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韓国造船3社、スマート船技術で「快速疾走」

  • 現代重工業、大宇造船海洋、サムスン重工業などが環境にやさしいスマートシップ技術力を引き上げて、「超格差造船大国」で再跳躍を図っている。

    現代重工業はポスコと手を握ってLNG推進船用燃料タンクの国産化に乗り出し、大宇造船海洋は現代商船と船舶運航効率を最大化するスマートシップ技術の開発に突入した。サムスン重工業は燃料電池を採用した原油運搬船を世界で初めて開発し、エコ船舶市場の攻略に拍車をかけている。これによって国内の造船3社は中国の競合社を押しのけて、確固とした世界造船1位の地位を取り戻すのかが注目される。

    現代重工業グループは26日、18万トン級のLNG推進船用燃料タンクにポスコの9%ニッケル鋼を適用し、極低温タンクの核心素材の国産化を成し遂げたと明らかにした。 9%ニッケル鋼は氷点下163度の環境でも、優れた強度と耐衝撃靭性を維持する素材だ。現代重工業グループはこれまで海外の鉄鋼会社から9%ニッケル鋼を輸入したが、今後はポスコから安定して供給を受けることができるようになった。現代重工業グループは船種に応じて最適な形で搭載することができる、さまざまなLNG燃料タンクのモデルを保有している。こんかい国産化したLNG燃料タンクは円筒形で、主にバルク船とタンカーのデッキの上に装着される。

    特に現代重工業グループは素材の国産化のために、ポスコと継続して協力してきた。現代重工業グループの系列会社である現代尾浦造船は昨年建造したLNG二重燃料推進船に、ポスコで独自に開発した高マンガン鋼素材の燃料タンクを採用した。今後も重要な素材の国産化率を高めていく方針だ。現代重工業の関係者は、「LNGタンクの設計から素材の需給、製作までの全過程を国産化する事例なので大きな意味がある」とし、「国内メーカーと継続して協力し、エコ船舶市場でともに競争力を備えていく」と語った。現代重工業グループはこれまでに世界で最も多くの、30隻のLNG推進船を受注した。昨年は世界初の11万4000トン級LNG推進大型タンカーを成功裏に引き渡し、市場をリードしている。

    大宇造船海洋は現代商船と、最適の運航を支援するスマートシップ技術を共同研究している。モノのインターネット(IoT)基盤のリアルタイムサービス、船台運営のための陸上プラットフォーム、船舶資材倉庫の自動化システム、経済運航ソリューションの開発などが協力課題だ。

    大宇造船海洋はスマートシップ技術を現代商船の船舶に適用し、蓄積した運航データを再にスマートシップ設計技術に反映する好循環構造を指向する。大宇造船海洋の一部スマートシップソリューションは、現代商船が去年発注した2万3000TEU(20フィートコンテナ)級の超大型コンテナ船7隻に実際に適用されて建造されている。この船は2020年の第2四半期から順次引き渡される予定だ。大宇造船海洋の関係者は、「今回の共同研究では最先端のスマートシップ技術力の向上はもちろん、国内海運業界との共生発展にも寄与することが期待される」と語った。

    サムスン重工業はノルウェー船級であるDNV GLから「燃料電池適用アプラマックス級原油運搬船」の設計技術に対する基本的な承認を獲得したと発表した。これをもって船舶の本格的受注活動が可能となった。既存の発電機のエンジンを代替する燃料電池船舶は、LNGを燃料とする固体酸化物燃料電池を使用することで発電効率を向上させることができる。また温室効果ガスの排出量を45%以上削減することになる。これは内燃機関自動車で約1万台を減らす効果と同じだ。

    サムスン重工業は、固体酸化物燃料電池を初めて商用化した米ブルームエネルギーと共同研究してシステムの安定性を高め、燃料電池用燃料供給システムや電力制御システムなどの核心的な工程を自社開発した。固体酸化物燃料電池はLNGだけでなく、水素燃料でも使用可能な装置だ。今後はサムスン重工業の、水素燃料電池船舶の建造技術の開発にも弾みがつく見通しだ。

    サムスン重工業のキム・ギョンヒ艤装設計チーム長は、「今後は温室効果ガスの排出規制の段階的施行が予定されており、船舶の燃料電池導入は必然的」だとし、「今回の基本認証は、サムスン重工業が船舶の燃料電池技術を最初に確保することで、関連市場の先取り可能性が非常に高くなったことを意味する」と強調した。
  • 毎日経済_カン・ゲマン記者 | (C) mk.co.kr | 入力 2019-09-26 19:38:06