記事一覧

ニュース

数字経済

テクノロジー

コラム

ビューティー

カルチャー

エンタメ

旅行

韓国Q&A

新造語辞典

もっと! コリア (Motto! KOREA)
HOME > 韓国Q&A

  • Q.
    最近、韓国のニュースで七去之悪(チルゴジアク)という言葉が出てきました。何ですか?
  • A.
    友人が妻とは一緒に暮らせないと、離婚するつもりだと打ち明けたところ、周辺がみんなで止めにかかったそうです。様々な理由が出てきたのですが、一言で、離婚した人のうち、上手くいっている人はあまりいないというものでした。

    「よく考えてみろ。ソクラテスも言ったではないか。悪法も法であるように、悪妻も妻だと」
    「ソクラテスがそんなことを言ったのか、初聞だ」
    「必ず口で言う必要があるのか、死ぬまで一緒にいたのだから、体で表現したようなものだ。浮気でなければ、一緒に暮らせ」
    「浮気?」

    ここで言葉を濁したものだから、そばで見ている人も気まずくなります。

    不倫は最近でも最も大きい離婚の理由です。昔はこれで十分でした。女性は二本の足が折れるほどに叩かれて追い出されました。何も持たされずに、体一つで追い出されたのです。この部分において、最近との差が出ますね。

    もし妻が不倫をしたからと、激しく叩いたりしたら、結果は考えただけでも恐ろしいものです。不倫を犯した妻よりも暴行した夫が刑務所に入るでしょう。人々も「あれだから、女性が浮気をしのだ」と言って同情の視線を送ることでしょう。

    女性は、世界が変わったことに感謝することでしょう。朝鮮時代には「七去之悪」に「三従之道」と言われ、死ぬまで女性を苦しめました。「三従之道」とは幼いときには両親、嫁いだ後は夫、老いたら息子の言葉に従わなければならないという意味で、いくら賢くても、いい男に出会えなければ苦労から逃れることができなかったということです。女性に生まれたのが罪だった時代でした。

    その頃の女性は、ともすれば濡れ衣を着せられ家から追い出されたのですが、それを「七去之悪」としました。これ紹介すると、

    1. 夫の両親に仕えないとき
    2. 息子を生まないとき
    3. 不倫したとき(夫に似ていない子供を産むと、昔はDNA検査ができなかったため、不倫をしたと追い出すこともあったそうです。)
    4. 嫉妬したとき(夫が浮気をしたり、家に妾を連れてきても、ただ涙だけを流すしかありません。夫にたてつくと追い出されたそうです。)
    5. 遺伝病があるとき(事前に知らせていないと、騙されたと大事になったそうです。)
    6. おしゃべりな人(下品だからと追い出したそうです。)
    7. 盗癖のある女性

    納得できない部分も多々あるため、今の女性は気分が悪くなることでしょう。でも、どうしようもありません。すでに過ぎたことですから。バビロンでは結婚する女性をオークションにかけたと言いますから、そこから慰めを得るしかありませんね。

    ところが、最近になって「新・七去之悪」という言葉が出回りました。女性を追い出そうとしているのかというと、それはではなく、女性は責めらりたり、責任を問われることが多いという内容です。

    先日、ソウルの有力日刊紙が女性の訴求を聞いて整理した内容なのですが、納得できないという意見も稀に見受けられます。

    とにかくこれも紹介すると、

    1. 子供の体が弱い罪
    2. 子供が勉強ができない罪
    3. 会社の仕事で忙しい罪
    4. 家事で忙しい罪
    5. 実家の母がいない罪
    6. 外見を気にしなかった罪
    7. 出世した夫と暮らしている罪

    となっています。ざっと見てみると、夫ではなく、姑に虐められている印象ですが、この記事についたコメントを見ると、男性は共感できないという意見が大半で、母親よりも父親のほうが立場が苦しいのに、男性だからと訴えるところもなく、解決方法がないという意見に共感するコメントも多くありました。

    一方、女性は「涙が出る」とか「結婚しないで、このまま一人で生きることにする」と、記事に肯定的な反応を見せています。

    とにかく新・七去之悪には、きれいで家事も上手な妻と能力のある母親を求める家族、そのような期待に満たない自分自身への劣等感と嫉妬が見られます。黄金万能主義の影も色濃く見えます。

    この記事よりも前に出てきた別の新・七去之悪もあります。①配偶者の過去 ②他の人と交わした「愛してる」というテキストメッセージ ③一つ屋根の下で別々に寝る ④家出 ⑤妻の母親との葛藤 ⑥精神的な共感をする恋人 ⑦理由のない夜の夫婦生活の拒否などですが、7つの強力な離婚の理由になる内容をまとめたところが、先ほどに紹介した内容とは異なっています。妻の母親との関係を除いた残りの部分は、ほぼ不倫に該当します。

    一方、結婚情報会社を運営する演劇人ソンスク氏は、自分が直接経験した相談内容をもとに「こうすれば離婚することができる」と、7つの妙手(?)を勧めたのですが、これを新・七去之悪と命名しました。

    内容は、
    1. 明らかな嘘を頻繁につく
    2. 近所の他人の妻と長所と短所を些細なことまで比較する
    3. 世界が私を中心に回っていると思って生きる
    4. 思いつくまま、怒りがこみ上げたままに言葉を吐いたり、または行動に移す
    5. 一人で大事な秘密を隠しておき、その後、バレるようにする
    6. 愛する人同士は言葉が必要ないため、アイコンタクトだけする
    7. 自宅でだけでも最高のプライドを守る

    ちなみに女性の立場から夫を追い出す口実にする新七去之悪も笑い話として存在しています。
    1. 不順舅姑 去:妻の両親に親不孝する夫は、追い出すことができる
    2. 無子 去:子供ができない原因が夫にある場合、妻は不倫する権利がある
    3. 淫行 去:妻は夫の許可なしに浮気をしてもいいが、これを口実に夫が一緒に浮気をする場合追い出すことができる
    4. 妬 去:妻がハンサムな恋人に会うとき、夫は嫉妬してはいけない
    5. 悪疾 去:過度の飲酒で健康を害して、夜に妻を楽しませることができなければ、夫は家を妻に譲って出て行かなければならない
    6. 口舌 去:妻がおしゃべりだからと、一緒にしゃべってはいけない。特に妻の家族の悪口を言ってはならない
    7. 盜 去:女性は月経のために盜癖が生じる可能性があるが、夫の手癖が悪い場合、財産の半分だけを受け取って追い出されても異意を申し立てることができない