【韓国コラム】幽霊より怖いのは人


新年早々、冬には見られなかったバラエティ番組が少し登場した。
パイロット版を披露したMBCのトークショー『深夜怪談会』だ。

背筋を冷やしてくれる恐い話は暑い夏に似合うという公式を破りたいのか、寒い冬の夜、お茶の間を訪れた。ほとんど幽霊の話だった。悪霊と戦うドラマが人気を集めたため勇気を出したようだ。

放送で紹介された就活生のエピソードを1つ紹介する。

  • 写真:MBC放送画面キャプチャ


アルバイト先を探していたウシクは、釣り場で働き手を探す広告を見て広告を載せた人に会った。
釣りを手伝ってあげるだけでいいそうなので、大変だと思っていなかったのだろう。
広告を載せた男は真鍮の器を一つ渡して、ついて来いと言ったが山に登り続けたそうだ。「釣りに行くといったのになぜ山に行くんですか?」と愚痴をこぼすと男は心でも読んだかのように「山に貯水池があるからもう少し我慢しなさい」と言った。

彼の言葉通り山に貯水池があった。貯水池に到着すると中年の男性は腰を据えて釣り竿を投げた。餌を付けもしないでだ。

「餌も付けずに釣りをするんですか?」
「昨夜、網かごを仕掛けておいたんだ。網かごをすくい上げるだけでいいんだよ」

そして何かを引き上げるために苦労しながら「入る時も苦労させて出てくる時もそうだ」と独り言を言ったそうだ。とにかく、やっとの思いで網かごを持ち上げて「早く出して器に入れろ」と叫んだそうだ。その言葉を聞いて網かごの中を探り器に入れたところ、土の中から女性の髪の毛のかたまりと爪がちらっと見えた。ウシクはとても驚いて、みんな投げ捨てて狂ったように山を下りたそうだ。

その事があってから毎晩金縛りにあって眠れなかったそうだ。そして有名な霊媒師を訪ねた。

ウシクの話を聞いた霊媒師の説明は簡単だった。
「水鬼を作ろうとしたんだ。大した事じゃないから忘れればいいよ」

後で真相を知ると霊媒師の言葉通り釣りバイトを募集した男は霊媒師だったそうだ。神通力を得るために水鬼を作ったが自分に害を与えるのではと心配になり水鬼を移すのを手伝ってくれる人を募集したそうだ。おそらく恨みを抱いて死んだ女性の遺体から爪と髪の毛を得たようだ。

優れていると言われるために水鬼まで作ろうとしたなんて「幽霊より怖いのが人」という言葉が実感できる。

最近のニュースを見ると世の中が幽霊に沸く地獄のような気がする。

16か月になった養子のジョンインを殺した養母に続き、お腹を痛めて生んだ子を殴って殺す母親の事件が続いた。16日には20代の母親が出産した赤ん坊を窓の外に投げつけ厳しい寒さで死亡した事件があり、同じ時期に内縁男との間に生まれた8歳の子どもを窒息させて殺害した母親が逮捕された。

8歳の娘を母親が出生届けも出さなかったため学校はもちろん、保育園や幼稚園にも通えず親しい友達が1人もいない10坪余りの家で独りで過ごす寂しい人生を送り亡くなったのだ。幼い娘にとって人生はどのような意味があったのだろうか?お母さんに首を絞められる瞬間「生きたい」という思いさえしなかっただろうという切なさが私は胸を締め付ける。
  • Lim, Chul
  • 入力 2021-01-23 00:00:00