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HSコードの抜け穴を突 中国製の低品質H型鋼が韓国に迂回輸入

    • 建築物の骨組みや土木工事に広く使われる断面がH型の形鋼。[写真提供=現代製鉄]

    関税を課す基準となる輸入品目コード(HSコード)の弱点を狙って中国製の低品質H型鋼が国内に上陸した。H形鋼に鉄板を重ねる形で溶接した後、「その他の鉄構造物」に外見を変える小細工だ。

    3日、鉄鋼業界によると最近低品質の中国製H型鋼製品である「その他の鉄構造物」の迂回輸入が増えると現代製鉄、東国製鋼など韓国内でH型鋼を生産する企業は韓国鉄鋼協会とともに緊急対策作りに乗り出した。

    現在、中国製H型鋼製品の場合、正常に取引を行っている中国企業3社を除いた大半の中国製品に対してダンピング防止税(アンチダンピング関税)32.7%を課している。これとは異なり「その他の鉄構造物」はアンチダンピング関税対象でないため関税が賦課されない。

    中国製H型鋼に対しては2015年からアンチダンピング関税を課している。低価格の中国産鉄鋼材が国内流通市場を占領し国内鉄鋼業界が枯死の危機に追い込まれたうえ、品質保証にも問題があったためだ。アンチダンピング関税を課す直前の2014年には、不良な輸入鉄鋼材によって慶州(キョンジュ)マウナオーシャンリゾート体育館崩壊事故という惨事が発生した。このため低品質の中国産鉄鋼材を防がなければならないという認識が強くなり、このような措置が下されたという。アンチダンピング関税に加え建物を支持する核心鉄鋼財であるH型鋼に対しては流通履歴制を新設し国内流通経路を監視する機能まで強化した。

    アンチダンピング関税に流通履歴制まで重なり韓国に対する低品質の中国製H型鋼の輸出ができなくなると中国鉄鋼メーカーと国内輸入流通会社は、これを迂回する方法を工夫した。その結果、H型鋼の両端にいわゆる「マグリ板」と呼ばれる鉄板を溶接し、これを「その他の鉄構造物」と申告し3月に3000トン規模の初度物量を国内に輸入した。

    ある鉄鋼業界の関係者は「該当の流通会社はマグリ板を貼った鋼材をそのまま使っても良いし、それともマグリ板を再び取り外してH型鋼として使っても良い」とし「H型鋼に鉄板を貼ったからといって用途が変わらないという点を流通会社も明確に認知しているという傍証」と説明した。迂回輸入されたH形鋼は現在、正常なH形鋼より7%近く安い1トン当たり128万ウォンで取り引きされているという。

    価格面で優位を占めており、このまま放置する場合、国内H型鋼市場を蚕食せざるを得ないというのが鉄鋼業界の主張だ。現在、中国内のH型鋼の流通価格は1トン当たり100万ウォン水準だという。中国輸出鉄鋼会社と国内輸入流通会社が1トン当たり28万ウォンの差益を分け合うわけだ。特に今回、H型鋼の迂回輸出をした中国鉄鋼企業はダンピング防止の約束をもとに、当初年間58万トン規模のH型鋼が非関税割当を受けたという。しかし、このような約束に違反し輸出金額を実際より高く表示して輸出した後、差額を輸入者に払い戻すなどの手口で関税を脱税したことが摘発された。したがって、昨年から非関税割当が剥奪され関税32.7%賦課対象企業に転換された前歴がある。

    さらに大きな問題は建設現場の安全だ。現在、H型鋼の国内需要は年間270万トンを上回る水準だという。このような需要を中国産の迂回製品が一部蚕食する場合、安全問題が深刻にならざるを得ない。現行のKS基準H形鋼は、鋼材が持ちこたえる力を意味する降伏強度が275MPa以上であることを要求されている。一方、今回迂回輸入されたH型鋼は降伏強度がKS基準より10%低い245MPaにとどまる。簡単に言えば単位面積当たりに耐えられる力がそれだけ弱いという意味だ。

    該当の鋼材が、どの工事現場に流入するのか追跡が容易ではないという点も問題だ。正常なH型鋼は輸入から実際の現場まで流通経路全体を調べる履歴制が施行されている。これとは異なり「その他の鉄構造物」は流通履歴制の管理対象から外れている。
  • 毎日経済 | ハン・ウラム記者 | 入力 2022-06-03 17:39:18