記事一覧

ニュース

数字経済

テクノロジー

コラム

ビューティー

カルチャー

エンタメ

旅行

韓国Q&A

新造語辞典

もっと! コリア (Motto! KOREA)
数字経済 > 経済

韓、精油各社が稼働率下げる…油価ショックとマージン下落で


    最近、韓国のある精油会社が稼働率を80%以下に下方調整する緊急計画案の樹立に着手した。これは最近のロシア・ウクライナ戦争で原油価格が急上昇するなかで、精製マージンの下落、原油輸送船舶の確保の困難などが複合的に作用しているためだ。最近の国際情勢をめぐって、精油企業の原油トレーディングと資金チームの動きがいつもと違うという伝言だ。

    10日の精油業界によると、国内の精油各社は早ければ来る5月から、稼働率を保守的な基調に転換する態勢だ。コロナ19が発生した2020年の国内精油会社の平均稼働率は75.86%で、前年比で7%ポイント以上も下落した。

    当時、精製マージンのマイナスなど最悪の状況を持ちこたえた精油業界は、昨年は石油製品の需要が回復し、今年の初めまで「フル稼働」基調を続けた。だが最近の精油社の雰囲気はいつもと違う。精油各社は通常は2~3ヶ月前に原油導入を確定するが、ロシア・ウクライナ戦争で国際情勢がただごとではないうことから警告灯が灯ったわけだ。

    ある精油業界の関係者は「原油価格の水準によるシナリオプランを樹立している」とし、「少なくとも5月からは保守的な稼動基調に転換する可能性が高い」とした。精油業界は、△地政学的原因による原油価格の不確実性の拡大、△精製マージンの下落、△紛争地域への原油船舶運航の減少などを不安要因にあげる。

    去る9日、西部テキサス産原油(WTI)は前日比で15ドル(12.1%)暴落したバレル当たり108.7ドルで取引きを終えた。

    精製マージンも下落傾向を続けている。 3月第1週の精製マージンはバレル当たり5.7ドルで、前週(バレル当たり6.9ドル)に比べて1ドル以上も落ちた。精製マージンとは石油製品(ガソリン・軽油など)の価格から原油価格と物流費用などを除いたもので、精油会社の収益性を示す指標だ。最近の精製マージンの下落は、原油価格は急騰したが上昇分が石油製品の価格に即座に反映されず、さらに製品需要まで減ったことに起因する。ふつう精油業界はバレル当たり4~5ドルを、精製マージンの損益分岐点とみなす。

    世界的に原油を船積みした船舶の運航も、円滑ではないことが分かった。ある精油業界の関係者は「ロシアをめぐって東ヨーロッパに局地的リスクが高まると、戦争危険地域への運航をきらうことが増えている」と説明した。ナフサの相当量を輸入に依存する国内石油化学業界も、事態を鋭意注視している。ロシア産ナフサへの依存度が高い国内の大型石油化学企業は、今年の4月中旬から使用する量の確保に非常がかかった。代替輸入先を物色しているが、この企業が生産する石油化学製品は、ロシア産の重質ナフサに最適化されているためだ。ナフサも原油と同様に通常2~3ヶ月前に導入物量を確定することから、来月から問題が生じるかもしれず綿密な対応に乗り出している。
  • 毎日経済 | イ・ユンジェ記者 | 入力 2022-03-10 17:06:33