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「臨床汚染」…新薬候補物質が偽薬群に混入

ヘリックスミス、緊急調査団を構成 

  • 「とうてい理解できないことが起こった。このような状況は経験したことが無い」

    プラセボ群と新薬候補物質投与群が混合される臨床汚染で、ヘリックスミス(HERIXSMITH)が臨床3相を再開しなければならない事態が起きた後に、製薬・バイオ業界から出た反応だ。 2005年に国内初の技術特例上場企業として指定されて上場した後、15年以上も糖尿病性神経障害治療剤と呼ばれる珍しい治療剤を開発し、ひとつの井戸を掘り続けたヘリックスミスであることからさらに衝撃は大きいというのが業界の診断だ。

    ヘリックスミスは糖尿病性神経障害治療剤「エンジェンシス(VM202)」の米国臨床トップライン(topline)データを今週中にも公開する予定だった。トップラインは臨床患者全体の結果ではないが、臨床の成否を分けることができる各重要指標のデータを意味する。

    しかしプラセボと新薬候補物質であるエンジェンシステムがプラセボ群と投与群に混入した可能性が提起され、この日ヘリックスミスはトップラインのデータの代わりに再臨床計画を発表した。業界では臨床設計が正しく行われなかったなど、新薬開発のための基礎作業からきちんと行われなかったと見ている。

    A社の関係者は、「薬品の効能を判別できなくなった臨床汚染のために、ヘリックスミスは長期間施行した第3相を再に進めなくてはならない立場に置かれた」とし、「ヘリックスミスだけでなく、バイオ業界全体の信頼墜落は避けられないだろう」と心配した。 B社の関係者は、「プラセボに実質薬物が検出されるといけないが、とんでもないミスが起きた」とし、「インボサの成分が許可内容とは異なって変更されたこと以上に、常識的にありえないことが起きた」と説明した。

    イ・スンギュ韓国バイオ協会副会長は、「臨床設計や臨床進行経験が未熟で発生したのかもしれない」とし、「わが国の各企業もグローバル臨床を実行するときには前臨床プロセスを制御できる制度的基盤を備える必要がある」と強調した。

    ヘリックスミスの臨床成功に反転のきっかけを狙っていたバイオ業界も衝撃に陥った。

    臨床汚染事態と関連し、ヘリックスミス側は緊急調査団を構成して臨床3相を再起動すると発表した。同社の関係者は、「次の臨床試験をより高精度かつ効率的に管理する方案を用意中」だとし、「次の臨床3相は今よりも2~3倍の小さな規模で、正確に進行することになるだろう」と述べた。

    しかし年内に最後の第3相の発表を予定していた会社としては、日程全体の延期は避けられないことになった。会社側は「今後6カ月以内に開始し、2021年末~2022年第1四半期のあいだにすべての臨床を終了することを目的とする」とした。この場合、当初予定されたよりも少なくとも2年以上の時間が遅れるわけだ。ヘリックスミスに対する信頼度の墜落と、投資萎縮などは避けられない見通しだ。

    臨床管理責任の所在の問題も議論になると思われる。臨床を実施した病院側のミスなのか、それとも臨床設計から進行を主導した代行業者(CRO)の過失なのかの法的判断も必要だということだ。これに対してヘリックスミス側は、「臨床の専門家であるレオニード・フィッシュ博士を団長とする調査団を構成して精密調査に着手した」とし、「今後は法的措置の可能性を考慮し、証拠収集と精密分析を経て明確な結論に到達するまでの調査を非公開に行う」と述べた。

    一部ではまだ治療剤の開発が完全に失敗したわけではないだけに、時間をかけて待つ必要があると見ている。 C社の関係者は、「治療薬の開発が失敗したのではなく試験上のエラーがあったわけで、これを終盤につかんだわけだ」とし、「試験方法を客観的に新たに組んで準備し、成果を出す必要がある」と注文した。
  • 毎日経済_キム・ビョンホ記者/ウォン・ホソプ記者 | (C) mk.co.kr | 入力 2019-09-24 14:46:24