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[コラム] 懐かしい書店の香り


全羅北道(チョルラプクト)南原市(ナムウォンシ)が一味違ったイベントを行っている。
町の書店で買って読んだ本を公共図書館で買った値段で買い取るイベントだ。制限要件がある。
オンラインで買ったのではなく、近所の書店で買ったという証拠書類を一緒に持って行かなければならない。

現金ではなく、南原サラン商品券という地域商品券で支給するため、本やアルバムなど使い道が限られてはいる。市民1人当たり最大2冊までなので4人家族を基準にすれば、8冊までは本の代金を返してもらえるわけだ。

南原市がこのようなイベントを企画した理由は簡単だ。
ただでさえ苦しい町中の書店が新型コロナウイルスでほとんど閉店寸前になったからだ。

南原市のこのような行事を聞いて、よく考えてみたら、町の書店に行ってみたのがいつだったのか、記憶に残ってないほどだ。

少なくとも1週間に1回は書店に立ち寄って、どんな本が出たのか見て回り、1か月に10冊くらい買っていたが、すべて全国にチェーン店を備えた大型書店だった。家や事務所の近くに本屋がないと言うが、言い訳に過ぎない。大型書店に行こうとしても車に乗ってしばらく行かなければならないからだ。

新型コロナウイルスで書籍の販売が減ったわけではない。
家の中に縛られて、やることのない人々は本の購入量が増えた。しかし儲かったのはオンライン書店だけだ。
書籍の販売が増えたのは喜ばしいことだが、特有の雰囲気を漂わせる書店が姿を消すのは残念でならない。

お勧めの何か面白い本があるか?
簡単な会話から始めて、書店の店主といろいろな言葉まで交えて、それから打ち解けてトイレに行くために、店主がしばらく席を立つ時は、代わりに客を迎えてくれたりする風景が懐かしくなる。本を通じて知り合いになった人にも会いたい。

ソウルをはじめとする大都市で、書店が姿を消し始めたのは、もう昔のことだ。
喫茶店まで表示されるポータルサイトの地図で別途に大学街でも検索しない限り、書店の位置を探すことは難しい。

NAVERの地図検索に「お気に入り」項目があるが、12項目の中に書店はない。もし20個に増やせば書店が入ることができるだろうか?

本屋を検索したら、あちこちに表示されてよかった。検索した本屋をクリックしてみると、本と一緒に飲み物やお酒を売っている書店もある。バスで8駅ほど行けば、買った本を持って飲み物と簡単なデザートを売っている本屋が検索される。

時間があれば、いや、1週間以内に一度行ってみないとダメだ。もし、読んだ本を寄贈してもいいなら、書架の一角にある小説を何冊か一緒に持って行きたい。
  • Lim, Chul
  • 入力 2020-06-05 00:00:00




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