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もっと! コリア (Motto! KOREA)
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  • Q.
    韓国はトランスジェンダーも軍隊に入りますか?
  • A.
    SBSのイシュー追跡チームがトランスジェンダーと一般人を対象に公開試験(?)を行ったことがあります。
    グループ別にそれぞれ5人ずつ10人を一列に並べて質問を始めました。
    自分に当てはまったら1マス後ろに、当てはまらなかったら1マス前に進む方法です。

    質問は30問、全部日常的な内容です。
    公衆トイレに行くのが難しい。身分確認があるのでマスクを買いに薬局に行くのが怖い。男か女か確認するような目で見られたことがある。治療を拒まれることがある。就職に困ったことことがある。

    質問が終わる前に、一般人の参加者は、これ以上前に進めなくなったのですが、トランスジェンターたちは、ほとんど後ろに立っています。日常的に差別されているという意味でしょう。

    韓国のトランスジェンダーの生活は日常的に耐え難いことが多いです。自分で就職をあきらめたことも多く、家族からも存在しない人として扱われます。精神科の診断では1回に30万ウォンのホルモン注射、性転換手術まで、医療保険の恩恵が適用されるものが1つもありません。

    SOGI法政策研究会が発表した2019性的少数者の人権指数は8.08%です。欧州49か国の人権指数と比べると47位と最下位の水準ですが、さらに深刻なのは前より人権指数が低くなっている(2018年11.7%)という点です。

    住民登録番号で男女を区別しやすい*韓国の特殊な事情も彼らの生活を難しくする要素で、まだ女子だけが通う女子中学校や高校が多いという点*も障害要素です。

    *女子校を卒業した男子ルックスのトランスジェンダーが履歴書に女子高校の「女子」を消して提出しましたが解雇されたケースもあります。

    トランス女性が経験する最も大きな悩みは兵役です。かわいい男もセクハラの対象になりうる所ですが、女性として暮らしていたトランスジェンダーが本意とは関係なく連れて行かれる所なら、どんな事態が起きるか想像できます。

    軍隊よりもっとひどい所は犯罪を犯して収監される刑務所、警察署の留置場に少し出入りしたことさえトランスジェンダーにとっては悪夢になるかもしれません。

    徴兵制国家である韓国で戸籍に男性として記載された以上、徴兵検査は避けて通れません。もちろん男性だからといってみんなが軍隊に行くわけではありません。心身ともに弱い場合は、現役の代わりに社会服務要員として代替勤務も可能で、完全に兵役免除を受けることもあります。

    高校の生活記録簿や長期間のホルモン投与***で女性性がはっきり現われたり、睾丸を摘出した人は、基礎軍事教育も免除されることがあります。(性転換手術をして性別を訂正すれば、身体検査の対象から除外されます。韓国で性別を訂正した平均年齢が32.8歳であることを考慮すれば、徴兵検査前に性別訂正をしたジェンダーは非常に珍しいことが分かります)

    稀ではありますが、女性ホルモンの注射を受けて兵役を避ける事例もあるため、ホルモン注射を受けて裁判にかけられることもあります。

    しかし、学生時代、自分がトランスジェンダーという事実を周りに話すのはなかなか難しいことです。性的アイデンティティに障害を負っていても、これを生活記録簿に記入する教師も多くありません。それによって、学校生活や卒業後の社会活動で経験する苦労を知っているからです。

    徴兵検査で現役判定を受けて入隊したトランスジェンダーたちも、精神科の治療経歴があれば、基礎軍事訓練も免除される可能性は大きいです。大抵は社会服務要員に編入される可能性が高いですが、彼らにはそれさえも難しいことです。勤務中にホルモン治療を並行することも難しく、精神的な苦痛に悩まされます。

    そして何よりこんなレッテルが貼られます。
    精神疾患を患ったことがあります。この文章は社会福祉施設などの就職を制限します。兵役の過程で起こった問題です。

    これとは別の話ですが、トランス男性は軍隊に入るためにいくら頑張っても社会服務要員になれません。性転換手術を受け、法的性別を変えても徴兵検査で受けられるのは、戦時労働の領域が限界です。男同士が集まって酒を飲んでいましたが、軍隊の話が出ると挫折感と疎外感を感じるようになります。

    軍隊で服務している時に性転換手術をすると、どんなことが起きるのでしょうか?
    これについては次回、紹介します。