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MTコレクション、ヤン・ジヘ代表、10年目の業界最年少代表取締役

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  • MTコレクション、ヤン・ジヘ代表、10年目の業界最年少代表取締役
去る6月と7月、韓国ファッション界のホットなブランドは当然「メトロシティ(METROCITY)」だった。まず、6月(12日~17日)には日本の東京新宿にある高島屋百貨店のメトロシティポップアップストアが話題だった。

日本進出の初出馬意向を投げた席で、メトロシティは今年のSSコレクションと代表エディション、オートクチュール(Haute Couture)ラインを披露し、現地関係者と消費者の好評を導いた。ブランドだからといって何でも入店できないという日本の3大百貨店に名刺を上げることができたのは、完全に相手の要請のためだった。ブランドに関心を持つことになった百貨店側の役員が、直接韓国を訪問して成し遂げたという裏話だ。7月23日から3日間、代官山のT-siteガーデンギャラリーで行われたプレゼンテーションの現場では、現地のファッション流通業界が総出動した。阪急、三越、伊勢丹など日本の大型流通会社をはじめ、ビームス、ブルースなど現地の有名編集ショップの関係者が直接製品を確認して出た言葉は「すばらしい」だった。

イベントのために1から10まで入念に整えて準備したMTコレクションのヤン・ジヘ(Yang-Jihae)代表は、「イベントの人員を3組に分けて、イベント会場を訪れた全ての方に接客した」とし、プレゼンテーション以後、変わったメトロシティの位相を伝えた。

「インタビューの20分前に大阪の阪急百貨店でクリスマスシーズン(12月17〜25日)にポップアップストアを企画してくれという連絡がきました。Luxmenで先に公開するホットなニュースです。(笑)東京にある銀座の三越百貨店からも同じ提案がきました。プレゼンテーション以後に日本のバイヤーと商談が続いているが、米国とヨーロッパもじわじわ戦略する予定です」

世界最大アパレル展示会であるマジック(Magic)ショーの観覧のために、米国ラスベガスで週末を過ごし、レザーフェアが開かれるイタリア・ミラノに飛んで原・副資材契約と新しいアイテム、取引先を発掘する。以後、フィレンツェでバイヤーとの商談があり、しばらく韓国に戻ってきて一息ついた後、日本の東京のイベントに参加する予定だ。

ここで終わったのではない。日本からすぐに米国LAに渡り、ショールーム訪問、PRとミーティングをした後、ニューヨークえ開かれるコートリーショー(Coterie)に参加する。その後、日本の高島屋タイムズスクエア店のポップアップストアのために東京に飛んでいく予定だ。東にはっと西にはっとする映画の中の主人公のスケジュールではない。8月と9月、ヤン代表が直接走らなければならないビジネス強行軍の内容だ。

「明日から始まる日程なのに、今からが新たなスタートだと思います。父がまいておいた種が今まで実を結んだとすれば、これからは私の力で新たな種を作らなければならないですね」

創業者ヤン・ヅソク会長の長女であるヤン・ジヘ代表は、イタリアのファッションスクールのMARANGONI(マランゴーニ)で修学したファッション財源だ。ヤン会長は当時25才だった彼女をMTコレクションの代表取締役に任命した。今も同じだが、当時としては破格に破格を加えた人事だった。

「そうでなくても、1年前だったか、その時私になぜ会社を任せたのかと尋ねたところ、その程度はできると思ったと言ったんです。また、お前が間違っているといって崩れる会社ではないと言いました。私に対する信頼より、会社に対する信頼が大きかったのでしょう。おそらくじっと我慢してヤン・ジヘというパンドラの箱は開いてみなかったようです(笑)」

自身より会社を前面に出したが、業界ではヤン代表が去る12年間、MTコレクションの高速成長を牽引してきたということにこれといった異見がない。まず、就任前に400億ウォンだった売り上げが、今年1500億ウォンに成長した。売り場の数も102個に増えた。その上、最近成し遂げられた日本での成果をもとに、ブランドが進むべき未来ビジョンを提示したというのが業界関係者達の共通した意見だ。

グローバル市場を狙ったメトロシティの広告モデルも常に業界の話題だった。ミラ・ジョヴォヴィッチ(2011年)、ミーガン・フォックス(2012年)、アドリアナ・リマ(2013)に続き、今年はハリウッドスターのケイト・ベッキンセイルがメトロシティのハンドバッグを持った。

「実際に、日本進出は全く考えていなかった結果です。数年間、海外進出を念頭に置いて準備しましたが、日本より米国やヨーロッパが先でした。難しい市場ですが私が若いじゃないですか。これから10年を苦労しても最年少CEOという考えにぶつかってみようと心を固めていました。ところが、思いもよらず日本の高島屋の提案がきました。日本の主力流通会社に選ばれる伊勢丹、阪急、三越、高島屋は米国やヨーロッパでも通じるポートフォリオなんです。方向をそっと旋回しました」

偶然のように訪れた機会を逃さないために、全職員が退勤時間と休暇を返上した。クリエイティブディレクターも兼ねているヤン代表は、デザイン段階から製品のトレンドを探っていった。部署長の会議のたびに口癖のように「世界のどこにも私たちの技術力についてこれる会社は多くない」という言葉を数えきれないほど繰り返し言った。オンラインコミュニケーションチャネルを通じ、各部署長たちと24時間対話して資料を共有した。おかげで日本の消費者のパターンと特性を迅速にデザインに反映し、彼らだけのためにスペシャルエディションが完成した。

「私の趣味のうちのひとつがギター演奏で、赤いアニマル・ギターケースを持っていたのですが、それも日本で販売しました。また、私の猫のために製作したペット用品も発売しました。韓国でも工程が難しく、需要が十分でなくて大量生産が不可能でしたが、日本では実際の購入に繋がっています。具体的で細分化されている日本のファッショントレンドをそのまま反映しています」

  • MTコレクション、ヤン・ジヘ代表、10年目の業界最年少代表取締役
  • < 左からMQ563、MF402、MF670 >

▶ ハンドバッグは科学、顧客がそっぽを向かないブランドが名品

常にぴょんぴょん跳ねるが一つの事案に怖いように没入するヤン代表のスタイルは、就任以来、今まで変わらない彼女だけのトレードマークだ。就任初期に経営の授業よりも体でぶつかる現場経営を選んだのも、もしかしたら当然の手順だった。決裁文書が上がってくると一字一字集中して分析し、時々検品場に降りて102個の売り場から入ってきた返品をひとつひとつ検討したりもした。売り場の職員と本社の職員がお互いに業務を変えて勤務する車内の易地思之(立場を変えて考えること)プログラムにもヤン代表が先に乗り出した。新しい製品を悩む時は直接手で描いて提案したりもした。

「バッグ(Bag)は科学です。中に常に物を詰めて通うため、重力を計算しなければなりません。片側に傾きはしないか、底は崩れないのか、革が引っ張られて文様が解けないか、肩から流れて落ちたりしないか、すべての事を計算しなければ持ち歩くことはできません。当然、顧客はそっぽを向くでしょう。再購入につながらないブランドは名品ではありません」

相変わらず若い30代のCEOの目標が気になった。やはりぴょんと飛ぶ返事が返ってきた。「多くの2世経営者たちが父親の影から抜け出そうとしますが、私はそうではないです。会長がいるからデザインして経営するのにインスピレーションと応援を得ています。実際、私ははじめから難しいブランドを引き受けたわけじゃないじゃないですか。しっかりとした組織と構成員が常に私の後援陣でしょう。今までは会長が築かれた成果なら、これからのグローバル市場への挑戦は私が撒く種です。まだ若いですがしてみないといけないでしょ(笑)」

▶ メトロシティ(METROCITY)

イタリアのオリジン「メトロシティ(METROCITY)」は、今年国内ローンチ17周年となった。ローンチ当時「ジャカード(Jacquard)バックパック」と「Mキルティングバッグ」が注目され、国内ファッション業界をリードするブランドとして定着した。20代半ばから40代半ばの女性が主な顧客層であり、再購入を通じて固定顧客層が多いブランドとして知られた。他のブランドに比べてとりわけロングランアイテムが多いこともメトロシティだけの特徴だ。2007年に発売されたビッグショッパーバッグ「MF670」は2日ぶりに完売記録を立て、現在累積販売8万9000個を記録している。

2009年に発売されたキルティングバッグ「MQ563」はこれまで7万個が売れた。「MQ310」は12年目のベスト10に名を連ねている。韓国ローンチ以来販売されたメトロシティハンドバッグの累積販売台数は約576万個だ。統計庁が調査した20~50歳の女性の数が1100万人であることを勘案すれば、ハンドバッグを購入する韓国女性3人のうち1人がメトロシティハンドバッグを持っているわけだ。
  • Luxmen_アン・ジェヒョン記者/写真_チョン・ギテク記者
  • 入力 2014-09-02 17:22:38




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