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「ロケット配送」の韓クーパン、日本進出の下地ととのう


    クーパンのアプリをオンにすると、その時点の状況に応じて注文してから到着するまでにかかる時間がまず表示される。 3日午前に接続したときは、配送時間が10~15分程度かかるというメッセージが表示されたが、午後に接続すると15~20分に増えていた。

    サービス初期なので商品は多くはない。果物・野菜、乳製品、肉、水産物、お菓子、パン、飲料・水、ビューティー、日用品など23種のカテゴリに分かれており、商品は総320種だ。入荷予定として案内されている品目も多く、商品数も増えるものと見られる。

    決済手段と配送先を登録しておくことができ、配送オプションで「玄関の前に置く」「玄関の前で直接受け渡し」「外部接触」などを選択することができる。また配送状況や配達員の位置などをスマートフォンでチェックすることができる。

    東京板橋区に住んでいる田中ユキさんは韓国留学時代にクーパンをしばしば利用して、生活必需品・菓子・ペット用品などを購入した、特にロケット配送システムを印象深く感じた。田中さんはクーパンのサービスが品川区中延地域で始まったことについて、「サービスエリアが板橋区に拡大したら利用してみたい」とし、「配送速度も重要だけど、取り扱い品目がどれくらい多様なのかも重要だけど、まだ日本のサービスは初期の段階のでそれほど品目が多いとは思えない」と説明した。彼女は「日本クーパンのサービスも韓国のクーパンのように項目が多様化して、ロケット配送などのシステムが加わったなら、私のような人には魅力的」と付け加えた。ただし韓国ではロケット配送が「クーパンチング(クーチン)」を経由して出荷されていることとは異なり、日本の試験サービスでは配達ライダーによって伝達される。


    • クーパン日本サービスのアプリ画面。注文(黒い人のマーク)と倉庫(黒い家のマーク)、そして配達員の位置(緑の自転車のマーク)などが表示され、配送状況をリアルタイムで見ることができる。



    翌日配達サービスの「ロケット配送」とは異なって、注文からすぐに短時間内に出荷されるという点も、韓国内のサービスと違いがある。午前0時前の注文時には翌営業日の発送となる韓国の配送サービスとは異なり、午前9時から午後11時までに配送時間が制限されているという点も異なっている。生鮮食品は1万5000ウォン以上購入時に送料が加算されない韓国のサービスとは異なり、1件につき200円(約2000ウォン)の送料が加算される。クーパンの国内事業のうちで「クーパンイーツ(Coupang Eats)」や優雅な兄弟社が運営する「Bマート」と類似した形態だ。

    このように、クーパンは韓国内の配送モデルをそのまま日本に適用する代わりに飲食サービスの形態で現地に進出したことをめぐっては、インフラへの投資費用の負担を下げると同時に、日本現地の文化に合った配送方法を適用したという分析が出ている。去る3月、クーパン最大の投資家である孫正義ソフトバンクグループ会長がクーパンサービスの日本導入の可能性に言及したとき、韓国内の流通業界ではクーパンのロケット配送サービスをそのまま日本に適用することは難しいだろうと予想した。

    特に日本の宅配便業界の対面受領原則は、ロケット配送の日本導入の障害になるだろうという予想が大きかった。日本では受領者が不在だと配達員が数回訪問し、直接伝達することが原則として通じている。クチン(クーパンチング)と国内宅配業者が玄関ドアの前に置いて配送を完了するという概念を適用することが難しい環境だ。

    このような日本の宅配便業界に制限された状況だったが、昨年から現地の代理店を中心に非対面受領を拡散させようとする試みが現れて、クーパンの日本進出がある程度実現するところに助けとなったという見方もある。非対面受領がコロナ19の拡散を防ぐのに役立つという趣旨が、社会的な共感を得ながら徐々に広がっている雰囲気が現れている。日本最大の電子商取引事業者であるアマゾンジャパンとウーバーイーツは昨年から、注文者が希望する時に限って玄関先などでの非対面受領が可能な設定を追加した。

    実際、日本の消費者のあいだでも非対面受領を利用する人が増えている。今年2月に無人宅配函などを製造する企業の日ナスタ(Nasta)社によると、玄関前に置いていく宅配サービスを利用した経験があるという回答は昨年47.2%で、前年比で20.4%ポイント上昇した。クーパンは日本のサービスでは基本の受領方式を「玄関のドアの前に置くこと」に設定し、非対面受領サービスという点を強調した。注文者の希望に応じて、対面や玄関などの他の場所で非対面で受けることも可能だ。

    業界では今回の日本進出でクーパンの当初の目標である「韓国版アマゾン」への道に一歩近づいたと評価する。直購入とロケット配送という武器で韓国Eコマース市場を掌握したことに続き、グローバル市場でも同じモデルで小売市場を攻略し、世界の主要国で市場独占事業者として浮上したアマゾンの前轍を踏もうというものだ。

    クーパンの海外進出は予見されてきた。クーパンは3月にニューヨーク証券取引所(NYSE)への上場当時、全世界に進出するという目標を明らかにした。米国証券取引委員会(SEC)に提出した上場申告資料で、「わが社のビジネスを他の国に拡張できる」とした。

    今回の動きは最近停滞した株価を引き上げるための意図も込められていると思われる。上場当日の3月11日(現地時間)、クーパンは公募価格(35ドル)よりも81.4%上昇した63.5ドルで始値を形成した後、49.25ドルで取引きを終えた。とは言え、その後は着実に下落傾向に乗って、去る2日は終値基準で40.84ドルまで下落した。これは始値に比べ35.7%も低い。
  • 毎日経済 | 東京=キム・ギュシク特派員/ソウル=キム・テソン記者/パク・テウィ記者 | (C) mk.co.kr | 入力 2021-06-03 20:02:09