるしかない」と言う。

民主労総サービス連盟のサービス一般労働組合コールセンター支部は、「コールセンターの労働者の勤務の特性上、少ない場合は数十人、多ければ100人以上が密集した空間で休みなしに話をしなければならない」とし、「距離を置くことは不可能だ」とした。

サービス一般労組のイ・ソンギュ委員長は、「コロナ19と呼ばれる特別な状況のためにいっそう敏感に反応するわけで、普段からインフルエンザでも流行すれば容易に拡散する環境だった」とし、「たいていは200人ほどが入る事業所だが、人がたくさん入るところほど感染の破壊力は大きくなるだろう」と憂慮した。

特にエース保険コールセンターで働いている従業員はマスクを着用していないことから、感染が急速に拡散したのではないかという指摘も出ている。勤務中はずっと電話をしなければならないコールセンターの環境のために、マスクの着用は容易ではないという診断だ。

労組側は「顧客ときちんと対話するために、マスクを着用して働くことができない」とし、「ずっと湿気がたまって冷たく、一日中マスクをつけて休みなし話をすると考えると、恐ろしいことだ」と強調した

また金融機関の業務を行うコールセンターの専門家らは、個人情報保護の問題のために在宅勤務も容易ではない。通常のコールセンタースタッフは、顧客が電話をかけてきたときに顧客と関連する各種個人情報を見ながら応対するが、在宅勤務を行うとこのような個人情報が流出する危険性が大きくなるからだ。

新道林洞のコールセンターは外資系保険会社であるエース損害保険が業務を任せたところで、コールセンター業務の専門委託業者のメタネットエムプラットフォームで運営している。メタネットエムプラットフォームは全国34のセンターで、8000人あまりが働く大企業の一つだ。エース損害保険だけでなく、銀行やカード会社などの金融圏の業務の相当部分を代行している。また、地方自治団体の苦情コールセンター業務も一部担当していることが分かった。今回の集団感染が起きた九老区を含め、ソウルのみで25ヶ所のコールセンターを運営している。

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サービス一般労働組合コールセンター支部によると、全国的にコールセンターで30万人が働いていると推算される。 2014年までの統計から推定した統計庁の資料によると、コールセンターの事業所の数は822ヶ所ほどで、今ではさらに増えただろうという分析だ。行政安全部の昨年の統計によると、公共分野でも156ヶ所のコールセンターを運営しており、相談員の数だけでも9490人にのぼる。疾病管理本部のコールセンター1339も、コロナ19事態以後は勤務人員が急増して188人に達する。タサンコールセンターもまた、相談員の数は387人にのぼることが分かった。タサンコールセンターでコロナ19関連業務を行っている関係者は、「遮断幕が設置されてはいるが、一部のコールセンターと同様に場所は狭い」とし、「コールセンターの特性上、伝染病が簡単に広がるかもしれない」と心配した。

マスクの需給も問題だ。この関係者は、「総務課で数量を確保することが難しく、現在はマスクを提供していない状態」だとし、「コールセンターの従業員が個人的に買って使っている構造だ」と語った。

新道林洞のコールセンターでコロナ19の集団感染事態が発生し、金融機関も非常措置に入った。 KB国民銀行、新韓銀行、ウリ銀行、ハナ銀行の4大市中銀行のコールセンタースタッフは3500人あまりに達する。これらはマスクの着用や手の洗浄剤の配置、出勤時の体温測定などの基本的なコロナ19予防の準則を稼動する一方で、コールセンターの従業員が最大限に分散勤務するようにしている。

ウリ銀行はソウルと天安に二元化してコールセンターを運営しており、一方で集団感染が発生しても他の側で対応が可能なように措置した。KB国民銀行はソウルと京畿の2ヶ所で運営していたコールセンターに、6カ所の代替事業所を追加し、計8ヶ所の事業所で分散運営する予定だ。メリッツ火災など保険・カード会社も代替コールセンターの確保と分散勤務を拡大することにした。
  • 毎日経済_イ・スンフン記者/チョ・ソンホ記者/イ・ヂナン記者 | (C) mk.co.kr
  • 入力 2020-03-10 18:15:00




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