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家電メーカー、自動車業界へ進出…自動車メーカーはパラダイムの変化に緊張

    • < 自動車とITの領域を破壊 >

    サムスンは自動車の電気電子機器(電装)産業への本格進出を宣言し、既存の自動車業界とIT業界の境界崩しが国内でも加速される見込みだ。 IT業界では、将来の自律走行電気自動車は事実上「車輪付きのスマートフォン」と見ることができるので、十分に新しい市場を生み出すだろうと自信を見せている。既存の自動車メーカーは、スマートフォン業界とは異なると反論を展開しながらも、パラダイムの変化に緊張するようすだ。

    サムスングループによると10日、サムスン電子は「電装事業チーム」の新設に続き、海外の関連企業の買収・合併(M&A)を検討していることが分かった。自動車は部品ひとつでも間違いがあれば人命が危うくなることがあり、完成車メーカーのように、長いあいだ取引してきた信頼できる企業から供給されることが好ましいからだ。サムスンは新たに事業を開始しただけに、このような信頼関係の構築のためには多くの時間が必要だが、これを一気に飛び越えることができるのがM&Aだ。

    今回発表された電装事業チームは、組織設立とチーム長が発表されただけで、まだ下書きも描かれていない。サムスン電子は内部人材の移動だけでなくM&Aも検討しているので、組織のセッティングが多少遅れることもあるという説明だ。

    サムスン電子は現在、4兆ウォン前後である海外の部品会社の一つをM&Aすることを綿密に検討している。電装事業に特化したこの会社は、サムスン電子の半導体や通信技術などで補強されると十分なシナジーを出すことができるという分析だ。

    サムスンの関係者は、「年初から電装事業について考えてきた李在鎔(イ・ジェヨン)サムスン電子副会長が事業の施行を公にし、弾みを得ることになった」とし、「特にイ・ジェヨン副会長は、内部で事業を育てるのもいいが必要な領域は積極的に買収・合併するのがいいという意見を示した」と説明した。余計なものは売って必要な事業は必ず買う式の、実用主義が反映されたというわけだ。

    実際に、国内家電メーカーの中で自動車事業に最も先進的なところはLG電子だ。 LG電子は2年前、部品設計の専門会社であるLG CNSとV-ENSを合併し、車両用部品を専門的に生産するVC(Vehicle Components)事業本部を新設して関連分野に力を入れている。すでに車載用テレマティクス分野では、30%台の市場シェアで世界1位を走っている。

    最近では米GM社の次世代電気自動車に、駆動用モータなどの核心部品11種を供給することになった。また、メルセデス・ベンツとGoogleの無人カーの開発パートナーとしても参加することにするなど、将来のスマートカーの核心部品市場を主導している。加えて、LGは車載ディスプレイを開発するLGディスプレイ、電気自動車のモーターと自律走行車に使われるカメラ部品などを生産するLGイノテック、電気自動車用バッテリーを生産するLG化学などとともに、スマートカー部品事業のリーダーとしてあげられる。

    今回のサムスン電子の電装事業への進出で、すぐさま国内ではLG電子という大きな競争相手と競い合い、グローバルな舞台では多様なIT企業と戦わなければならない境遇に置かれた。

    最近、自動車業界とIT業界のあいだの領域破壊が活発だ。米GoogleとAppleがスマートカーの開発を宣言して自動車産業に進出し、ドイツはベンツ、BMW、ボッシュ、コンチネンタルが協業に乗り出した状態だ。日本ではトヨタが東芝やパナソニックと力を合わせてスマートカーの開発に乗り出した。

    実際に、今年の初めに米ラスベガスで開催された世界の最大の家電ショー「CES」では、自動車業界の占める展示面積が全体の35%を超えた。アウディ、BMW、クライスラー、現代自動車などの完成車メーカーだけでも10社に達し、今年はフォードの最高経営責任者(CEO)であるマーク・フィールズが基調講演を行った。来年初めに開かれるCESでもGMのメアリー・バーラCEOの基調講演が予定されている。

    韓国ではサムスンとLGのスマートカー競争に、現代自動車グループもしだいに加わる雰囲気だ。最近、現代自動車グループは自動車用半導体を直接開発すると明らかにした。

    半導体チップの供給を受けるだけではなく、直接に自律走行車に使われる半導体を設計して発注する方式に戦略を再び組んだわけだ。このことから、現代自動車はLG電子とネイバーやKT、ハンファ尖端素材などとともに「自動車融合アライアンス」を発足させるなど、歩幅を広げている。

    サムスン証券のイム・ウニョン自動車担当アナリストは「昨年、米国の15歳以上の車両利用時間は一日1.2時間で、スマートフォン利用時間の3.1時間に及ばなかった」とし、「車両を移動する消費空間に変えるためのITの革新企業と、スマートフォンに奪われた消費者の関心を取り戻すための自動車メーカーの競争はすでに始まった」と診断した。 ITの革新企業はプラットフォームの拡張を通じて、自動車を様々なコンテンツを消費する移動空間に変えるという説明だ。
  • 毎日経済_ソン・ソンフン記者/イ・スンフン記者 | (C) mk.co.kr | 入力 2015-12-11 08:57:03