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【韓国コラム】名節症候群は韓国の病気なのか

  • 名節症候群とは韓国で名節( 旧正月、旧盆)を過ごす際に生じるストレスによって生じる精神的、肉体的な現象を言う。

    ウィキペディアの説明を見ると名節症候群は韓国だけで起きている現象のように見える。

    果たしてそうだろうか。

    名節が韓国だけにあるわけではないはずだ。中国や日本にも往来があまりなかった親戚同士で挨拶を交わす祝日もあるだろうし、これは西欧でも同じだろう。

    近い中国や日本は差し置いてアメリカの話からしよう。

    韓国の秋夕(チュソク、旧盆)はアメリカで感謝祭、旧正月はクリスマスに当たるだろう。アメリカのドラマを見れば、このような日に集まる親族の範囲が韓国とあまり違わない。韓国のように伝統的な祭祀(チェサ)は行わないものの移動距離を比較すると韓国とは比較にならないほどだ。

    感謝祭に欠かさず登場する七面鳥は作るのに時間がかかる料理だ。

    焼く前に1日程度の熟成期間が必要で焼くのにかかる時間も2~3時間はかかる。それに焦がして食べないためにはオーブンの前に座っていなければならない。

    クリスマスには親族、そして同じ教会に通う信者、近所の人、職場の同僚にカードを送らなければならない。知り合いリストを作り家の事情に合わせて文句も作らなければならない。これを100枚以上、書いてると人がやることなのかと思うこともある。それでも隣の家にカードを送るのを忘れたのに、隣の家からカードをもらった時の衝撃とは…。

    逆に自分は送ったが、相手が自分に送るのを忘れた時に感じる怒りに匹敵するだろう。

    アメリカのフェミニズム運動家たちは「カードを書かないようにしよう」というキャンペーンをしたりもしているが、あまり効果がない。カードを送らないと公言した家には、カードがいつもよりたくさん送られてくるからだ。

    ポストが壊れそうな状況が繰り返されると結局、白旗を掲げて、おとなしくカードを書くようになる。

    クリスマスツリーなど各家の装飾品も比較対象となる。隣の家と垣根を作ってない以上、装飾物が生活の実力を測る尺度になるので、かなり神経を使うだろう。

    訳もなく「Holiday Blues」という言葉があるわけではない。

    人が暮らすのが似ている以上、祝日に主婦が経験する苦痛は大同小異だということだ。

    名節にはおせっかいな親戚のせいで苦しむ現象も韓国だけで起きるわけではないだろう。

    『X-MEN 』のスピンオフである『デッドプール(Deadpool)』の中国の広報映像を見ると、中国の若者たちが青筋を立てる理由が分かる。



    名節により受けるストレスは万国共通なのに、ウィキペディアはなぜ「韓国の病気」という暗示を与えるのだろうか。

    見知らぬ親戚が集まった時に掲げる権威主義、男尊女卑など差別が激しいためだと考えられる。しかも既成世代と若者の間に価値観の差も大きい。世代間で意見の差が出た時、歳を武器にする既成世代に太刀打ちする方法が全くない。名節ごとに祭祀を行う家では上命下服の位階がさらに厳しくなる。

    年齢を考える文化は若い世代も同様だ。アイドルグループを見ても年の上下関係が厳然としている。

    このような儒教的残滓が韓国の伝統的な名節になってしまったようだ。名節症候群は固有の韓国の病気ではないが、韓国で特に症状が激しいという点は認めざるを得ないと思う。
  • Lim, Chul | 入力 2021-09-18 00:00:00