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【韓国コラム】行き違った今

  • 今、僕たちは
    あの昔の僕たちではないこと
    (中略)
    今、 僕たちはその昔の情熱じゃないこと
    きっと僕が知っているほど君も知っている
    ただ今、僕たちは別れようと先に言う勇気がないだけ
    (下略)

    2012年に発表されたチョ・ヨンナムの 「今」という曲の歌詞だ。ユン・ヨジョンと離婚してから、ずいぶん長い時間が経った後に出された。

    「今」の作詞は有名なドラマ作家キム・スヒョン(金秀賢)。ユン・ヨジョンとは親友だ。離婚がタブー視されていた時代にチョ・ヨンナムと別れ、いじめに遭いながら生活苦を経験したユン・ヨジョンを自分の作品*にキャスティングされるように助けて再起の土台を作ってあげたりもした。

    *1980年代最高の視聴率を記録したMBC週末ドラマ『愛と野望』

    キム・スヒョンはユン・ヨジョンとチョ・ヨンナムが結婚することに反対していた。「ヨジョンさんは透明だが、彼は不透明だ」というのが反対の理由だった。夫婦と親しいキム・スヒョンが様々な理由でチョ・ヨンナムと会ってスキャンダルに巻き込まれそうになったこともある。チョ・ヨンナムについて「私が一番好きな歌手」という言葉を残したりしたため、離婚後には少し気まずかっただろう。

    ユン・ヨジョンはキム・スヒョンに別れた本当の理由を遠慮なく明かした。浮気をしたという理由で自分が別れようとしたのではないという話だった。「私が振られたのに、あちらが私が振ったと言うからとても悔しい」と嘆いたりもした。

    そんなユン・ヨジョンに対して「あの醜いやつに振られたほうが良かったってこと?むしろ振った方がいい」という言葉で慰めたそうだ。

    チョ・ヨンナムは一時、ユン・ヨジョンを忘れられず、また再婚することを望んだりもした。小学校同窓の歌手イ・ジャンヒから「密かに花を贈れ。本心が伝わるかもしれない」という助言を受けて何回か花を送ったが、「もう一度、持ってきたら警察に届ける」という厳しい言葉を言われたりもした。

    そのため、2人をよく知っているキム・スヒョンがチョ・ヨンナムに歌詞を書いたという事実は、愛も憎しみも取り払い、心の中にわだかまりも残っていないということを推測させる。

    離婚した元妻が女優の頂点と言われるアカデミー賞を受賞した後、訪ねてくる記者の質問に対しチョ・ヨンナムは「浮気男への最高の復讐ではないか」と感想を伝えた。復讐云々という発言に当事者は平然としていたが、あちこちから不愉快と言われている。

    34年前に離婚した前夫に感想を尋ねる記者も問題だが、「キルキパパ*」を知らない年取ったならず者の話は聞きたくないと露骨に悪口を言う人もいた。

    *キルキパパ:入るべき時には入って、抜けるべき時には抜けろという新造語

    渾身を尽くした演技について「浮気をした男に対する復讐」と言うのは、明らかに問題のある発言だ。おそらく本人はそのつもりはなかったのかもしれない。彼をよく知る知人たちの言葉を借りれば、チョ・ヨンナムはユン・ヨジョンが出演する映画やドラマはもちろんバラエティ番組まで全部見るだけでなく試写会にも行って、たまにユン・ヨジョンの話が出ると「本当に利口で才能豊かな人だ」と自慢(?)するそうだ。

    そんな話がユン・ヨジョンの耳にも入ったのだろう。

    だから「今」という歌も出ることができたと思う。

    今、人生の黄昏期に再び花を満開にさせているユン・ヨジョンに比べ、チョ・ヨンナムの身なりはみすぼらしい限りだ。

    「ライ麦畑でつかまえて」というタイトルの絵を自分が直接描いたかのように騙し800万ウォンを受け取ったとして提訴され、大法院(日本の最高裁判所に相当)で無罪判決を言い渡され自由になったが、またも詐欺罪で起訴され法廷に立たされた。ユン・ヨジョンがアカデミー賞を受け取った、わずか数日後に起った出来事だ。

    チョ・ヨンナムは子供たちまで見捨てて出てきた自分の行動を後悔し、また後悔しているだろう。

    しかし、今になってはどうすることもできないだろう。
  • Lim, Chul | 入力 2021-05-02 00:00:00