サムスン電子とLG電子、米国内工場を増設か

バイデン政権の「変数」 


来年に新たにはじまるジョー・バイデン次期米政権は、ドナルド・トランプ現政府と同様に「リショアリング(製造本国回帰)」を掲げて韓国電子産業、特に半導体業界の米国内での投資増大を圧迫するものと見られる。バイデン次期大統領は「アメリカ人すべてが、アメリカ全体で作る米国産(「MADE IN ALL OF AMERICA”BY ALL OF AMERICA`S WORKER)」を全産業分野のスローガンとして掲げた。

まず半導体業界は、米テキサス州オースティンにあるサムスン電子オースティン半導体工場が近いうちに大規模な増設を断行すると思われる。米国大統領選挙の期間中、バイデンキャンプは「トランプ政権は米国のサプライチェーンを弱体化させた」とし、「バイデンは医薬品・医療機器から半導体・通信技術など、尖端核心製品をアメリカ人が直接に製造するように押し進める」と約束した。米国の雇用を増やすために、先進製造業のリショアリングをいっそう強化するという意志だ。

サムスン電子はシステム半導体ファウンドリー(受託生産)基地であるオースティン工場に極紫外線露光装置(EUV)専用ラインを増設する計画を立てたが無期限延期した。しかし最近になって「バイデンリショアリング」の波に乗って、投資再開の期待感が高まっている。現地法人であるサムスンオースティンセミコンダクター(SAS)は先月から大々的に採用を開始し、2022年のライン増設のための敷地購入に乗り出したという地域メディアの報道も出た。サムスン電子は「増設計画はまだない」と線を引いた。しかしサムスン電子は米クアルコムや米NVIDIAとの相次ぐ大型契約で、韓国内のファウンドリ工場の物量がめいっぱいなうえに、米インテルの中央処理装置(CPU)の生産受注をめぐって台湾TSMCと競合するだけに、増設は有力だろうと業界は見ている。

家電分野でも韓国企業の米国投資は増える見込みだ。昨年、サムスン電子とLG電子はトランプ政権の強力な圧迫の中で、それぞれノースカロライナ州ニューベリーとテネシー州クラークスビルの冷蔵庫・洗濯機工場を建てた。 LG電子のクラークスビル工場も、600人で始めた従業員数が700人を超えた。

特にバイデン次期政権は政府調達品目に対する「51%ルール」も強化して、米国産の素材・部品に対する比重を高める計画だ。現在、政府調達品に米国産認証を得るためには、米国で製造された素材・部品の割合が51%以上であればよい。ただしサムスン電子の関係者は、「米国に建てた家電工場はすでに部品・素材の現地化率を相当部分成し遂げた」と語った。

国内各企業はバイデン次期政権の景気浮揚策は、思いがけない長期のウォン高につながる可能性もあると憂慮している。国内産業界があげるバイデン時代のもう一つの重要な変数は、中国に対する制裁を継続するかどうかだ。今年、米国が中国のスマートフォン大手のファーウェイ社に対する半導体・ディスプレイなど主要部品の供給を事実上封鎖したことで、サムスン電子とLG電子など国内のライバル企業はファーウェイの空席を占める反射利益を享受した。業界ではバイデン次期大統領が「柔軟な対中国政策」を約束しただけに、このような制裁措置が緩和されることがありうるという観測を出している。一方で米国の強い反中情緒を考慮すると、バイデン次期大統領は支持率のためにも中国制裁を容易に中断しないだろうという予想も多い。
  • 毎日経済_イ・ジョンヒョク記者 | (C) mk.co.kr
  • 入力 2020-11-10 19:25:15