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韓SK、仏イポスケシ社買収…バイオCMO市場を先取り


    SK(株)は仏イポスケシ(Yposkesi)社の買収をはじめとして、バイオ委託生産(CMO)事業に拍車をかける。

    2019年の時点で世界のバイオ医薬品市場は総3110億ドル規模だ。抗体治療剤が1400億ドルで最も大きく、遺伝子・細胞治療剤市場は商業化の初期段階であることから40億ドル規模だ。

    デロイト(Deloitte)などの市場調査会社によると、バイオ医薬品市場は2025年には5120億ドル規模になると予想されるなかで、遺伝子・細胞治療剤は620億ドル規模になるとみられる。 2019年との比較で15倍以上も拡大する高成長だ。

    SK(株)は遺伝子細胞治療剤事業の中心であるヨーロッパを含め、今後の米国・アジアなどの新しい市場を積極的に攻略する計画だ。チャン・ドンヒョンSK(株)社長は31日、「イポスケシがグローバル市場で急速な成長をできるように支援を惜しまない」と語った。

    バイオCMO市場は高度な技術力と専門人材が必須であることから進出に対する障壁は高い。現在、グローバルなメインプレーヤーはスイスのロンザ(Lonza)、米キャタレント(Catalent)、米サーモフィッシャー(Thermo Fisher Scientific)などで、これらは買収・合併(M&A)を通じてバイオCMO市場に進出した。 SK(株)は今後、追加の投資とM&Aを検討中だ。

    イポスケシは遺伝子・細胞治療剤の研究開発の中核的な遺伝子伝達体(ベクター)の生産プラットフォーム技術を保有している。ベクターとは、治療DNAをウイルスに挿入した後に人体に投与するための遺伝子伝達体だ。現在、仏ジェネトン(Geneton)は筋萎縮症、先天性免疫不全、珍しい肝疾患などの珍しい疾患の遺伝子治療剤を開発している。遺伝子治療薬として商業化が完了した第1型脊髄筋萎縮症の遺伝子治療法の核心技術もジェネトンの技術だ。このほかに視神経萎縮、先天性ミオパチー、慢性肉芽腫遺伝子治療剤の開発にも貢献した。

    イポスケシは遺伝子・細胞治療剤が公共医療事業と密接であることから、売却の過程で財務的投資家(FI)ではなく戦略的投資家(SI)を見つけることに注力したことが分かった。 SK(株)の関係者は、「イポスケシは会社を適切に育成できる能力と意志を持った投資家を最優先に考慮した」と説明した。イポスケシは2016年に仏ジェネトンを含むフランスの主要な難治性遺伝性疾患の研究機関が共同設立した持株会社H-MRBが設立し、持分の53.6%を保有している。

    今回の買収でイポスケシは生産設備の拡大にもスピードを出すことになった。イポスケシは現在、フランスのバイオ産業団地であるジェノポールに5000平方メートル(約1500坪)規模の生産設備を保有しており、現在の生産規模を2倍に増やす増設作業を進めている。
  • 毎日経済 | イ・ユンジェ記者 | (C) mk.co.kr | 入力 2021-03-31 21:20:25