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「コロナ」による「ドミノ減産」…自動車・造船から鉄鋼・家電まで


「コロナ19」の余波で世界経済が停まって2ヶ月がすぎ、供給網による「減産ドミノ」が本格化している。

現地化戦略で世界で完成品を生産してきた電子・自動車メーカーが、国内外の工場のシャットダウンを実施したことに続き、これらの業者に原材料を供給している企業さえも減産の岐路に立っている。生産の支障で供給が減少したことに続き、消費需要まで急減して在庫が積みあがり、生産量を減らさなければならない境遇に陥った。コロナ19に発する実物危機が、産業全般に転移・拡大される局面だ。

■ 鉄鋼業界の減産

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代表的な例が鉄鋼だ。鉄鋼生産は通常は二ヶ月の時差を置いて、前方産業の販売量減少などによる打撃が来るが、今年2月から中国をはじめとする全世界の工場の生産停止が続いて事態が長期化すると、各鉄鋼メーカーはもはや在庫を積み上げておくしかない状況になった。減産を心配しているポスコに先立って、世界の鉄鋼メーカーは、すでに減産に突入した。グローバル1位の鉄鋼メーカーであるアルセロール・ミタルは先月中旬、米インディアナ州にある高炉4基の停止を決定した。米国の鉄鋼メーカーであるUSスチールも、今月からインディアナ州に所在する工場内の高炉の稼働を中断することにした。

■ 家電業界の減産

供給網管理(SCM)が徹底した各家電メーカーは、早々に需要不振に対する弾力対応に突入した。

サムスン電子は米国サウスカロライナ州の洗濯機工場を、再稼働してから二日後に再びシャットダウンすることにした。これをめぐって業界では、主要市場である北米と欧州の流通網の崩壊でテレビと家電などの製品が売れず、在庫を積み上げておくところが無くなったことから、サムスン電子が最終的に生産量の調整に乗り出したものと見ている。サムスン電子とLG電子は世界のトップレベルでSCMが行われるため、製品を大量に作っても在庫に積み重ねず、ほぼ生産と同時に現地ディーラー網に供給する事業構造だ。しかし消費者が最終的に購入する段階である「セルアウト」が行われず、需要急減によって供給を調整するしかない状況に至ったものと分析される。業界関係者は、「テレビや家電などの大型商品は購入から設置まで行われなければならないが、このようなサービスが事実上不可能になった」とし、「ものを積んでおく場所がないため、必然的に生産量を調節しなければならない状況だ」と説明した。

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10日の市場調査機関オムディアによると、今年上半期の世界のテレビ出荷量は約8208万台と推定される。これは昨年上半期の出荷量(9949万台)よりも17.5%減少した。特に第2四半期だけを見れば、昨年の4771万台から今年は3875万台で出荷量が896万台減少することが分かり、第2四半期に需要の衝撃が最高潮に達すると見られる。

■ 自動車業界の減産

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去る2月、部品供給の支障で工場を停止しなければならなかった自動車業界も、今月に入ってからの需要不振で生産を減らしている。 2月には中国産のワイヤーハーネスの部品供給の支障、工場内でのコロナ19確定者の発生で中国と国内の工場が止まった。現代(8万台)と起亜自動車(4万台)は2月の一ヶ月間で計12万台の生産損失をこうむった。自動車業界は第1四半期に現代自動車・起亜自動車・韓国GM・ルノーサムスン自動車と双竜自動車など、国内の完成車業界全体の生産量は前年同期(95万7402台)と比較して約15%減少したと推定する。

第2四半期はさらに状況は深刻だ。米国とヨーロッパ、南米、アジアなど海外の主要市場にコロナ19が急速に広まって、現地工場を閉鎖して輸出もふさがったことによる被害がはなはだしい。自動車業界は第2四半期の国内内需・輸出完成車の生産は、前年同期(107万930台)に比べて約20%減少するとの見通しだ。中国乗用車連席会議の(CPCA)によると、先月の中国の乗用車販売台数も104万5406台で、前年同期比で40.4%も急減した。

サムスン証券のイム・ウンヨウン アナリストは現代自動車の今年の年間生産台数は前年比で16.4~19.6%減の353万?367万台に下がることがありうると予想した。起亜自動車も7.5~11.1%減の240万~250万台まで落ちることがありうる。このような衝撃は各部品メーカーにドミノ式に転嫁される。韓国自動車産業協会(KAMA)は今月から、各部品メーカーの実績が1年前の同じ期間よりも20~30%下落し、不渡りリスクが大きくなると予想した。自動車業界の関係者は、「下半期にコロナ19事態がおさまったら消費は生き返るだろうが、4~5月までは第1四半期よりもさらに苦難の行軍をしなければならないようだ」とし、「最近は急激に上昇した最低賃金などで1回打撃を受けた2次協力社が最も危機に脆弱だ」と心配した。

コロナ19の余波で世界の船舶発注量も急激に減っている。英国の造船海運市況分析機関クラークソン・リサーチによると、今年の第1四半期の全世界の船舶発注量は233万CGT(標準貨物船換算トン数)と集計された。これは昨年同期(810万CGT)に比べて71%減少した数値だ。 2018年(183万CGT)と比較すると5分の1の水準にとどまっている。

特に今年第1四半期は、国内造船会社の主力船種である大型液化天然ガス(LNG)運搬船の発注がなかった点も懸念される部分だ。

イ・ビョンホン韓国戦略経営学会会長は、「グローバルなサプライチェーンによって各企業は短期的に減産や生産スケジュール調整などでコロナ19ショックに対応しているが、中長期的にはサプライチェーン全体を見まわして対応するだろう」とし、「当分の間はグローバルなサプライチェーンを持っている自動車が家電よりも打撃が大きく、最終的にはハイテク産業が伝統製造業に比べて打撃は減るだろう」と予想した。
  • 毎日経済_ソ・ドンチョル記者/チョン・ギョンウン記者/ソン・グァンソプ記者 | (C) mk.co.kr
  • 入力 2020-04-10 18:02:09




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