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揺らぐ「韓国半導体超格差」…韓DRAMシェア、5年目の下り坂


  • 揺らぐ「韓国半導体超格差」…韓DRAMシェア、5年目の下り坂
  • 韓国半導体のシェア推移


■ 韓、29年目で世界1位を守ったが…

サムスン電子デバイスソリューション(DS)部門メモリ事業部は、最近は悩みが深い。今年のDRAM設備投資を拡大するかどうかが事業の最大の懸案になった。サムスン電子は受託生産(ファウンドリー)と人工知能(AI)半導体などの非メモリ(システム半導体)を次世代有望事業に指定し、投資を集中している。DRAMやNAND型フラッシュメモリのようなメモリ事業は、投資計画を比較的保守的に組んだ。しかし今年に入って本格化した半導体超サイクルと米国マイクロンなどの競合他社の積極的な尖端メモリへの投資は、メモリ1位サムスン電子の位相をゆさぶっている。

サムスン電子は1993年にDRAM市場占有率1位に上がって以来29年間、世界市場で圧倒的なメモリ(D-RAM・NAND型)1位を守った。しかしここ数年はシェアが着実に下落している。 2016年のサムスン電子の年間DRAMシェアは48%だったが、5年のあいだ減少を続け、昨年は43.1%に落ちた。すでに昨年第4四半期には42.1%(トレンドフォース集計)のレベルまで下がった。

■ 7世代のNAND型、米マイクロンが先手

NAND型も状況は同じだ。サムスン電子のNAND型シェアは2017年に40%を超えたがその後に続けて落ち続け、昨年の第4四半期には33.4%まで減少した。さらに昨年11月、米マイクロンは世界初の176段以上の3次元(3D)第7世代積層(V)のNAND型メモリを世界で初めて出荷したと明らかにしたことで、「技術超格差」にもひびが入った。サムスン電子は現在、第6世代V NAND型を主力とする。サムスン電子メモリー事業部は、今年の下半期に予定された第7世代NAND型メモリの商用化時期を少しでも早めるために腐心することが伝えられた。

■ 10ナノDRAMは台湾に追われて

業界の専門家らは、これまでサムスン電子が「見向きもしなかった」海外の競合他社の技術向上が急速に進み、サムスン電子の技術の位相が揺らいでいると分析する。マイクロンはサムスン電子と同等の10ナノメートル(?・1?は10億分の1メートル)級DRAMを量産しており、最先端の極紫外線(EUV)露光装置を活用した10ナノ台前半の次世代DRAMの開発にも取り組んでいる。今年の上半期中にEUV DRAMを生産するという目標だ。

さらにマイクロンはNAND市場で第2位(シェア約19%)の日キオキシア(旧東芝メモリ)の買収にも関心を示していることが知られている。マイクロンが実際に買収に成功すると、一気にサムスン電子に匹敵するNAND市場の強者になる。

■ 韓の技術力、中・日よりも弛み

マイクロンだけでなく、台湾のナンヤもEUV DRAMの開発に速度を出して技術格差を縮めている。中国もメモリ国産化をあきらめなかった。中国の習近平政権は主要なメモリ企業を国有化し、国家レベルでのメモリ開発に力を加えている。メリッツ証券のキム・ソヌ研究員は「先進的な半導体プロセス開発がますます難しくなる点を考慮すると、絶対的な技術格差はさらに狭まるしかない」と語る。

SKハイニックスはそれでもまだ状況はよい。 SKハイニックスは崔泰源(チェ・テウォン)SKグループ会長のしっかりとした支援の下、昨年10月に米インテルのNAND型事業を10兆3000億ウォンで買収し、一気にNAND市場で2位に浮上した。今年は京畿道利川に竣工したM16ラインを主軸に、EUV DRAMとすでに開発を完了した第7世代3D NAND型量産の安定化に注力することにした。

これに比べて李在鎔(イ・ヂェヨン)副会長と主要経営陣が2016年末から捜査と裁判そして収監を重ねてきたサムスン電子は、カーエレクトロニクス機器企業の米ハーマンインターナショナル(2016年9月)以後、これといった戦略的投資を断行していない。国内の中堅半導体企業の役員は、「ASMLが独占生産するEUV装置は、年間生産量の半分をTSMCが青田買いした」とし、「李副会長は昨年、ASML本社に直接飛んでEUV機器供給に念を入れたが、今年と来年は同氏が動けないだけに、サムスン電子の安定した装置確保に支障を来たすこともある」と語った。

システム半導体の中でも、将来の新事業として脚光を受けるAI半導体も、やはりサムスン電子などの国内主要企業の技術的向上が遅れている。しかし国内の半導体企業の中ではサムスン電子とSKハイニックスを除けば、グローバル企業レベルのAI半導体能力を示す企業は皆無のようだ。次世代半導体素材に対する競争でも、国内企業はこれといった成果を出せずにいる。すでにドイツの半導体企業インフィニオンはSiC・GaN材料で製造された半導体ソリューションを2018年に発売を開始した。
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  • 後退する韓国半導体の技術力


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  • 毎日経済 | イ・ジョンヒョク記者 | (C) mk.co.kr
  • 入力 2021-04-14 17:49:35




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