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[コラム] ビラのせいかな?


南北和解の象徴だった開城(ケソン)公団にある南北共同連絡事務所が爆破された。
韓半島にまた緊張が漂い始めた。

  • [コラム] ビラのせいかな?
それでも人々はのんきだ。
爆破の事実を伝えるニュースに書かれたコメントを見ると「国民の税金が吹っ飛んだ」、「そんなことで我々が怖がると思っているのか」、「もうやめよう。米一粒ももったいない」、「文在寅(ムン・ジェイン)政府の平和政策はビラ(悪質なウワサやデマの記事)数枚によって崩れ落ちた 」など北朝鮮の行動を糾弾する内容だけだ。

このような反応は、韓半島に戦争は起こらないということを前提としている。戦争が起きて一気に北朝鮮を焦土化させても、南側が被る被害を考えれば戦争のシナリオは決して使われてはならない。そのような危険が蔓延しているなら、そのような危険を心配するなら、コメントが北朝鮮とこれ以上の対話は不要という内容に溢れていないはずだ。

北朝鮮が強硬姿勢に転じるのに、脱北者団体が散布したビラが原因になったのだろうか?
いろいろな要因があるだろうが、そのうちの1つだけは明らかだ。起爆剤になった可能性は高い。

南北に分かれて暮らしている間、南北双方は本当に数多くのビラを相手陣営に飛ばした。
1970年代までは、風に乗って飛んできた北朝鮮のビラを拾った人は、まるで不穏なものを見たかのように震えていた。

  • [コラム] ビラのせいかな?
腐敗した政権で食べていくのに苦労していた住民はもちろん、軍人まで惑わす内容だ。そのため、このような教育漫画まで登場した。


いずれにせよ心理戦は人を疲れさせる。2018年の板門店(パンムンジョム)宣言を通じて、ビラ散布を中止することで南北首脳が合意した。

首脳間で合意したのに南側からビラを飛ばし続けるため、腹が立つだろうし南側に守る意思や能力がないと考えることもできるだろう。

政府が何とか阻止しようとするのに、脱北団体はなぜビラを必死に飛ばそうするのだろうか?ビラを作って送るためにかかるお金はどこで用意したのだろうか?

専門家の分析によると、脱北団体は米国民主主義振興財団(NED)から財政支援を受けているそうだ。 NEDは米国務省から予算を受け取り、2016年から2019年にかけて総額1122万ドルを脱北団体に支援した。脱北団体の後ろには米国務省があるわけだ。

政府と京畿道(キョンギド)が脱北者団体の不法行為を厳しく処罰すると警告したにもかかわらず、韓国戦争が勃発した6月25日には、100万枚のビラを送ると意気込んでいるのは、米国政府が背景にいるため恐れを感じていないからだろう。

政府がビラ散布を強制する方法はない。
首脳間の合意は成立したものの国会の批准を受けることができず、法的効力を持っていないからだ。

一人之下の北朝鮮から見れば、南側が少し情けなく見えるかもしれない。
  • Lim, Chul
  • 入力 2020-06-19 00:00:00




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