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サムスン電子、次世代の「6G」を主導…10年後みすえて

  • サムスン電子は「5G(第5世代)」に続き、次世代の「6G(第6世代)」移動通信技術をリードするためのビジョンを提示して、本格的な技術開発に着手した。世界各国で5G網の商用化が続々と行われる中で、さらに進んだ6G技術の主導権をにぎり、未来の有望事業を先取りするという戦略だ。財界では「先制的に未来を準備しなければならない」という李在鎔(イ・ヂェヨン)サムスン電子副会長の意志が、6Gに対するビジョンの確立につながったものと解釈している。

    14日、サムスン電子は「新しい次元の超接続経験」というタイトルの6Gホワイトペーパーを公開して、次世代の6Gビジョンを提示した。
    • 「6G白書」の主な内容



    2030年から本格的にサービスされることが予想される6Gは、最大転送速度は1000Gbpsで5Gとの比較で50倍速くなり、無線遅延時間は10分の1に減少するなど、画期的な性能向上が期待される次世代通信技術だ。例えば4K画質の映画1本をダウンロードするために、5G環境ではユーザーの体感速度を基準にして26分40秒かかるが、6G環境では2分40秒しかかからない。サムスン電子はホワイトペーパーで6G商用化の際、実際のように感じられる超実感拡張現実と高精度モバイルホログラム、物理実体を仮想空間に複製するデジタル複製サービスなど没入型マルチメディアサービスが可能になるものと予想した。これによって超低遅延技術が必須であるリモートロボット手術のようなサービスが可能になるとの見通しだ。これにはリアルタイムで大量のデータを処理するために、人工知能(AI)が基本的に搭載される「ネイティブAI」概念が適用される。

    あるいはまたサムスン電子は、△コネクテッド機器の爆発的な増加、△AI活用通信技術の拡大、△オープンコラボレーションを通じた通信網の開発、△通信技術を活用した社会的格差の解消と持続可能な発展などを6G時代の主要なトレンドに提示した。

    業界によると、サムスン電子の6Gのビジョンを確立は李副会長の意志が相当部分反映したという。李副会長は将来の核心有望事業として次世代通信技術に大きな関心を持って事業に直接取り組んでいる。李副会長は昨年1月、5Gネットワーク通信機器の生産ラインの稼働式に直接参席し、5G事業競争力の強化を強力に注文したことがある。最近、サムスン電子のIT・モバイル(IM)部門の社長団との戦略会議の時も5G以降の次世代6G技術について、「どのような環境の変化にも揺れることなく、将来の投資を滞りなく執行してほしい」と技術先取りを強調した。

    6Gは2025年から技術標準化が始まり、2028年から商用化に入り、2030年以降に本格的にサービスが行われるものと期待される。サムスン電子の中・長期的な研究開発(R&D)組織であるサムスンリサーチは昨年5月、人工知能センターとロボットセンターに続いて次世代通信研究センターを新設した。既存の標準的なリサーチチームなどのチームとラボ単位の組織を次世代通信研究センターに統合し、通信関連の研究組織中心の単位として改善されたもので、6G研究開発人材はこのセンターに属して中・長期的なR&Dに集中している。

    サムスン電子はこのセンターを中心に、海外研究所、国内外の大学・研究機関と協力してファーウェイやエリクソンそしてノキアなどのライバルを超えて、6G通信技術の世界的な標準化と技術開発の生態系を主導するという計画だ。サムスン電子は2019年4月、世界初の韓国の5G商用化に続いて、米国・カナダ・日本・豪州・ニュージーランドなどの主要国の通信社に5G機器を供給するなど、5Gの商用化にも力を入れている。

    業界では5Gの商用化以降、米国・中国・日本などで政府支援で6G研究に着手するなど、主導権争いが既に開始されたものと見ている。

    サムスンリサーチのチェ・ソンヒョン次世代通信研究センター長(専務)は、「現在は5G商用化の初期段階だが、移動通信技術の世代が10年であることを考慮すると、6Gの準備が絶対にはやくはない」とし、「サムスン電子はこれまで築いてきた技術力を根幹に6G技術研究を本格化しており、産学関連の協力を通じて6Gグローバル標準化と技術開発の生態系を主導的に導いて行く計画」と述べた。
  • 毎日経済_チョン・ギョンウン記者/ファン・スンミン記者 | (C) mk.co.kr | 入力 2020-07-14 20:23:49