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韓国鉄鋼業のジレンマ…コスト負担と価格圧力


    鉄鋼業界は業績不振に陥っている中で、第2四半期も良くなる兆しを見せない。

    今年の初めから急激なコスト上昇を経験したポスコ・現代製鉄・東国製鋼などの主要鉄鋼メーカーは、造船・自動車・建設などの主要な需要先を対象に、供給価格の引き上げを試みているが、これさえも容易ではない。急激な景気下降のせいで、価格上昇が難しくなっているからだ。これにより、鉄鋼各メーカーは米国・欧州などの貿易紛争の緩和、中国の需要回復などだけをながめている状況だ。

    ポスコは去る第1四半期、別枠の売上げ7兆8200億ウォンを記録して前年同期比では0.7%増えたが、営業利益は同期間で18%も急減した8325億ウォンを記録した。現代製鉄も事情は似ている。第1四半期の売上げは4兆4775億ウォンで前年同期比で5%増加したが、同期間の営業利益は3%減の1689億ウォンを記録した。

    鉄鋼業界のこのような収益性の悪化は、原価上昇のせいが大きい。今年の初めから、ブラジルのバレエダムの崩壊と3月末の西オーストラリア州のサイクロンの影響で鉄鉱石供給に支障が生じ始めた。このために昨年第1四半期は1トン当たり74ドル水準だった鉄鉱石価格が、今年の第1四半期には83ドルにまで高騰して10%以上も急騰した。去る1月に1トン当たり190ドルまで落ちた原料炭の価格も、豪州の気象悪化の影響で価格が上昇した。これに加えて、中国産の内需生産まで減少して供給支障が深刻化し、原料炭の価格は第1四半期に平均で1トン当たり206ドルまで上昇した。鉄鉱石の価格は先月も着実に上昇カーブを描きながら、第2四半期にも鉄鋼実績を圧迫する要因として作用する見通しだ。

    コスト上昇圧力に耐えられない鉄鋼業界は供給単価の引き上げを推進しているが、最大供給先である造船業界でも交渉は容易ではない雰囲気だ。鉄鋼業界は造船会社に供給する鋼板(厚さ6㎜以上の厚い鉄板)の価格を少なくとも7~8%程度は上げてこそスト上昇分に耐えことができると主張しているが、実際には引き揚げを3~4%の線に下げて交渉ていることが分かった。鉄鋼業界ではトン当たり5万ウォン線jへの引き上げを望んだが、実際にはトン当たり2万~2万5000ウォン線で議論しているという話だ。現在、鋼板の価格はトン当たり60万ウォン線で、2008年の高点(110万ウォン線)に比べて半分の価格に落ちた。

    しかし造船業界は業況の不振で、値上げを議論するタイミングではないという立場だ。韓国造船海洋プラント協会は3月、「鉄鋼業界は造船所の経営が正常化するまで鋼板価格の引き上げを自制してほしい」と、異例の資料を出すこともした。造船業界の受注が小幅で回復を見せているとはいえ、まだ営業黒字をにらむ状況ではない。今年に入って受注の朗報を継続しているサムスン重工業も、今年の第1四半期はまだ営業損失333億ウォンを出した。昨年の同じ期間(-478億ウォン)に比べると損失規模を減らしたという程度に過ぎない。

    ただし鉄鋼業界の関係者は、「国内の造船会社が最近、比較的安価な中国産鉄鋼製品の輸入を増やすなど、発注先の需要が以前と同じではない」とし、「このような状況では鉄鉱石などのコスト上昇の負担さえも加重され、造船業界もある程度値上げを念頭に置いていることを聞いている」と語った。

    実際に現代重工業は2日、第1四半期の業績カンファレンス・コールで「現在の(鉄鋼社との)交渉過程を見ると、昨年下半期のレベルあるいはそれより低い価格で上半期の鋼板価格交渉が行われるものと見られる」とし、「(鉄鋼各社が)引き上げられた原材料価格を販売に転嫁しようとする意志が強い状態で、今年の下半期には鋼板価格は上昇することがありうる」と述べた。

    第2四半期の鉄鋼価格の上昇幅がのろいも受注が回復される下半期には価格の引き上げが避けられないということを造船も認知しているという意味だ。

    国内の鉄鋼需要のうち40%を占めている自動車業界は、状況はさらに良くない。現代製鉄と自動車用鋼板価格を交渉している現代・起亜自動車は、業績悪化や世界的な需要低迷などを理由に鉄鋼価格の引き下げや凍結を要求していることが分かった。現代・起亜自動車の中国生産ぶんに鋼板を供給しているポスコも、現代自動車グループの中国の業績不振のために鋼板の値上げ議論を切り出さずいるのが実情だ。

    鉄鋼業界の関係者は、「自動車鋼板は現代製鉄が価格を上げることができない状況から、全体的に他社との交渉も困難な状況」だとし、「自動車・建設業界はグローバル市場の需要不振で、コスト上昇の転嫁は難しいのが実情だ」と語った。
  • 毎日経済_ハン・エギョン記者 | (C) mk.co.kr | 入力 2019-05-06 22:13:25