記事一覧

ニュース

数字経済

テクノロジー

コラム

ビューティー

カルチャー

エンタメ

旅行

韓国Q&A

新造語辞典

もっと! コリア (Motto! KOREA)
ニュース > スポーツ

韓国ゴルフ界の異色スター…「釣り人スイング」チェ・ホソン

    • チェ・ホソン選手は20年のあいだプロの舞台でプレーした「釣り人のスイング」は科学的に体系化されたスイングだと紹介した。 写真提供=ミン・ヂュヨン ゴルフ専門写真家



    「釣りスイング」チェ・ホソン(46)選手に直接会えば、予想とは異なるいくつかの点で驚かされる。まず耳にやさしい低音の声だ。香ばしい慶尚道(浦項)アクセントの声は、よく磨けば声優になっても通じそうだ。謙虚に見せようと努力する行動や、いつも笑顔を漂よわせる柔らかな印象も期待をくつがえす。

    高校時代にマグロ解体実習に行って親指をつけねから失ったことや、さまざまな職業を経験したが25歳のときになってゴルフを学ぶことになった事情など、彼が歩んできた険しい道を考えると、とても強い印象を与えることが推測できる。しかしそれは先入観だったという事実を悟るために、それほど長い時間はかからない。

    もう一つ予想を外れたものがある。とつぜんスターになったわけだが、それでも世界的に有名な選手になったので、いくつかの企業がスポンサー契約を結びうと列を作っただろうという期待も誤ったものだった。先日、ホ・チャンスGSグループ会長が新任役員晩餐の席でチェ・ホソンのサクセスストーリーを話題にするほど、チェ・ホソン選手は逆境克服のアイコンになった。とは言え、企業はそのような彼のイメージがむしろ負担になることもあるだろう。だから虎のようだった彼は、ますます羊のように柔和な人に変わっているのかもしれない。しかし、チェ選手はこのすべての状況を「クール」に受け入れる。

    「一生こうして生きてきた。期待が大きければ失望も大きいものでしょう。ただすべてのコースで頑張ればいいので、多くのファンが応援してくれるだけでもとてもありがたく幸せです」。

    たったの一度もメインスポンサーを持ってみたことのないチェ選手は、選手生活をしながら企業の後援を受ける後輩を見るとわけもなく羨ましく、自分自身にもそんなことが起きたらと考えたこともあったという。しかし今はそんな感情も「過去形」になりつつある。まだ積極的に企業もなく、またあえてスポンサー企業がなくても熱心なファンという心強い後援者が生まれたからだ。ファンたちの愛・呼応・激励・応援は、大きな力になることをさらに切実に感じている。それとともに、欧州プロゴルフツアーとケニアオープンに出場した時に会ったファンの話を語りだした。

    「米国とアフリカへ一回ずつ行ったが、1ヶ月で地球をひとまわりしたことになる。ケニアでは韓国食堂に立ち寄ったことがあるが、客の中に私を知っている方もおられたんですよ。本当に有名にはなったなぁと思いましたよ。それだけ熱心にプレイするべきと考えています」。

    チェ・ホソン選手は米国プロゴルフ(PGA)ツアーとAT&Tペブルビーチプロアマ大会でも、米国のファンたちが韓国語で「カジャ」「パァイティング」と叫んで応援したときに誇りを感じ、大きな力にもなったと言う。ケニアオープンの第2ラウンドの時、トップからボトムスに帽子を問わずすべて赤い色でそろえてプレーをしたと説明する時はとても楽しそうに見えた。こんな衣装コンセプトは誰でもこなせるわけではないと、それとなく自慢した。時差ぼけで苦労してシーズンオフでショット感覚もつかめず、米国と欧州遠征ではすべて予選脱落に終わったが、新しい経験を通じてさらに発展したチェ・ホソンになったということにすごく満足しているようすだった。

    「釣り人スイング」の話が出るやいなや、携帯電話に保存された自分のスイングを直接見せて詳細な説明を添えた。人々はそのスイングをただの「ショー」に過ぎないと思うかもしれないが、チェ選手は非常に科学的で体系的だとした。ゴルフクラブを引っ張り上げるようなフィニッシュは間違いなく釣り人のように見えるが、いざインパクトとフォロースルーを見ると、体の動作やクラブの位置がいつも一定になる体系的なスイングだというわけだ。 20年のあいだプロの舞台で生き残るために、凄絶に身もだえしてきた経験のスイングがまさに「釣り人スイング」だ。

    事実、チェ・ホソン選手は国内よりも日本で人気が高い。最近、日本の「ゴルフダイジェスト」の読者が選んだ人気選手の第1位に選ばれて賞を受けた。日本はもちろん米国やヨーロッパにまで名前を知らせたチェ選手は、どこでもファンが写真を要求すると拒絶することはない。ただしチェ選手が好む時まで、なんどか撮ることを甘受しなければならない。「写真を撮ってからぜひ一度見せてほしいと言う。気に入らなければ、今度は私がそのファンに向かってもう一枚撮ろうと要求します。ファンの立場ではせっかくの機会であり、またその写真を複数人に見せたりするのに、どうせなら二人ともキレイに写る方がいいでしょう」。

    インタビューを終えて出てくる時、ちょうど一人のファンがチェ・ホソンを見かけて写真を撮ろうと要求した。もちろんそのファンも一度では「OK」にならず、もういっかい写真を撮ることにした。
  • 毎日経済_オ・テシク記者 | (C) mk.co.kr | 入力 2019-03-26 19:06:49