[韓国はコーヒー共和国 ①/⑤] 簡単便利、安い上においしい…2兆ウォン市場

① コーヒー飲料・ミックスコーヒー市場も爆発 

  • < 年間コーヒー販売量の推移 >

ピングレは最近、女優のハ・ジウォンを起用して冷蔵コーヒー製品「アカペラ」の新規CMを制作した。発売を開始した当時には冷蔵コーヒー市場規模が大きくないと予想し、アカペラの製品マーケティングを行わなかった。

マーケティングやプロモーションを行わなかったにもかかわらず、アカペラは発売以来、飛ぶように売れた。さらに昨年には単一製品の売上額が200億ウォンを超え、ピングレは遅れて戦略を修正した。ピングレ側は「冷蔵コーヒー市場規模が非常に大きくなり、今年は本格的にアカペラのマーケティングを始めた」と説明した。

コーヒー飲料市場は成長の勢いが著しい。市場調査専門業者であるニールセンによると、昨年11月を基準にしてコーヒーミックス市場の年間販売量は1兆ウォンを超えた。携帯用コーヒー飲料(RTD・Ready To Drink)市場も相当規模が大きい。毎日乳業の集計によると、昨年のRTD市場の規模は6700~6800億ウォンほどであると予想される。

コーヒー飲料市場は7000億ウォン

  • < コーヒー飲料市場規模 >

韓国のRTD市場は1980年台から造成され始めた。初期のRTD市場は缶(can)コーヒーが引っ張った。市場を主導していた製品はロッテ七星飲料の缶コーヒーである「レッツビー」。しかし、缶コーヒーが主だったRTD市場は毎日乳業が1997年にカップ容器にコーヒーを入れた冷蔵コーヒー「カフェラテ」を発売しながら勢力図が変わった。カフェラテはカップやビン、パックなどの容器に入れて販売される冷蔵コーヒー時代を開いた。冷蔵コーヒーは冷蔵ジュースのように冷蔵流通を通して販売されるコーヒーだ。冷蔵流通であるため、缶コーヒーよりも新鮮だという特徴がある。

毎日乳業の冷蔵コーヒーが人気になると、ほかの飲料企業も多様な冷蔵コーヒーの製品を次々と発売した。現在カフェラテのほかに、東西食品の「T.O.P」、ロッテ七星「カンタタ」、韓国ヤクルトの「サンタフェ」などが市場にて販売されている。熊津食品はRTD市場を狙った単独ブランド「ババコーヒー」をローンチしたりもした。

冷蔵コーヒー市場規模が予想外に拡大され、コーヒー専門店業者も流通業者と提携して商品を発売した。スターバックスは東西食品と提携してカップコーヒーとビンコーヒーを出した。ロッテ七星飲料もロッテ系列社であるエンジェリナスとともにカップコーヒーを発売した。このほかにホリーズは熊津食品と、トムアンドトムズは広東製薬とともに冷蔵コーヒー市場に進出した。

RTD市場の成長の勢いは急速だ。ニールセンによると昨年11月を基準にしたRTDコーヒーの年間販売量は15万1429トンに達する。2009年11月基準の11万7497トンから1年にして28.9%も増加した。さらにはコンビニエンスストアのGS25の場合、スターバックスの冷蔵コーヒーが単一の品目で全体のコーヒー飲料売上げの78%を占めたりもした。ニールセンは「コーヒー市場のトレンド変化」を介して「景気の回復に対する期待感が拡大したことにより、消費者たちのRTD製品価格への敏感度が低くなっている。消費者が高価な製品を好む現象が現れながら、新しい形態の小容量高価製品が市場の成長を引っ張っている」と話した。

面白い点は冷蔵コーヒー市場が拡大する間、缶コーヒー市場も萎縮せずに同伴して成長しているという事実だ。

ピングレの「RTD飲料市場分析」によると2008年に2088億ウォンだった缶コーヒー市場規模は2009年に2133億ウォンに拡大した。最も多く売れたロッテ七星飲料の缶コーヒー「レッツビー」の昨年の売上額は、1200億ウォンにも達した。毎経エコノミーがロッテ七星、韓国コカコーラ、ヘテ飲料、熊津サイダー、東遠F&B、ピングレなど、大型飲料業者を通じて調査した結果、昨年に主要業者が1000億ウォン以上販売した飲料水は七星サイダー、コカコーラなどの6つだけだった。昨年、最も売れた飲料水6つのうちのひとつが缶コーヒー「レッツビー」だという意味だ。

コーヒーミックス市場は1兆ウォンを超えた

  • < コーヒーミックス市場規模 >

コーヒーミックス市場は1兆ウォンを超えた。昨年Eマートにて最も売れた商品はラーメンでもなく、米でもない一袋100ウォンするコーヒーミックスだった。現在、東西食品「マキシム」が市場を主導している。1987年に国内で初めてスティック型のコーヒーミックスを作りコーヒーミックス市場に進出した東西食品は市場シェアの80%ほどを確保している。韓国ネスレの「テイスターズチョイス」の市場シェアは15%内外、現在までコーヒーミックス市場は2つの業者が両分している。

今年に入って競争が激化した。市場規模が大きくなり続けるという展望により、いくつかの業者が続々と飛び込んだ。ニールセンは「コーヒーミックス市場の競争は熾烈になったが、消費者の選択幅が広くなりコーヒーミックス市場は次第に拡大する勢い」と話した。南陽乳業とロッテ七星飲料はすでにコーヒーミックス市場に進出した。南陽乳業は昨年の12月にコーヒーミックス「フレンチカフェ」を発売した。通常クリーミングパウダーに牛乳の味を出すために添加されていたカゼインナトリウムを抜き、無脂肪牛乳を入れたクリーミングパウダーを使用し、発売から4か月で売上げ200億ウォンを突破した。今年の2月からフレンチカフェのコーヒーミックスをEマート、ホームプラス、ハナロマート、ロッテマートに出荷した。ロッテ七星飲料も昨年7月「カンタタ」ブランドからコーヒーミックス市場に進出した後、現在まで3種の製品を発売した。このほかにも大象、韓国ヤクルトなどがコーヒーミックス市場への進出を模索している。南陽乳業とロッテ七星の市場侵入により今年のコーヒーミックス市場は10%ほど成長すると予想されている。

市場の成長は続くか

RTD市場とコーヒーミックス市場など、コーヒー飲料市場の成長の勢いは当分の間続くと見られる。毎日乳業のコ・ジュヨン飲料チーム長は「今年RTD市場の規模は7500億ウォン規模に成長するだろう」とし、「これからも5年間はこのような流れが持続し、市場規模が成長し続けると見ている」と伝えた。理由は止まることを知らないコーヒー飲料の需要増加のためだ。並んで待つ必要がなく、購入が簡単で価格が安いため、30~40代の若い男性を中心にコーヒーの需要が拡大している。

広範囲な流通網を確保している上に、消費者の変化を早く感知する流通業者がコーヒー業者と共同で市場に製品を発売している点も市場成長が予想されている理由だ。

実際に最近、RTD業者がコーヒーを発売しながら、若い消費者の好みを考えて缶コーヒーの砂糖使用を減らしたり、高級なコーヒー豆を使用している。デザインが優れたNB(New Bottle)缶を利用しているのも消費者の好みの変化に反応するためだ。

RTDコーヒーやコーヒーミックスが韓国の文化に適合しているため、向後、市場成長が維持されるという予測もある。市場調査の専門機関であるトレンドモニターのユン・ドクファン部長は「砂糖、クリーミングパウダー、コーヒーが混ざっているコーヒーミックスが発売されている国家はあまりない。韓国人は即席で早く飲料を消費する性向があるため、コンビニエンスストアにてすぐに購入できるRTD市場が成長した」と話した。

成長の勢いは続いているものの、以前のような爆発的な市場成長はないと予想される。ユン・ドクファン部長は「コーヒー市場がこれまで爆発的に成長した理由はコーヒー飲料自体に対するニーズというよりはコーヒーを飲む空間に対するニーズのためだった。よって、コーヒー専門店市場は継続して成長するだろうがRTDやコーヒーミックス市場の成長の勢いは現在よりは低くなるだろう」と展望した。ユン部長はまた、最近飲料市場のトレンドであるウェルビーイング(well-being)とコーヒーは大きく関連性がないという事実も指摘し、成長はするだろうが成長率は減少するだろうと付け加えた。

コーヒーミックスとコーヒー専門店の間のRTDコーヒーのポジションが曖昧であるため、RTD市場は今がピークだという主張が出ている。RTDコーヒーの主要競争力のうちのひとつが価格だ。しかし、コーヒー専門店の競争が深化し、コーヒー専門店で販売されているコーヒーの価格が下がってきている。専門店のコーヒーの価格よりも安い水準に下降調整される場合、RTD市場の競争力が減少するという主張だ。
  • 毎経エコノミー第1609号_ムン・ヒチョル記者
  • 入力 2011-06-07 03:00:32