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辛東彬ロッテ会長、韓・日関係の改善に乗り出すか

菅首相と会談 

  • 辛東彬ロッテ会長、韓・日関係の改善に乗り出すか

辛東彬(シン・ドンビン、写真左)ロッテグループ会長は日本の菅義偉首相が就任した後、韓国企業では初めて菅首相との会談に乗り出し、梗塞局面にある韓・日関係に影響を与えるかで注目される。特に交の流断絶が長期化することによってビジネスの面でも両国の被害が広がるなか、今回の出会いをきっかけにシン会長がこれを改善する役割を果たすかで期待感が高まっている。

シン会長と菅首相の会合は非公開で行われ、目的と会話の内容などは明らかにされていないが、菅首相が観光の活性化に力点を置いており、シン会長をはじめとする企業参加者が流通関係者という点から、流通や観光分野などで韓・日の実体経済協力を強化しなければならないという議論が行われたと推定される。

特に最悪の状況を続けている両国間の経済交流の扉を開くのはもちろん、危機を妥結するために韓・日両国がより積極的な協力に乗り出すべきだという声を出したと見られる。このため、韓・日経済人のあいだの出会いを活性化させるために積極的な立場を開陳した可能性が大きい。

財界関係者は「比較的、日本政財界との人的交流が頻繁なシン会長が韓・日の梗塞局面を改善するために橋頭堡の役割を果たしてくれる可能性が大きいという側に重きを置く雰囲気」だとし、「菅首相が新会長に会ったことじたいが重要な意味を持つ」と語った。

財界では、韓・日関係が進展するためには両国の知韓派・知日派人士の役割が重要だと見ている。実際には企業オーナーが両国関係の改善のために、より積極的に動く姿だ。李在鎔(イ・ヂェヨン)サムスン電子副会長も去る9月に富田在韓日本大使と会い、企業人の日本入国に対する制限緩和を要求したことが伝えられた。

財界では特に菅首相と親交の厚いシン会長が韓・日経済の架け橋となってくれるだろうという期待感が高まっている。

シン会長は国内財界では代表的な「日本通」で、日本政界と長いあいだ交流して人的ネットワークを形成してきた。特に安倍晋三前首相とシン会長、一歳違いで、親交が深いことが分かった。安倍前首相の在任当時は菅首相が官房長官として補佐してきただけに、今回のシン会長との会談にも安倍元首相が影響を及ぼした可能性がある。

シン会長と安倍元首相の関係は、二人の父親から始まったことが分かった。

日本での事業を起こした故辛格浩(シン・ギョクホ)ロッテ名誉会長は、安倍前首相の父親である安倍晋太郎元外相と外祖父である岸信介元首相と長いあいだ親密な関係を結びながら、息子の世代まで縁が続いたことが分かった。安倍元首相は2015年、シン会長の長男の結婚披露宴に出席した。シン会長の結婚式には当時の首相だった中曽根康弘と福田赳夫元首相、岸元首相などが大挙して参加した。

国内政界でもシン会長を通じて日本の政界と関連する意見が入った。昨年10月に当時のイ・ナギョン(李洛淵)国務総理は天皇即位式への出席を控え、シン会長と非公開の面談を通じて韓・日関係に対する意見を聞いた。二人は昨年5月、ロッテケミカルの米国ルイジアナ州工場の竣工式でも会い、韓・日関係について話を交わしたことが伝えられた。昨年7月の日本の対韓輸出規制措置後も、電話で関連する議論を交わしたことがあると伝えられた。このことから、シン会長が今回の会合で韓国側の立場を日本に伝達する「メッセンジャー」の役割を果たしたのかも関心事だ。

韓国と日本が「企業人の特別入国手続き」に合意し、去る8日から企業人の往来が可能となったことも、シン会長の役割に対する期待感が大きくなる理由の一つだ。今回の合意で、去る3月に両国がノービザ入国とビザ効力を停止し出入国を止めてから7ヶ月ぶりに門戸が再び開放された。今後、企業人が両国を往来するときの自己隔離が免除され、コロナ19以前のように頻繁に行き来できるようになった。

シン会長は今年4月に日本のロッテホールディングス会長に就任し、日・韓ロッテの首長となったが、両国の国境遮断でシャトル経営に支障をきたしてきた。 6月は日本のロッテホールディングス株主総会にも参加できなかった。
  • 毎日経済_パク・テウィ記者 | (C) mk.co.kr
  • 入力 2020-10-12 20:02:55




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