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世界初「4㎛銅箔」開発…日本を超えた技術

  • 去る19日に訪れた全羅北道の井邑市北面に位置するKCFT井邑工場。来年の上半期に完工を控えている第4工場の増設工事が真っ最中の中で、工場内のオフィスにはキム・ヨンテKCFT最高経営責任者(CEO)が常に強調するスローガン「超一流、超格差」という言葉が書かれた大きな垂れ幕がかかっていた。

    二次電池の中核素材と呼ばれる「銅箔」を開発・量産しているKCFTは「超一流、超格差」という旗の下に、2013年に6㎛(マイクロメートル/1㎛は100万分の1メートル)銅箔の量産を開始したことに続いて、先月は4? (髪の毛の20分の1の太さ)の厚さの銅箔の開発に成功した。すべて「世界初」というタイトルがついた。チョン・サンヒョンKCFT開発本部長は、「韓国は素材分野での技術力が劣ると言うが、10年以上もひとつの井戸を掘り続けた結果、わが社は世界最高水準の素材技術力を確保した」とし、「日本はすでに超えており怖くないし、中国の物量攻勢が続いているが品質ではまだ私たちが進んでいる」と自信を見せた。

    電池用銅箔は電気自動車をはじめ、スマートフォンやノートPCなどの情報技術(IT)機器などに使用される二次電池の核心素材に分類される。陰極材料をしっかりと支える銅箔は、二次電池の安全性と容量に影響を与える。銅箔の厚さが薄くなるほど、多くの電池を配置できるからだ。チョン本部長は「銅箔は価格的に言えば二次電池材料費の5%に相当するが、重量はバッテリー全体の15%を占める」とし、「銅箔の厚さを減らすと重量も減るだけに、ほぼ同じスペースにより多くの電池を入れて容量を大きくすることができる」と説明した。

    KCFTは昨年、世界最大のプライベート・エクイティであるコルボグクラッビスロバーツ(KKR)がLSエムトゥロン(LSmtron)の銅箔事業部を買収して設立した企業だ。 1996年から銅箔を量産したKCFTは、昨年の時点で世界の二次電池銅箔市場でシェア15%を占め、世界1位の銅箔素材企業になった。去る6月、SKCはKKRのKCFT株式100%を1兆2000億ウォンで買収した。 SKCはKCFTを買収することによって、主力事業である化学・フィルム事業のほかに新たな成長動力を追加で確保することになったという評価が出ている。2018年のKCFTの売上げは約3000億ウォンで、2017年との比較で36%も増えたし、営業利益も2017年との比較で50%近く急成長した。

    記者がKCFT井邑工場を訪問したとき、直径3メートルに達する溶解槽に従業員が銅線を入れていた。この銅が硫酸とまじわって溶けて「製箔機」に移動する。製箔機にはまるで水車を連想させる大きなドラムがあり、このドラムに電気をかけた後に回すと銅イオンがくっついて薄型の銅板、すなわち銅箔が作られる。単純な工程のように見えるが、硫酸に入れる溶液、ドラムにかける電圧をどのように調整するかによって銅箔の物性は千差万別となる。また銅箔を薄くするほど容易に破れるだけに量産は難しい。 KCFTの研究者は超高速カメラで銅箔が破れる瞬間を観察し、添加剤の変化などさまざまな研究を通じて4㎛銅箔の開発に成功した。

    1996年に事業を始め、2003年に8~10㎛電池用銅箔を製造したKCFTは、たゆまぬ研究開発で2013年に6㎛厚の電池用銅箔を世界で初めて出荷した。当時、電気自動車用バッテリーメーカーは安全性を理由に、6㎛銅箔は使用できないと考えていた。しかし昨年からバッテリーメーカーは6㎛銅箔を電気自動車用バッテリーに使用し始めた。

    KCFTは6㎛の量産1年前の2012年には、産業通商資源部の支援で他社よりも先に4㎛銅箔の開発を開始した。チョン本部長は「4㎛銅箔も現在、ドローンに使用される二次電池メーカーからテストのオファーが入ってきて納品した」とし、「電気自動車用バッテリーメーカーでもテスト用製品の需要が少しずつ増えている」と語った。
  • 毎日経済_井邑=ウォン・ホソプ記者 | (C) mk.co.kr | 入力 2019-11-20 17:54:37