[韓国はコーヒー共和国 ④/⑤] 大型コーヒーブランド2年以内に交通整理か

④ コーヒー専門店のピークは今なのか 

  • < ソウル江南大通でコーヒーショップを検索するアプリケーションを起動すると、さまざまなコーヒー専門店のロゴが浮かび上がる >

地下鉄4号線の水踰駅を出てすぐにスマートフォンを取り出し、コーヒーショップを検索するアプリケーション「iNeedCoffee」を起動させた。瞬間、さまざまなコーヒー専門店のロゴがスマートフォンの画面を埋め尽くした。100m以内に少なくとも10以上のコーヒー専門店が浮かんだ。

水踰駅ではこれくらいが当然だ。ソウル市内の主要な商圏と駅勢圏、大通りなどが多い。一日もたたない間に新しいコーヒーブランドが登場し、とても入ることができないような場所にまでコーヒー専門店が堂々と建つ。コーヒー戦争だ。

KB金融持株経営研究所がKBカード加盟店183万個の売上データをもとに発表した「2010年第4四半期のサービス自営業景気動向分析レポート」によると、コーヒー専門店の売上高は2008年の第2四半期と比べて34%増加した。同じ期間、加盟店数は175%が増え、売上高の増加率の5倍にもなる。当然店舗間のコーヒー競争はより熱くなった。

果たして、過熱を帯びたコーヒー専門店市場は、今後さらに成長することができるのだろうか。あるいは頂点に到ったり、構造調整を経験するのか、コーヒー専門店をめぐる珍現象に照明を当ててみた。

  • < 主要なコーヒー専門店ブランドの創業費用 >

商圏保護なく雨後の筍のごとき出店、1年足らずに廃業店続出

ソウル麻浦区孔徳駅近く、麻浦ホリデイホテル半径200m内にはコーヒー専門店だけで10店舗以上が超える。店舗の物件を専門的に販売するS不動産には一帯で売りに出されたコーヒー専門店が3~4個入っている。名前さえ聞けば分かるようなコーヒーのブランドも、店舗を開いて1年足らずで売りに出された。 S不動産関係者は「つい最近にも一か所が1年も堪えられず出て行き、他業種に変更し、最近も何人かの店舗主がやめるか悩んでいる」と伝えた。

コーヒー専門店が閉店したり、売りに出される理由は、商圏保護がされていないからだ。あるコーヒー専門店の関係者は、「周辺に競合他社が少なく、流動人口が多い商圏だとしても、少しすると大規模なコーヒーブランドが入ったりする。大型ブランド出店で周辺のいくつかのコーヒー専門店が門を閉める。これとは反対に、すでに大規模なブランドが独占した商圏もいくつかの種類のコーヒー専門店が売上げを分けて食べる式の商圏が形成されている」と雰囲気を伝えた。

通常商圏は店舗から半径500mを1次商圏、半径1~2㎞を2次商圏、1と2次商圏を超えた地域を3次商圏に定め、その範囲内での流動人口を調べて販売額を算出する。例えば1人当たり月のコーヒー消費量が3万ウォンであり、商圏内の流動人口が3000人の場合、9000万ウォンの消費市場が形成されたと見る。どんなに売れるコーヒー専門店でも月に1億ウォン以上稼ぐのは難しいということだ。これを商圏内の同種業者の店舗数で割ると、各店舗の予想売上高はさらに減る。

いくら商圏が優れ良好な立地を選定したとしても、すでにその商圏の業種が飽和状態であれば、開店しても意味はない。ところが、これを無視して無分別に店舗を開設するフランチャイズ本社も多い。それゆえに、フランチャイズ本社と店主の間で口論を超え商圏訴訟まで行われる。今年、500店舗を突破したカフェベネでは今年の初めに目標店舗数を800店舗に上げて、これを積極的に発表した。しかし、商圏侵害を憂慮した加盟店主らの反発が激しくなったからか、最近では、出店目標を正式に明らかにしていない。

ある関係者は、「商圏保護の問題は、加盟店主が最も敏感に感じる部分だけに、地域出店時に近くの店主の同意なしに開店することができないようにしなければならない」と助言した。

▶ 収益ますます悪化、「一日250万ウォンずつ売っても家賃を稼ぐのがやっと」

商圏の競争が激しくなり、店舗の収益性も大幅に低下している。

Aコーヒー店舗開発者は、「コーヒーのブランドと店舗数が急増したが、コーヒーの需要層が急速に増加して店舗あたりの平均売上高は、昨年よりも増えた。しかし、中心商圏の場合事情が違う。店舗間の競争が激しくなり、賃貸条件も厳しくなって収益性も悪化した」と伝えた。

商街114のチャン・ギョンチョル理事は「店舗開設費用は保証金と権利金が大きな割合を占めるが、より大きな割合は毎月負担しなければならない家賃だ。高い家賃を負担する場合は収益構造が合わず、間もなく閉店する確率が高い」と述べた。通常中心商圏で165㎡(約50坪)の基準権利金は2億~7億ウォン、家賃は保証金に応じて異なるが、1000万~7000万ウォン程度に形成されている。毎月最低1000万ウォンの家賃を出すためには、一日に250万~350万ウォンを売らなければならないという計算が出てくる。

通常、加盟店の売上高の構造で原価が占める割合は25~30%程度。残りの70%の中から使用料、人件費などの一般管理費を除外したら、平均純利益率は30%前後だ。しかし、家賃が上がり続け、収益率が20%台前半にとどまるところも多い。このような事情で最近、コーヒーフランチャイズは、中心商圏を避けて郊外や地方などに目を向け始めた。

「無条件」式のコーヒー創業者の急増、予備創業者10人のうち7人はコーヒー創業

  • < 三成洞COEXモールの地下商店街にコーヒー専門店が大挙して集まっている様子 >

準備のない「無条件」式のカフェ創業も競争過多と早期閉店を到来させる要因だ。フランチャイズ創業コンサルティング会社MK創業が最近の予備創業者1000人を対象にアンケート調査を実施した結果、約76%が「最も創業したいアイテム」で「カフェ型フランチャイズコーヒー専門店」と答えたことが分かった。 10人のうち7人がコーヒー専門店創業を希望しているわけだ。

コーヒー専門店の創業費用はフランチャイズの場合、平均5億ウォン(132㎡基準)程度だ。最高3億ウォンまで融資が可能なため、実際に2億~3億ウォンさえあれば、創業が可能だ。個人のカフェの場合、立地に応じて異なるが、ドリップコーヒー店の場合7500万~1億ウォン、直接豆を焙煎するコーヒー店の場合、1億2000万~1億5000万ウォンのラインだ。

問題は、徹底した準備なしに創業に飛び込んだり、飛び込もうという人が意外に多いということだ。

カフェベネ加盟事業本部の前理事のクァク・ビョンチョル氏は「他の人がしているから私もしようかという予備創業者がかなり多い。先日もある花屋が店の前に余ったスペースがあり、コーヒーショップを出すというのでコーヒーについてどれくらい知っているかと聞いてみたところ、何も知らなかったため、戸惑った」と伝えた。

もちろん大型フランチャイズのコーヒーショップは、専門知識や技術がなくても、創業が可能である。本社のマニュアルに基づいて店舗運営が可能だからだ。しかし、これも昔の話だ。消費者の味覚とサービスへのニーズが高まっている状況では、コーヒーのABCも知らないで店を運営しては生き残ることができない。

ビジネスUNのイ・ヒョンソク院長は「フランチャイズコーヒー専門店は、今後2~3年以内に交通整理がされると予想される。これからは焙煎技術が特別な自営業者がニッチコーヒー市場を主導するだろう」と述べた。

画一化されたコーヒー専門店の人気は枯れ、直接コーヒーを焙煎するロースタリーカフェが大頭

消費者のコーヒーの趣向と味覚が高級化されている点も、既存の平均的なコーヒー専門店が淘汰される理由だ。ここ数年、新しい特別な味を追求するスペシャリティ市場が大きくなっている。ほんの数年前までは、コーヒー専門店は開店さえすれば、顧客が訪れた。しかし、最近は美味しくないと足を向けてくれない。特にコーヒーマニアは直接店舗の中で豆を焙煎するロースタリーカフェを好む。一か月、あるいは数か月前に別の場所で焙煎してきたコーヒーは、どうしても味と鮮度の面で落ちるからだ。このように、即席焙煎市場が大きくなり、ロースタリーカフェも急増した。わずか5年前には100か所しかなかったロースタリーカフェが現在、全国に3000か所以上になると推定される。

手で直接コーヒーを淹れて飲むドリップ方式のコーヒー専門店も人気だ。ドリップコーヒーは、微細な味の違いを出すためにマニアたちが好んで飲む。直接新鮮な焙煎コーヒー豆を買って家で飲む「ホームカフェ」族も増えた。おかげでオンラインで専門的に焙煎豆を販売する業者も出てきた。ロースターズビーン、ベラコーヒー、セビアンなどがオープンマーケットで有名だ。オンライン焙煎豆の販売市場だけでも、年間60億ウォンに達するものと把握されている。

クァク前理事は、「これまで量的に膨張されたコーヒー産業が細分化され特化された形に進化している。アメリカでもスターバックスは苦戦中でコーヒーの味に優れた『インテリジェンシア』コーヒーや『スタンプタウン』コーヒーなどが顧客に脚光を浴びている。ロースタリーショップなどの個人カフェの数は今の2倍以上に拡大するとみている」と述べた。

コーヒーだけでなく、デザートメニューもコーヒー専門店の競争力を左右する要素となった。既存の経験していない新しい飲料を開発したり、競争力のあるデザートメニューを組み合わせた新しい形のコーヒー専門店も登場した。
  • 毎経エコノミ― 第1609号_キム・ボムジン記者
  • 入力 2011-06-08 08:00:33