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現代自、2035年に欧州で内燃機関車の販売を中断

水素車で正面勝負 


    • 6日、独ミュンヘンでの「IAAモビリティ」で、現代自動車の自律走行車「アイオニック5ロボタクシー」(左)と「アイオニック6」のコンセプト車「プロペシ」(右)が展示されている。 [写真提供=現代自動車]



    現代自動車は6日午前(現地時間)、独「IAAモビリティ」(ミュンヘンモーターショー)で公開した「2045年炭素中立(カーボンニュートラル)」構想は大きく3つの軸で進められる。電動化車両の拡大、次世代移動手段の開発、そして親環境(環境に優しい)エネルギーの使用などだ。

    チャン・ジェフン現代自動車社長はこの日のイベントでこのような野心的な計画を明らかにし、「現代自動車は炭素中立時代を生きる、最初の未来世代のジェネレーションワンを創出しようとする」と語った。ジェネレーションワンはカーボンニュートラル時代を生きていく最初の世代を意味する。これらの将来の顧客を先取りするための現代自動車の戦略は、純粋な電気自動車と水素燃料電池車(水素電気自動車)を競合他社よりも急速に拡大することだ。

    ◆ 国内の内燃機自動車の生産中断を前倒しか

    現代自動車は昨年、国内79万台と海外295万台の計374万台の車両を販売した。このうち2.8%ほどにあたる10万4000台あまりが電動化モデル(電気自動車・水素電気自動車)だ。現代自動車は2030年に電モデルの割合を30%に上げた後、2040年には80%にまで引き上げる計画だ。 2045年には残るすべてを電動化車両で満たし、100%に達すると明らかにした。

    地域別では欧州で一番最初に、2035年から内燃機関車の普及を中断する。最近、欧州連合(EU)の執行委員会は2035年から内燃機関車の販売を中止することを加盟国に提案した。米国や韓国など他の主要な先進自動車市場は、2040年までに内燃機関自動車の販売中止を達成することにした。アフリカなど他の市場でも電動化車両のみを販売することにより、2045年にはカーボンニュートラルを実現するという計画だ。

    さらに最近、2030年までにすべての販売車種を電気自動車と水素電気自動車へ移行するとしたジェネシスも、現代自動車グループの完全電動化戦略の先頭に立つ。先月初めに専用電気自動車EVシリーズの最初のモデル「EV6」を国内で発売したキア自動車も、現代自動車のカーボンニュートラルの動きに参加するものと予想される。

    しかし専門家らは現代自動車が欧州だけでなく、国内でも内燃機関車の販売を中止する時期をさらに早める可能性があると見込んでいる。

    デリム大学未来自動車学部のキム・ピルス教授は「2040年に韓国内での内燃機関自動車の生産中断は、現代自動車が一種のマジノ線として提示した時期」だとし、「異常気象による災害が急増する状況で各国が環境規制を強化すると、現代自動車は韓国と米国などの主要市場でも100%電動車の販売時期を欧州と同様に2035年に前倒しにするかもしれない」と診断した。

    現代自動車は、これまで開発してき専用電気自動車は自社の生産プラットフォーム「E-GMP」を通じて拡大普及し、今後に追加する新型電動車両の中核には水素電気自動車を打ち出していることで注目される。現在、現代自動車は「NEXO(ネッソ)」のみを販売しているが、乗用水素電気自動車を2025年までに3つのモデルに拡大する。既存のネッソは2023年の後半に部分変更モデルへと進化させて、最近に出荷された多目的車(MPV)「スターリア」を水素電気自動車として開発することにした。

    特に2025年には大型水素電気スポーツ・ユーティリティ・ビークル(SUV)の出荷も検討する方針だ。すでに「エイチ・ツー(HTWO)」と呼ばれる独自ブランドを通じて水素燃料電池の開発に力を注いでいる現代自動車は、発電システムを他の産業部門に拡大普及する計画も推進する。

    ◆ 自律車・UAMも炭素低減に一役

    今回のミュンヘンモーターショーで現代自動車は専用の電気自動車「IONIQ5(アイニック5)」をベースにした自律走行車(ロボタクシー)を初めて公開した。米国の合弁会社モーショナルと共同で開発したこのモデルは、来る2023年から米国で実際に道路を走る。

    現代自動車は電動化車両のほかにこのような自律走行車をはじめ、次世代移動手段の普及を増やし、カーボンニュートラルの実現に貢献する方針だ。

    ロボタクシーのほかに、次世代移動手段の主力分野は都心航空交通(UAM)だ。もうずいぶん前からこの事業を準備してきた現代自動車は、来る2028年に都心でのみ稼働する電動化UAMを市場に投入した後、2030年には隣接する都市間で移動可能な形で出すという構想だ。

    現代自動車のカーボンニュートラルの最後のパズルは「事業所炭素排出ゼロ」だ。車両の生産だけでなく関連する事業場と協力会社のサプライチェーンでも、二酸化炭素の排出量を除去するというものだ。現代自動車側は「2040年までに車両運行と協力社、自社工場などで発生する二酸化炭素の排出量を2019年よりも75%ほど削減する」とし、「炭素捕集・活用・貯蔵技術などを導入し、2045年までに実質的な炭素排出量を完全になくす方針だ」と明らかにした。

    特に世界の現代自動車事業場の電力需要の90%以上を2040年までに、100%を2045年までに再生可能エネルギーで満たすという目標も打ち出した。このうち現代自動車チェコ工場は一番最初に、来年から再生可能エネルギーのみで稼動される。電気自動車を電力網と接続し、車両駆動後に残った電力量を産業分野に供給する計画まで推進する。
  • 毎日経済 | ソ・ジヌ記者 | 入力 2021-09-07 10:56:17