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「アリペイに対応」中国人観光客迎える釜山・チャガルチ市場の進化

    • 釜山最大の魚市場であるチャガルチ市場内の店舗にアリペイQRコードが張り合付けてある。中国人観光客がスマートフォンでこのコードを撮影すると、現金なし支払いが可能だ。



    早ければ来週から国内の伝統市場の中では初めて、釜山チャガルチ市場で中国のモバイル決済サービス「アリペイ(Alipay)」での決済が可能になる。サード(THAAD/高高度ミサイル防衛システム)の雪解けモードで両国間の交流が徐々に拡大される中で、伝統市場も中国人観光客を迎える準備に本格的に乗り出している。

    業界によると17日、釜山最大の伝統市場である中区チャガルチ市場で100以上の店舗がアリペイ決済システムを導入した。アリペイはサービスを積極的に使用する「アクティブユーザー」だけでも5億2000万人に達する、中国最大のモバイル決済会社だ。

    すでに釜山中区庁とアリペイは市場内の該当店舗に、アリペイでの決済可能を示すステッカー型QRコードの貼り付けを完了した。店のQRコードをスマートフォンで撮影すると、ただちにアリペイに接続される。中国人観光客がチャガルチ市場で食事するときはほとんどが現金で支払ったが、いまや現金がなくても簡単にモバイル決済が可能だ。チャガルチ市場はアリペイを導入した最初の伝統市場であるという点で意味が深い。これまでアリペイは免税店8ヶ所と主要デパート、イーマート、CUとGS25などのコンビニ4社で使用可能だったが、伝統市場では決済が不可能だった。

    チャガルチ市場は韓国の伝統市場の雰囲気を感じつつ、新鮮なシーフードを味わうことができる場所で、口コミに乗って中国人の釜山旅行名所として定着した。今年初めにサード問題が発生する前は、チャガルチ市場内の刺身客の半分は中国人だという話が出てくるほどだった。中国人観光客は市場でロブスターとズワイガニ、ヌタウナギと焼き魚などを主に食べることが分かった。チャガルチ市場では1階で水産物を購入し、2階で調理費用を追加して食事をするが、中国人はこれまで支払いが面倒で主に2階の食堂だけを利用した。釜山中区庁は決済手段が簡単になれば、現金決済のみの場合よりも客単価が高くなるものと期待している。直接水産物を見て選ぶ「楽しみ」が加われば、観光客を誘致するのにも有用だ。

    アリペイの導入を推進した釜山中区庁の関係者は、「中国観光客が簡単に決済できる手段が増える機会なので、商人たちも肯定的な反応を見せている」とし「反応が良ければ構内のとなり近所の店や富平カントン市場・国際市場など他の伝統市場にも拡大するつもり」だと語った。

    先だって釜山市は8月にアリペイと、中国観光客を誘致するための業務協約(MOU)を締結した。釜山市はアリペイの導入で、中国人観光客が自国のように消費できる環境を造成すると、地域の小商工人の売上げも増えると予想している。実際に、去る国慶節連休期間の10月初めに釜山市沙下区の甘川文化村(カムチョンムナマウル)では、アリペイを試験導入してサプライズ成果を収めた。 「韓国のサントリーニ」という別名で知られている甘川文化村は、傾斜した丘の村を巡りながら写真を撮る旅行地だ。特別なショッピング施設はないが、アリペイを導入するやいなや毎日100件余りの支払いが行われた。観光客が町の小さな店で飲み物を買い、おやつを食べ始めた。

    アリペイ側はチャガルチ市場などの中国人が伝統的に多く訪れるところや甘川文化村のように最近のソーシャルネットワークサービス(SNS)などを介して浮上する観光地、松島ケーブルカーなど中国人の足が頻繁になる場所に名所を区分して、釜山のマーケティングに乗り出す計画だ。チャガルチ市場と松島ケーブルカー、甘川文化村は、今月中にアリペイアプリケーションに韓国の名所として紹介され、広報効果も期待される。西面カフェ通りと水營区の広安里(クァンアルリ)、海雲台(ヘウンデ)などもアリペイの導入を検討している。
  • 毎日経済_イ・ユジン記者 | (C) mk.co.kr | 入力 2017-11-18 01:05:11