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「コロナ衝撃」を克服したウォン貨

3ヶ月ぶりに1100ウォン台に 

  • 「コロナ衝撃」を克服したウォン貨

◆ 回復した金融市場 ◆

「コロナ19」の大流行以来、ずっと1200ウォン台にとどまっウォンの値が今月に入って急騰を重ねて結局1200ウォンを破り、終値基準では約3ヶ月ぶりに最高値である1197.7ウォンを記録した。

ウォンは去る1日、一日のあいだに13.5ウォンを、3日には8.6ウォン、5日は11.6ウォンと続き、この日は7.1ウォン上昇して連日大幅上昇を見せている。先月25日には終値が1244.2ウォンまで落ちたことを考慮すると、約2週間ぶりに46.5ウォン上がったわけだ。

このような流れは、米国・欧州など主要国の景気刺激とそれにともなう急激なドル安の影響だろうという解釈が主流をなす。不安感のせいで極に達した「ドル好み」現象が落ち着きながら、コロナ19以前のドルに戻る過程だというわけだ。実際、主要国に比べたドルの価値を示すドルインデックスは、ドルの流動性不足が深刻だった去る3月19日には103.7まで上昇したが、この日は96.6に落ちた。これはウォンと同様に、3月11日以降で最も低い数字だ。

新韓銀行のペク・ソキョン研究員は、「先月末からユーロ圏の景気浮揚策でユーロが強気を見せ、ドル安が顕著になっている」とし、「人民元とウォンの両方ともにドル安を追う姿」だと診断した。実際にドル・ユーロの為替レートは、3月19日1.065ユーロからこの日は1.127ユーロに5.8%上昇した。ペク研究員は「短期的に対ドルでのウォンは1180ウォン台まで上がる余力がある」と分析した。

コロナ19の渦中で、韓国経済のファンダメンタルズと「K防疫」などが高い評価を受けて「カントリーリスク」が落ち着いた点が、韓国ウォンの上昇に影響を与えたという見方もある。

DB金融投資のムン・ホンチョル研究員は、「主要国の第1四半期の経済成長率を年換算すると-20%を超えるが、韓国は-5%のレベルで善く守った」とし、「国家不渡りリスクを示すCDSプレミアムも、コロナ19危機以前の水準を回復した」と語る。

ただしドルの弱気とウォンの上昇がトレンドとして持続するかについては、専門家らは懐疑的な見方を示している。ペク研究員は「市場経済の回復期待感が、実際の速度を過度に先に行っている」とし、「景気浮揚策の限界を実感するようになると、中長期的にはドル当たりのウォンもまた1200ウォン台に落ちることがある」と予想した。

今後、ウォンがコロナ19以前の水準である1160~1180ウォン台に戻るためには、ドルの需給が円滑にならなければならないという点が主な要因としてあげられた。
  • 毎日経済_チョン・ジュウォン記者 | (C) mk.co.kr
  • 入力 2020-06-09 18:17:59




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