花咲く春の4月です。風に吹かれて鼻先に迫る春の香りに酔いしれて歩きたくないですか？

そういう時は韓国の南にある小さな島、青山島（チョンサンド）がおすすめです。

4月になると咲き乱れる菜の花に沿ってアジアで初めて選定されたスロー道を歩いていると心を痛めていた不安も忘れることができるでしょう。

全羅南道（チョルラナムド）莞島（ワンド）から19.2キロメートル離れた所にある島、青山島は山と海、そして空が青々としていることから青山という名前になりました。神仙が遊ぶほど美しいことから仙山、神園とも呼ばれました。

スローシティの青山島には計11のコースがあります。もう少し細かくすると17の道になります。この道を全部合わせると42.195キロメートルで、ちょうどマラソンのフルコースと同じになります。

島の右側を歩く最初のコースは1990年に公開された映画『西便制（ソピョンジェ）』で主人公のソンファが「珍島（チンド）アリラン」を歌いながら歩いた石垣道を見ることができます。





6コースのスロー道では世界文化遺産登録を控えている丘陵地帯の水田道を見ることができ、2コースの「愛の道」ではうっそうと茂る海松が一望できます。

映画『西便制』を撮影した家はまだ残っており、堂里村の丘の上にはKBSドラマ『春のワルツ（2006）』の撮影に使われた家がまだ残っています。KBSバラエティ番組『1泊2日』でも、このお店が紹介されました。『春のワルツ』のロケ地近くではSBSドラマ『ピノキオ（2014）』、『女の香り（2011）』のロケ地が現れます。OCNドラマ『客 ザ・ゲスト（The Guest）』もかなり多くのシーンをここで撮りました。

島の南には「虎石」（下の写真）と呼ばれる低い岩山があり岩の近くに行くとコンパスや電子機械が勝手に変わります。岩が磁鉄成分を帯びているからです。そのため、ここを航海する船たちもかなり慎重な様子を見せています。

青山島まで交通の便も難しくありません。ソウルから出発するなら光州（クァンジュ）を経て莞島まで、まず行かなければなりません。そして莞島港から青山までは船で45分の距離です。もし船酔いする方でも我慢できるほど近くに位置する島です。

青山島まで行く時間の余裕がない方なら首都圏から近い仁川（インチョン）甕津郡（ウンジングン）の矢島（シド）海岸をお勧めします。

矢島（Ａ）は永宗島（ヨンジョンド）と江華島（カンファド）の間にある2.4平方キロメートルの小さな島でRain（チョン・ジフン）とソン・ヘギョのラブストーリー『フルハウス（KBS、2004）』を撮った所です。

今はロケ地がすべて撤去され『フルハウス』のロケ地だったことを知らせる立て看板が立っているだけなのが、少し残念ではあります。

甕津には矢島のほかにもKBSドラマ『フィーリング（1994）』、MBCドラマ『ファイナルジャンプ（1994）』を撮影した昇鳳島（スンボンド）、映画『永遠の片思い（2002）』のロケ地、蘇爺島（ソヤド）、昔の映画『島の先生』を撮った大伊作島（テイジャクド）もあります。

松林がうっそうとした昇鳳島は海洋体験をするには、この上ない場所です。

海辺ではアサリ、サザエ、タニシなどを獲ることもできます。島は小さくても昇鳳島のイイルレ海辺の砂場は結構長いです。

大伊作島の道路の先には映画を撮った溪南（ゲナム）分校があり1992年に閉校された後放置されたため周辺の美しい風景とは異なり白いほこりをかぶっています。洒落た昔の名残を感じたい方なら学校の中に入って古い黒板に落書きをすることもできます。

慶南（キョンナム）統営市（トンヨンシ）には蚕に似た島、長蛇島（チャンサド）があります。

総面積390,131平方キロメートルの小島は2キロメートルほどに伸びていて早春の椿の花が見事です。元々は「蠶絲島（チャムサド）」と呼ばれ島の名前を登録していた公務員が「蠶」の字が使いにくいため長蛇島に変更したという話も伝わっています。

海上公園の長蛇島はSBSドラマ『星から来たあなた』でキム・スヒョンとチョン・ジヒョンが瞬間移動でデートを楽しんだ場所です。

統営にはMBCのミニシリーズ『運命のように君を愛してる』(2014)の舞台となった昆里島（コンリド）もあります。島の見た目がハクチョウの羽ばたきをしていることから名づけられました。