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  • Q.
    タバコが認知症予防に役に立つそうですが、本当ですか?
  • A.
    こんな質問を受けてみると、いつか聞いた笑い話を思い出します。

    アメリカのある町に、90歳を過ぎても元気に暮らしている人がいました。地域新聞社が健康維持の秘訣を聞くために尋ねました。
    「お酒やタバコはお吸いにならないでしょう?」
    「若い頃も酒、タバコは一切口にしていませんでした」
    「普段どんな食べ物をよく食べますか?」
    上の階からうるさい声が聞こえてきました。「気にするな」という老人の声を無視しようとしましたが、女性たちの艶めかしい声に続き走り回る声まで聞こえたので、インタビューを続けることが難しくなりました。
    お年寄りと話をしているのに誰が騒いでるのか、こんな思いがして我慢できなくなりました。
    「いや、それでもお年寄りと話をしているのに一体誰があんな行動を?」
    「実は私の父です。百歳をはるかに超えたのに、まだ酒とタバコをやめないからか行動がちょっと荒いです。今も町の女たちを呼んでいたずらをしているんです」

    まだタバコをやめられない誰かが作った話でしょう。
    タバコが認知症予防に役立つ?
    ポータルサイトを探してみても多分正確な答えを見つけるのは難しいでしょう。

    ずいぶん前はたまにタバコと認知症に関する書き込みが目につきましたが、健康当局の干渉なのか、サイト管理者の独自の判断のためなのか、そのような書き込みはほとんど姿を消しています。

    代わりに、こんな記事が目に入ります。

    「サムスンソウル病院、男性977人のMRI分析、脳神経細胞25%集まった大脳皮質損傷」

    タバコを吸うと、大脳皮質の損傷でアルツハイマー型認知症にかかる可能性が広がるという内容です。
    喫煙者グループ(128人)が非喫煙者グループ(270人)に比べ、大脳皮質の厚さが0.01~0.03ミリ薄いということです。大人の大脳皮質の厚さが普通3ミリで、アルツハイマー型認知症患者は2.8ミリなので、小さな違いでもタバコに影響を与えるというのが研究チームの結論でした。

    上記の記事はある記事を引用したものですが、タバコが認知症にも悪影響を及ぼすというような内容は、それほど手間がかからなくても数多く見られます。

    一生懸命探せば、他の内容の記事も見つけることができます。
    2009年から2013年の間、ソウル広津区(クァンジング)に住む65歳以上の認知症患者1409人の診療記録を分析した建国(コングク)大学病院の研究は全く別の内容を示しています。

    分析対象患者のうち重症患者554名の特性を比較したところ、高齢者、女性、低学歴者、喫煙や飲み過ぎの経験がない人、身体活動が少ない人、信仰生活をしていない人が多かったという分析結果が出ました。独居老人に比べ、配偶者または他の家族と同居する老人が重症認知症を患っているケースが10倍以上多いという分析も出ました。

    お酒とタバコをしなければ社会的交流が少ないため認知能力の低下を早期発見することが難しくなり、独居老人はすべての日常を自らまかなっているため認知能力の低下を早く感知できるというのが研究チームの推定でした。

    科学的にアプローチした研究結果もあります。ニコチン成分がドーパミンやアセチルコリンのような神経伝達物質を活性化させ、認知症の一因として指摘されたベータアミロイドの合成を妨害するということです。米国はもちろん、韓国でもこのような内容を盛り込んだ研究結果が出たことがあります。

    しかし、このような研究結果は喫煙者を罪人のように扱う社会の雰囲気では受け入れられないのです。

    タバコ会社から研究費を支援されただけあって一顧の価値もないと無視されます。タバコ会社の研究費支援のない他の研究では、喫煙で抗酸化物質が不活化し認知症を促進するという結果が出たと、うるさく騒ぐ声がはるかに大きいです。彼らはどこで研究費をもらったのか尋ねもしません。

    タバコが認知症予防に役立つ?

    この質問にイエスという答えを得た研究者たちも発表するのを躊躇します。
    発表をしても必ずこのような蛇足を入れます。
    「まだ賛否両論はありますが…」または「まだ信じようが信じまいがの水準ですが…」

    喫煙者から多額のたばこ消費税を奪った当局が、中立的な立場でたばこと認知症の相関関係を調べてくれればいいのですが、そんな度胸のある公務員がいるのでしょうか?

    余談ですが、この文章を書いているうちに筆者の記憶に一つ浮かんだ話があります。
    日本の漁村のお年寄りに認知症がほとんどないという事実を土台に調査してきた医者たちが下した結論です。
    「フグの卵が認知症予防に役立つ」
    ふぐを捕って生計を立てている漁師たちが、普段命に別条のない非常に微量のふぐの毒を食べたことが認知症にならないようにしたということです。