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30兆「炭素捕集活用」市場が開かれる…韓大手化学企業、死活かける


    「炭素捕集活用(CCUS/Carbon dioxide Capture and Storage)技術を実現できなければ、炭素中立(カーボンニュートラル)の実現は不可能だ。」

    国際エネルギー機関(IEA)CCUS専門研究員のアダム・ベイリンスターン氏は最近、毎日経済新聞とのインタビューで「CCUSはセメント、鉄鋼、化学物質などの重工業に適用できる、ほぼ唯一のカーボンニュートラルを実現する方法」だとし、「火力発電所を廃止するなどの方式よりもコストを削減させつつ、現実的なエネルギー変換を可能にする」と語った。

    IEAは最近、2070年に全世界がカーボンニュートラルに至る過程で、CCUS技術の貢献度を総削減量の15%レベルである年間100億トンと提示した。これとあわせて、CCUS技術なしでは人類が推進している気候変動への対応目標を達成することは不可能だと指摘した。

    ベイリンスターン研究員は炭素を減らす現実的な代案が不足しているだけに、CCUSに注目しなければならないと強調した。大気中に放出される炭素を減らす方法は、炭素の使用を減らすか、または放出された炭素を捕集する方法以外にない。炭素が含まれている「有機化合物」は、私たちの生活に欠かせない必需品だ。プラスチックをはじめ、ガソリンや軽油などのすべての有機化合物だ。

    このような理由からCCUS関連の市場規模は大きく成長すると予想される。世界の市場調査機関のインドストゥリアークはCCUSの市場規模は2021年から今後5年間で年平均29.2%成長し、2026年には253億ドル(約29兆7000億ウォン)に達すると見ている。

    ベイリンスターン研究員によると、IEAが分類するCCUSの役割は大きく4種類だ。まずCCUS技術は化石燃料をベースにした発電所や産業プラントなどの二酸化炭素排出量の低減を助ける。第二に、セメント・鉄鋼・化学物質の工業プロセスで発生する二酸化炭素を減らすために活用できる。第三に、低炭素清浄水素の生産過程にも寄与する。最後に、すでに大気中に排出された二酸化炭素を直接削減することもある。技術だけを確保すれば、炭素排出量が多い製造業を中心とし、国内企業の息の根が通じることができる。ただしCCUS技術を実現することは容易でないだけに、まだ多くの研究費と支援が必要だ。

    国内の各企業はCCUS各分野でもこれまでの事業モデルとのシナジーを出すことができる方案に速度を出している。

    SKグループの水素ビジネスにおける核心系列社のSK E&Sは、開発中の豪バロッサとカルディタのガス田で液化天然ガス(LNG)を生産し、この過程で出てきた二酸化炭素を捕集して付近の廃ガス田に保存する計画だ。 SK E&Sはこれによって低炭素の親環境LNGを生産することになる。 SK E&SはさらにLNGを活用する国内の発電所から排出される二酸化炭素も除去することにより、環境に配慮しつつ発展しようとする計画だ。

    去る5月、SKイノベーションは韓国石油公社の東海ガス田を活用した、国内での炭素回収・貯留(CCS)事業に関する国策課題協約を締結した。来年6月には天然ガスの生産が終了する東海ガス田を、炭素の貯蔵所として活用する計画だ。

    ロッテケミカルは2030年からクリーン水素を年60万トン規模で生産するために、炭素回収設備を麗水第1工場に設置して実証研究を進めている。現代オイルバンクはDL E&Cとともに、精油の副産物である脱硫石膏と二酸化炭素を活用して建築材料を製造するCCUS設備を構築すると発表した。
  • 毎日経済 | チェ・グンド記者 | 入力 2021-08-19 19:40:14