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[I ♥ 建築] 公園と競技場

    ユヴァル・ハラリ教授によると、ホモ・サピエンスが万類の霊長となった理由は、虚構の話を信じる人が集まって大きな組織を作ったからだという。

    歴史の初期には、神話や宗教がその役割をして、現代では貨幣と資本主義がその役割をしているという。国家という概念がすべての国民をひとつに結ぶことと同じ原理だ。ひとつの社会は共通の虚構の話を作り出して、建築はそれを可視化して強固にするのを助ける。古代エジプトでピラミッドがその役割をした。ピラミッドは死後世界に対する共通の価値観と信仰を可視化する。これを通じて当時の人々は、パラオの復活を信じることになり、その信仰を通じてひとつの帝国に統合された。スメール国家ではジッグラトという高層の神殿が、ギリシャではパルテノン神殿がその役割をした。

    神殿の他に、違う方式もあった。古代ローマの頃には、コロセウムが社会統合の機能を遂行した。ローマ人はコロセウムで殺肉の場面を見て、興奮してひとつになった。これをベンチマークした米国は、季節ごとに各種の運動競技場で社会統合をした。公園を作って自然回帰、という話を作ったケースもある。ニューヨークのセントラルパークが代表的な例だ。

    過去、イ・ミョンバク元ソウル市長は、清渓川を復元した。自然再生という話を作って、政治的な求心点を作ったのだ。ニューヨークの「セントラルパーク戦略」だ。

    パク・ウォンスン現市長は、ドーム球場を作ると約束をして蚕室総合運動場の団地を再開発しようとした。これは「コロセウム戦略」だと見ることができる。企業も例外ではない。古代スメール人が当時の技術で最高層の建築であるジッグラトを建てて神話を信じるようにしたとしたら、今はロッテタワーという資本主義のバベルの塔で株式会社の企業の話を伝播している。国家という概念を神聖視する団体は高い太極旗の掲揚台を光化門広場に作りたがっている。このすべてが、自分たちの話を強固にする建築の装置を建てようとする努力だ。

    私たちが先立つためには、東京ドームをまねたドーム球場や、セントラルパークをまねる龍山公園ではない、新しい話が必要だ。みんなが信じたがる、新しい話を作る社会が次の時代をリードすることになるだろう。
  • 毎日経済 ユ・ヒョンジュン 弘益大建築学科教授 | (C) mk.co.kr | 入力 2016-01-08 16:24:54