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【韓国コラム】前職大統領たちの追徴金

  • ノ・テウ(盧泰愚)元大統領が死去した後、チョン・ドゥファン(全斗換)元大統領が払わなかった追徴金が再び話題になった。

    1997年、最高裁判所の判決で確定した2人の元大統領の追徴金は、チョン・ドゥファン元大統領が2205億ウォン、ノ・テウ元大統領が2626億9000万ウォン。在任期間はチョン・ドゥファン元大統領が7年と、選挙で当選したノ・テウ元大統領より2年ほど長かったが、追徴金はノ・テウ 元大統領の方が400億ウォンほど多かった。

    ノ・テウ元大統領は、この巨額のお金をすべて返済した。陰で密かに内助ばかりしていたキム・オクスク夫人は2013年6月「親戚に預けた秘密資金で未納追徴金を完納する」と嘆願書を出した時、顔を見せた。

    そして姻戚であるシンドンバングループと訴訟まで起こし、その年末に追徴金を完納した。

    一方、チョン・ドゥファン元大統領は、宣告された追徴金のうち4分の3に達する1,672億ウォンをまだ払っていない状態だ。

    1999年までに312億ウォンを出した後は、世論が悪化しても出すふりさえしなかった。

    国税庁が16年間執拗に資産追跡に乗り出し延禧洞(ヨニドン)私邸の離れ、ベンツ乗用車、龍平(ヨンピョン)コンドミニアム会員権、家財道具、書道屏風、珍島犬2匹を取り立てて競売に出した。ノ・テウ元大統領が追徴金を完納した2008~2013年の期間、チョン・ドゥファン元大統領は銀行債券の取り立てで4万7000ウォン、講演して受け取った資金300万ウォンを納めただけだ。

    国税庁が金を受け取れなくなると検察が乗り出し財産があるかどうかを判断する裁判が開かれたが、裁判長に提出した財産目録は、不動産、骨董品、芸術品、楽器、事務器具、機械類などのほか、15万ウォン、14万ウォン、1千ウォンの預金通帳3冊がすべてだった。

    この通帳によって29万ウォンが流行語になった。全財産29万ウォンで豪華生活をするのに何の不足もないので、29万ウォンは使っても使っても乾かない「魔法の通帳」として通じていた。

    29万ウォンは、12・12軍事反乱と5・18光州(クァンジュ)事件に責任がある2人の元大統領のうち、チョン・ドゥファン政権に非難が集まる理由でもある。

    追徴金を納めない代表的な人物とされてはいるが、チョン・ドゥファン元大統領だけが追徴金を納めていないわけではない。100億ウォン以上の未納追徴金の総額がなんと27兆ウォンに達する。毎年還収される追徴金は全体金額の1%にも満たないので、「どうにでもなれ」と粘る人がかなり多いわけだ。

    韓国で宣告された追徴金の金額が最も多く、納付していない金額が最も多い人はチョン・ドゥファン元大統領ではなく、サラリーマン神話の主人公である大宇(デウ)グループのキム・ウジュン会長だ。

    韓国の通貨危機当時、財界ランキング4位のグループが崩壊し粉飾決算による詐欺融資で裁判を受けた。確定した刑は懲役8年6か月、罰金1000万ウォン、そして追徴金17兆9253万ウォンだった。

    2013年、チョン・ドゥファン元大統領の追徴金が話題になった後、キム・ウジュン元会長の追徴金を納める妙案についての話も持ち上がったが、いくら調査しても完納が不可能な状態だったので、すぐに葬られてしまった。

    追徴金の賦課は、違法に取得した財貨を出させる制度だ。罰金とは違ってお金を払わないからといって強制的に働かせるわけにもいかない。「良心がない」と悪口を言うことはできても、「どうにでもなれ」と粘る限りどうしようもないという意味だ。

    このような現実を考えれば、ノ・テウ元大統領が追徴金を一銭も欠かさず全額完納した事実を決して軽く見ることはできない。自分の過ちを一銭も残さず返すという考えを抱いていたのではないか、そんな気がする。
  • Lim, Chul | 入力 2021-10-30 00:00:00