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韓企業、血液一滴で肺がんを診断する装置を開発

バイオメトリクス・テクノロジー 

  • 「肺がん1期の患者を見つけることができる、世界初の肺癌早期診断機器を開発した。肺がん患者の生存率を6倍近く向上させることができると期待している」

    診断機器の開発メーカーであるバイオメトリクス・テクノロジー(Biometrix Technology)のキム・テソン代表(翰林大教授)は、「早期診断が難しい肺がんは他の部位への転移が容易で、特別な症状がなく、ほとんどが3~4期まで進行した後になって発見されるので、適切に診断されないまま患者が死を迎える場合が多い」とし、「肺癌を早期に診断できる技術は、世界的に皆無だったからだ」と強調した。

    キム代表によると、これまで肺がんかどうかを検査する際に活用する胸部レントゲン撮影や低線量コンピュータ断層撮影のような映像検査では、肺癌を早期に診断すること自体が難しく、治療がほとんど不可能な3~4期の末期状態のみを確認できるだけで、患者の生存率は6%未満と低かった。逆に見れば、肺癌を早期に診断できる技術があれば、このように低い肺がんの生存率を向上させることができるということだ。

    これと関連し、世界初でバイオメトリクス・テクノロジーが開発した肺がんの早期診断機器の出荷は、肺がん診断市場のゲームチェンジャーになるというのがキム代表の説明だ。キム代表は「こんかい開発に成功した肺がん診断機器は、従来の映像検査よりも肺がんにかかったかどうかを判定する予測率が大きく高い」とし、「わが社の診断装置で肺がんの死角地帯に置かれた1期の患者を早期に見つけたら、患者の生存率をこれまでよりも6倍も高い35%のレベルに引き上げることができ、世界の肺がん患者の命を救うところに大きな助けとなるだろう」と期待した。

    実際に、既存の肺がん検診で主に使われる胸部レントゲン撮影の感度(肺がん因子検出能力)は54%、陽性予測率(実際の肺がんかどうか)は7.5%水準で、低線量コンピュータ断層撮影は感度61.9%で陽性予測率35.7%程度だ。しかしバイオメトリクス・テクノロジーの肺がん早期診断装置は、臨床結果の感度は84.7%で陽性予測率は89.6%を示すことが確認され、肺がん患者と健常者を判別する能力が優れていると分かった。このような臨床情報は2020年11月、腫瘍学の分野でSCI級の国際学術誌である「カンザス(Cancers)」誌に発表された。

    キム代表は「腫瘍学関連のジャーナルのうちで非常に波及力が大きいジャーナルであるため、このジャーナルに掲載される結果はすぐにでも事業化が可能なレベルだと見ていい」と説明した。肺がんの早期診断装置について、肺がんの診断分野での世界的権威であるドイツのハインツ・ボーデンミュラー博士は、「1期癌の検出率を増加させて、肺癌患者の低い生存率を改善するところに使われるだろう」と評価した。

    診断装置を活用した肺がんの早期診断は複雑ではない。まず一線の病院で健康診断を受けるときのように、血液を採取すればよい。その後は血液を血清や血漿の状態で分離して診断キットに入れた後、直径60センチほどの検出装置に入れて実行すると、肺がんを早期に診断することができる。キム代表は「一時間に6名分に相当する24のサンプルが回って結果を導出する」とし、「現在は政府の品目許可申請を控えているが、3等級医療機器の許可を受けた病院・診断センターだけでなく、呼吸器内科や一般健康診断の検査項目にもすべて使用することができるだろう」と予想した。

    肺がんの早期診断機器のほか、バイオメトリクス・テクノロジーが開発した心血管疾患の診断機器は、国内新医療技術認証と食品医薬品安全処の品目許可をすべて受けた状態だ。キム代表は「中国での品目許可を進めており、フーシン(Fosun)と今後5年間で4000億ウォン規模の供給契約を締結した」とし、「肺がんの早期診断機器と心血管疾患の診断機器ともに、実験室独自開発検査(LDT)ライセンスのあるラボでのテストを受けると、中国食品医薬品局(CFDA)の品目許可を受ける前に現地販売が可能だ」と説明した。同氏は続けて「肺がんの早期診断装置は、2021年の終わりや2022年初にCFDAの品目許可を期待している」と付け加えた。

    キム代表はソウル大学化学部の修士を経て、米国テキサス州で表面化学分野で博士号を受けた。翰林大学化学部の教授として在任中に診断製品を開発するために、2000年に江原道の春川市にバイオメトリクス・テクノロジーを設立した。キム代表は「2021年下半期の技術特例上場を目指し、企業公開(IPO)を準備している」とし、「5~6月に技術性評価を受けて、9~10月に上場審査請求を行う計画」だとした。
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  • 毎日経済_キム・シギュン記者 | (C) mk.co.kr | 入力 2020-12-31 16:52:17