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現代自、ボストンダイナミクス「スポット」公開

  • ボディを左右上下に自由にずらしても重心を失うことがない。産業用ロボットの「SPOT(スポット)」はずば抜けていた。

    去る16日、京畿道高陽市(こやんし)の現代モータースタジオ高揚で最近、話題になった「スポット」の実物が国内メディアに初めて公開された。スポットは米国のロボット専門企業Boston Dynamics(ボストン・ダイナミクス)が2015年に初めて開発した産業用ロボットで、ヒューマノイド(人間型)ロボット「Atlas(アトラス)」とともに同社を代表する製品だ。

    最近、現代自動車グループが8億8000万ドルを投資して株式を取得することに決定したところも、まさにこのボストン・ダイナミクスだ。現代自動車グループはボストン・ダイナミクス製のロボットを活用し、自律走行とスマートファクトリーや都心航空モビリティ(UAM)と連携して、将来の事業の相乗効果を構想している。この日のデモ会場で初めて向き合ったスポットは現在、国内では10台未満で運営されている研究開発のためのレンタル品だ。現在、延世大学の大学院生が建設現場の地形スキャン(3次元マッピング)のためにこの製品を活用しており、今回は現代自動車のスタジオに移して大衆に初お目見えした。

    外観は長方形の形黄色の胴体に4本の足がついており、まるで伴侶犬を連想させる。長さは1.1メートルで幅は0.5メートルだ。高さは座ったときは0.19メートルで腹ばいになるが、起きあがれば0.81メートルにぐっと増える。

    胴体の上部に溝がえぐられており、自律走行車の核心センサーのライダー(LiDAR)や3次元スキャナなどを接続できるようにした点も目立つ。ライダーセンサーはレーザーを利用して物体との距離や形状を認識するもので、自律走行車の眼の役割を果たす主要部品だ。スポットの重量は32.5㎏だが、最大で14㎏の荷物を載せて移動することもできる。

    スポットに対する最大の関心事は、移動がどのよう自在に行われるのかという点だ。コントローラとインターネット無線LANで接続されたスポットは、伴侶犬を思わせる自然な四足歩行でスタジオ内を行き来した。移動中に障害物に出会うと、内部に装着されたカメラと音響センサーでこれを認識した後、足踏みをしながら横に回ることもした。階段もまた自由に上り下りするし、悪路の走破能力も誇る。ボディを左右上下に自由にずらすながらも重心を失わず、足を長く伸ばしてボディを持ち上げ上げる姿まで実現した。

    ボストン・ダイナミクスの最初の商業化モデルであるスポットは、緊急救助と遠隔医療や軍用支援などのために開発されたが、優れた姿勢制御と認知技術を土台に、爆発物処理や石油掘削施設への投入などの多岐にわたって利用率が高まっている。米国や日本などの外国では、産業現場での支援と盲導犬などの目的で試験供給された。

    国内ではレンタル形式で取り寄せて、建設現場の地形を地図化する3次元マッピングの目的で研究が行われている。ただしスポットの一般的な販売価格が7万4500ドル(約8200万ウォン)に達するほど高価なうえに、移動速度は時速5~6㎞で平均稼働時間は90分に過ぎないという限界もある。

    これまで独自にロボット開発能力を蓄積してきた現代自動車グループは、ボストン・ダイナミクスの総合的な認知・判断・制御技術に大きな期待をかけている。周辺環境と歩行者や車両などを正確に認知して人工知能(AI)に基づく判断を下すことは、まさに完全自律走行車の中核技術だからだ。これにより都心航空モビリティを中心とした人間中心のモビリティのビジョンの実現と、スマート・ファクトリーの高度化などにもさらに弾みがつく見通しだ。現代自動車グループの関係者は、「ロボットの認知・制御技術は、自律走行と未来モビリティ、UAMなどの特性とかみあっており、生産工場でのロボットやスマートファクトリー、物流サービスのプロセスに使用されるソフトウェアまたはハードウェアとも密接に関連している」と説明した。

    現代自動車グループは今後の5年間は年平均で32%の成長率が期待される、グローバルなロボット市場にも進出する方針だ。現代自動車グループはボストン・ダイナミクスが保有している物流自動化ロボット「ピック(Pick)」と「ハンドル(Handle)」などを活用して物流ロボット市場に挑戦する。
  • 毎日経済_高揚=パク・ユング記者 | (C) mk.co.kr | 入力 2020-12-18 19:56:07