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ソウルから1時間、森の中の文明への旅行①

  • 人々が森に惹かれることは人類がそこから誕生し、その場所で成長し、その場所から出て川と野原に文明を起こしたためだ。都市での早く忙しい人生を送りながらも、ふと森を恋しがりもするが、気軽にその場所に入ることができないのは、その場所が不便であるためだ。反対にその森にどんな便利さが、都市の延長が存在したとき人々は車を飛ばしてその場所に入っていく。ライフスタイルが存在するとすればこの上ない。

    私は森がとても好きだ。都市で暮らそうと田舎で暮らそうと、誰もが食べて生きること、ローン返済、対人関係、退屈しのぎ、そして孤独などといった煩悩を遮断したい。深刻な場合には鬱症またはうつ直前まで進んだりもする。このとき医師たちがすすめる治癒法のひとつが「頻繁に森に行きなさい」だ。その理由を人類学的、文明学的、統計学的にひとつひとつ説明することはできないが、一言で言えばその場所が母の胸であり、お腹の中であり、膝であるためだ。ほかの事は分からなくても「ふるさと」の絆が切られることはないためだ。都会人であれば森のこうした機能に頷く。そして森に入ってみる。ある人はテントだけを持ってキャンプ場に向かい、またある人はログハウス予約サイトの前で緊張しながら予約開始の瞬間を待つ。

    京畿道加平郡雪岳面の羅山の麓にある「ザ・ステイヒーリングパーク」は以前から一度行ってみたかった森だ。旅行家としてこの場所に関心を持つことになった理由は、森そのものに加えて森を抜け出さない最小限の建物、広場と似たラウンジと21世紀を生きる人々の普遍的な趣向を狙い打つ核心文明がそこにあるためだ。多少冗漫に感じるだろうが、この場所は本当だ。この場所は森とステイと遊び、そして文化芸術が集まっている。テーマはヒーリング。ファッションブティック、バンガロー、グランピングなど森とひとつになるねぐらと散歩などの活動空間、展示やセラピーなど芸術展示までに及んでいる。休み、瞑想し、歩き、走り、自然とスキンシップし食べて遊ぶことができるということだ。

    宿所となる明洞のホテルからソウル春川高速道路を走りこの場所に到達するまでにかかる時間は約1時間。江南の場合30分もあれば余裕だ。田舎道を走り山道に入るやすぐに目的地が現れた。駐車場に入る場所に古い倉庫を改造したのか、当初からそうやって建てたのか分からない平たく大きなレストランの建物がこの場所の概念を表現しているようだった。荒々しく、生の、ありのまま、ワイルド、質素といった単語が思い浮かぶ。少し良くいえばビンテージ?

    駐車し建物の前に来ると「9BLOCK Kitchen」の看板が見えた。9BLOCKはヒーリングパークを運営する会社で作られたブランドで、最近首都圏を中心に人気を集めるキッチン&コーヒー&ベイク&ブランチカフェだ。看板を見るや突然腹が減った。急いで入りメニューを見て笑った。建物の概観と室内建物だけを見れば紛れもないレストランスタイルだがメニューはどうだろうか。オリエンタルバーベキュー、ハーブチキン、ベーコントマト、シュリンプオイル、きのこ&胸肉など洋食はもちろんビビンパプ、コムタン、わかめスープ、味付けカルビなど韓国料理まで布陣している。

    その際私は連続する出張で心身が疲れた状態であったため、何か熱い汁物が必要だった。暫く悩んだ末にわかめスープに決定した。スープはとてもすっきりし、わかめは柔らかく肉は少しだけ食べて残した。印象的な場面もあった。大きな蛾一匹が入りこむや職員二人が蛾を捕まえていたのだが、どこか途方にくれた雰囲気だった。「そうやって蛾が捕まえられるのか」という一声が入るや「殺さずに捕まえようと思うと簡単ではない」と答えた。この店がさらに好きになったという話だ。

    ドアを開けて出るとすぐ前にフードトラックが一台止まっていた。ホットドッグ、フライなどを販売する米国スタイルメニューだが、気候が寒くなった現在も営業しているかは分からない。

    リビング文化の殿堂コーヒー9BLOCK

    キッチンから出て花壇を見物し、少し歩くとレンガ造りの建物が登場した。耐火レンガと思われる、ビンテージ臭が漂う建物だった。キッチンの建物が倉庫スタイルだったとすれば、ここはロンドンのロフトスタイルを期待させる。入り口に立つ街灯もヨーロッパスタイルであるためそんな想像をした。ドアを開けて入るや、やはり期待を裏切らない。建築の概観を見て「何か」を想像し、その想像がそのまま目の前に現れたときの喜びといったら!

    とても広い室内には、最小限のライトが天井に設置されている。この場所が単純なレンガの建物ではなく「構造主義的な特徴を持つロフト」だという私なりの決断を下した。ともかく、きっちりした室内は村の広場のようだった。私が訪れたときは早い時間で平日であったためか客がそれほど多くなかったが、人々が増える午後の時間や週末には本当にヨーロッパの静かな村の広場、またはバザーを連想させるだろう。ホール中央には大きなコーヒーバーがあり、その周囲にはテーブルと椅子、そして大型シャンデリアが訪問客の視線を集める。コーヒーだけを飲む人はすぐにコーヒーバーに行って注文すればよいが、聞いていたようにこの店のコーヒーの攻略はすごい。各種こだわりのコーヒーからフルーツジュース、ハーブ茶などが揃っている。それだけでなくグリルチキン、ほうれん草クロックマダム、ハムとチーズのパニーニなどブランチメニューも準備されている。手作りビールもコーヒーバーで購入できる。SLOW IPA、エキストラスペシャルエール、ベルジャンウイットなどがある。パンとコーヒーをともに食べたい人はコーヒーバーの向かい側にあるベーカリーで好きなパンが出てくる時間に合わせて訪れればさらに素晴らしいコーヒー&ベイクタイムを楽しむことができる。パンが出来上がる時間と酒類はタイムテーブルを参考にすれば良い。パンとコーヒーを食べる人々はまずパンを買ってコーヒーバーに持っていきコーヒー注文と同時にセットを要求すればカットを含み、食べやすく皿に乗せてくれる。

    私は後悔した。この場所に来るやキッチン9BLOCKに入りわかめスープを食べたことを。わかめスープも美味しかったが、空腹と疲れから食べ過ぎてしまったようだ。そのためこんなにも美味しそうなパンを少しずつ食べねばならない状況が悲しかった。再び思い出される旅行地の法則その1、旅行地の美味しいものを最初に検索した後に決定した状態で旅立つ。その2、検索が曖昧であれば現地でまずすべて見回った後に決める。その3、空腹だと急いでたべないこと。
  • 毎日経済 Citylife 第602号 / 文と写真=イ・ヨングン(旅行作家) | (C) mk.co.kr | 入力 2017-11-05 09:00:00