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コロナで外国人労働者の消えた農村

都市労働者が空席を埋める 

6月に入った慶尚北道の義城郡安溪面(うぃそんぐんあんげみょん)のリンゴ農園。農場に入ると40・50代に見える中年男性3人がハサミを持って摘果作業をしていた。昨年までは「摘果」作業は東南アジアなどから来た外国人労働者の主な仕事だった。今年はコロナ19の影響で外国人労働者の入国が制限されるたことから、内国人がその空席を満たした。

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  • 内国人の援農状況


亀尾市から来たというキム某氏(56)は、「建設現場の日雇いで働いているが、最近は仕事がないので農家に来ることになった」とし、「働いてみると農作業も学べるし日当もそこそこで、この際だから帰農するかという考えもある」と言う。一緒に働く仲間もそれぞれ亀尾市でタクシー運転手や工場労働者として働いたが、コロナ19で仕事が無くなってこの農家を訪れた。

コロナ19の余波で短期失業者になった都市労働者が営農家に迎え入れられて、農家の人手として現場に押し寄せている。5日の毎日経済新聞の取材を総合すると、自治体ごとの農家の人手申請に内国人の志願者が昨年よりも大幅に増えた。慶尚南道の場合、今年5月までに内国人の農家の働き手の志願者は1万9100人で、すでに昨年の全体従業者数(1万5000人)をはるかに超えた。慶尚北道もまた農作業に志願を申請した内国人は先月までに2万3976人を数え、前年同期(1万9000人)よりも21%増加した。

慶尚北道の関係者は、「今年はコロナ19で失業者になった日雇い労働者やアルバイトなど、さまざまな業種の従事者が農家の門を叩いた」と言う。

都市労働力の農家志願が増えたからといって、農村の「人手干ばつ」が解決するものではない。法務部によると、今年の全国自治体に配分された外国人季節労働者(C-4ビザ)は計4797人だが、いま現在まで一人も入国できなかった。非専門就業ビザ(E-9)と訪問就業ビザ(H-2)で国内に滞在した外国人も、4月末の時点で昨年の52万8933人から今年は47万9815人に9.2%減少し、農家の人手が減った。

今年に入ってこれらの在留外国人は1月の51万7人から2月に49万8557人、3月に48万6042人と、毎月減少する傾向を示した。外国人季節労働者はこれまで農家の人手支援の40%を占めるほど比重が高かった。外国人の入国が止まったことから各自治体は各種の支援策を整え、都市労働者の農家への参集を促している。

カン・ジョンウォン江原研究空間創造研究室長は、「農家支援で都市労働者が増えたところで、外国人労働者の割合があまりにも高かったせいで限界があるものとみられる」と語った。
  • 毎日経済_チェ・スンギュン記者/オ・ソンドク記者/イ・サンホン記者 | (C) mk.co.kr
  • 入力 2020-06-05 17:43:38




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