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サムスン電子李副会長とベライゾン社CEOの「10年の縁」

巨額の契約に結びつく 

  • サムスン電子李副会長とベライゾン社CEOの「10年の縁」
  • 通信装備市場のシェア


「10年の縁と協力関係、李在鎔(イ・ヂェヨン)サムスン電子副会長のマーケティングが8兆ウォン規模の受注礎になった」、サムスン電子が世界1位の通信事業者である米国ベライゾンで8兆ウォン規模5G通信機器を受注したというニュースが伝わるやいなや財界とサムスンの内部で出ている評価だ。実際に、毎日経済新聞取材の結果、李在鎔副会長とベライゾンのハンス・ベストバーグ(Hans Vestberg)最高経営責任者(CEO)との間の信頼関係は、今回の取引き成立の決定的な要因として作用した。

8日の財界によると、李副会長とベストバーグCEOの最初の出会いは2010年にさかのぼる。二人は、スペインのバルセロナで開催された世界最大の通信展示会「モバイル・ワールド・コングレス(MWC)」に、それぞれサムスン電子副社長とスウェーデンの通信会社エリクソン(Ericsson)会長の資格で並んで参加し、最初の縁を結んだ。その後、2012年にスウェーデンのワレンベルグ(Wallenberg)グループの経営陣が訪韓した際には、ベストバーグ氏はエリクソン会長の資格で李副会長と再会した。

李副会長は訪韓団一行をソウル市漢南洞のリウム美術館で開かれたプライベート晩餐会に招待し、この場でベストバーグCEOと面談を持った。ベストバーグCEOは、「サムスン電子と4G移動通信の分野で協力したい」という意を明らかにしたが、同氏がベライゾン(Verizon)社に異動した後に「5G協力」で結実をみることなる。ベストバーグCEOは2017年にベライゾンの最高技術責任者(CTO)に席を異動した後、2018年にCEOになった。同氏は昨年も韓国を訪れて李副会長と面談を行い、事業協力を模索した。

今回の5G通信機器発注・受注をめぐって「交渉」する過程で、二人の長年の信頼関係が肯定的な効果を出したという裏話だ。李副会長はコロナ19のために米国を訪問することは容易ではなくなると、ベストバーグCEOと数回電話や映像会議などを経て、サムスン電子製機器の利点をアピールしたことが分かった。

ビデオ会議には両社の主要経営陣も参加したことが伝えられた。ベライゾンの立場では、次世代移動通信の米国内の全国網を構築するための超大型長期プロジェクトのパートナーを選定する作業であるだけに、今回の交渉を特別に細心の気配りとで暑かったと伝えられる。

財界の関係者は、「サムスン電子がベライゾンの厳しい味覚に合わせられたのは、これまで見せてきた技術力やセキュリティ性はもちろん、最高幹部とのあいだの長年の信頼と協力関係が土台になったのだろう」と説明した。

ベストバーグCEOは先月、「ギャラクシーノート20 5Gの発売を記念する」という内容のツイートをTwitterに上げ、サムスン電子の製品に対する愛情を見せた。李副会長はベストバーグCEOの前任者であるローウェル・マカダム氏とも長い親交を維持するなど、ベライゾンの首脳部と格別の関係を維持してきた。サムスン電子の2009年の装置の供給を契機に協力関係を継続してきた両社は、2018年には5Gホーム(5G Fixed Wireless Access)サービスを世界で初めて商用化した。

今回の供給契約に基づいて、サムスン電子は2025年末までに5Gなどに関する無線通信ソリューションをベライゾンに供給することになる。契約金額は66億4000万ドル(約7兆8800億ウォン)で、韓国の通信機器の輸出史上で最大の規模だ。取引きの規模だけがすごいのではない。業界では、売上高・時価総額・ブランド価値で1位であり、米国内の加入者数1位を誇るベライゾンが、「5G仲間」のサムスン電子を選択したという事実に大きな意味を与えている。グローバル移動通信業界の支配権を揺るがす超大型事件という分析だ。今後の受注戦でもシナジー効果を出すことができるからだ。

李副会長は5Gの導入を通信機器事業の飛躍のきっかけと判断し、2018年に人工知能(AI)・バイオ・電装半導体などと一緒に5Gを未来成長事業として定めた。その後は積極的な投資・支援を惜しまず、特に韓国と外国を行き来しながらグローバルな主要な通信社の幹部に直接会って、マーケティングを行いつつ協力関係を模索している。昨年と一昨年には日本を訪問し、NTTドコモ(NTT DOCOMO)などの日本のキャリア関係者に会ったしい、インドではリライアンスジオ(Reliance Jio)を傘下に置くリライアンスグループ会長の子供の結婚式に出席した。また昨年にはヨーロッパ最大の移動通信会社であるドイツテレコム(Deutsche Telekom)の経営陣との会合を持った。このような動きが実を結び、昨年は日本のKDDIと2兆ウォン台の通信機器供給契約を結ぶこともした。

カイスト(KAIST)のイ・ビョンテ経営学部教授は、「李副会長をはじめとする主要経営陣のネットワークは企業の重要な資産であり、競争力」だとし、「このようなネットワークを積極的に活用し、経営に専念できるようにしなければならない」と語った。
  • 毎日経済_キム・ギュシク記者/ファン・スンミン記 | (C) mk.co.kr
  • 入力 2020-09-08 19:22:41




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