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韓国造船業界、原材料の需給難と価格急騰により非常事態

  • ウクライナ事態でロシア産原材料の需給が厳しくなった上、新型コロナによる中国地域の封鎖まで重なり原材料の大乱が続いている。原材料の需給難に加え価格まで急騰し輸出採算性まで急速に悪化している。

    韓国の輸出企業は「核心原材料に対して一時的に関税を減免してほしい」と政府に要請しているが、すぐに反応がなく、もどかしさを訴えている。

    韓国貿易協会は19日、ソウル三成洞(サムソンドン)のトレードタワーで「原材料の価格急騰に伴う貿易業界の影響点検会議」を開き輸出業の種別に問題点の点検に乗り出したと発表した。

    半導体、石油化学、自動車、造船など国内の16業種を代表して参加した産業界の関係者たちは「原材料価格の急騰で企業の輸出採算性が急速に悪化しており政府レベルで対策が急がれる」という共通の意見を明らかにした。

    石油化学業界は「ウクライナ事態で1バレル=100ドルを超える原油高の状況が長期化する可能性があり原油とC重油に対して無関税適用が切実だ」と訴えた。経済協力開発機構(OECD)に属する一部の加盟国は、すでに原油などに対して無関税を適用しており米国も0.1~0.2%水準の低関税を維持している。一方、韓国は基本関税だけで3%に達する。石化業界の関係者は「ロシア産の重質ナフサの輸入が全面中断されナフサの価格が年初対比30%上昇し、これによって割当関税額は昨年対比70%増えた3200億ウォンに達する」と伝えた。

    半導体業種の場合、ネオンなど工程用希少ガスの輸入のうち30~50%をロシアとウクライナに依存している。今年に入って2月までネオンの輸入価格は156%も急増した。輸入先を中国に代替するとしても中国産の価格はさらに大幅な上昇幅を示し対策が容易ではない。

    中国の深センなどコロナによって封鎖された地域に進出した工作機械企業の場合、部品需給も難しい上、内陸運送の遅滞で販売量も急減している状態だ。

    鉄鋼価格の急騰は造船と自動車業界にも影響を及ぼしている。造船協会の関係者は「今年4月、厚板価格が史上最高値を更新し国内造船所の収益が大幅に悪化した」とし、「厚板価格の引き上げ分に対して積み立てなければならない損失充当金が増える場合、会計上の営業損失は4兆4000ウォンに達する」と伝えた。

    韓国造船海洋事業の報告書によると厚板価格は2020年1トン当たり66万7000ウォンから2021年1トン当たり112万1000ウォンへと2倍近く急騰した。韓国造船海洋傘下の造船3社は昨年、造船事業で鋼材購入だけで2兆6454億ウォンを使った。売上原価のうち鋼材購入費が占める割合は14%程度と推算される。

    問題は造船会社が船舶を受注してから実際に建造に至るまで2年半ほどかかるという点だ。昨年、建造を終えた船舶は主に2019年の不況期の物量であるため相対的に規模が小さい。以後、受注活況を勘案すれば今後、建造される船舶が増え、このため厚板価格の上昇による負担がさらに大きくなる構造だ。韓国造船海洋の船舶の受注残高は2019年末の23兆3481億ウォンから昨年末32兆9688億ウォンへと41%も増えた状態だ。

    ポスコなど鉄鋼会社と韓国の造船会社は今年、厚板価格の交渉を進めている。鉄鋼会社は鉄鉱石や有煙炭価格の高騰によるコスト上昇を考慮し厚板供給価格を前年比10%水準まで引き上げるべきだという立場だ。一方、造船会社各社は2%以内の引き上げを要求し平行線をたどっている。

    現代自動車・キア(起亜)など自動車企業も降板価格を交渉している。鉄鋼業界が要求した1トン当たり20万ウォン以上の引き上げ要求を一部調整し1トン当たり15万ウォンの引き上げを念頭に最終交渉を進めている。

    車両軽量化素材のマグネシウム価格も高止まりしているが、中国が全世界の供給量の90%を占めており自動車部品メーカーの対応が容易ではないのが現状だ。マグネシウムは車体軽量化のための必須原材料に挙げられる。自動車鋼板、バッテリーまで値上げ要因が相次いで発生し消費者負担も重くなる見通しだ。
  • 毎日経済 | ハン・ウラム記者/イ・セハ記者 | 入力 2022-04-19 17:41:46