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[FOCUS] 明らかに人工知能が勝ったが、人間も勝ち、李セドルも勝った

世紀の対決…人類は祭りを楽しんだ 

    △写真=「お父さんを誇りに思います」李セドル九段が15日、ソウル鍾路区フォーシーズンズホテルで開かれた人工知能囲碁プログラムのアルファ碁との五番勝負の最後の対局を控えて、娘のヘリムちゃんから応援のキスを受けている。

    最後の一局でもけっきょく李セドルが負けた。 1勝uf4敗。明らかにみすぼらしい成績だ。しかし、誰も李セドルが敗れたと考えない。人間もまた人工知能に屈するものではなかった。明らかに人工知能が勝ったが、人間も勝ち、李セドルも勝った。囲碁でも決して負けなかった。

    「有終の美をおさめたかった、残念だ」と最後の対局の感想を明らかにした李セドル九段(33)も、「多くの応援と激励をいただき、深く感謝している」と笑った。特に李セドルは、最も人間らしい姿がどのようなものなのか、私たちに悟らせてくれた。どんな状況でもあきらめない人間の闘志だ。対局が行われた一週間、「人間界」は4000年の息吹が込められた囲碁と李セドルの闘魂に深い感動を受けた。

    去る8日から15日まで開かれたGoogle「ディープマインド・チャレンジマッチ」は世紀の囲碁対決であり、人類の祭りとして残るだろう。 15日、ソウル市光化門のフォーシーズンズホテルで開かれた最後の対局は、国内外の取材陣と囲碁関係者など1000人あまりが集まった。ソウルで開かれた祭りの場を目で確認し、誰よりも早く伝えようとした。最後の対局で李セドルとアルファ碁は、どちらの勝利も予想できないほどに対立した。李セドルは唯一勝った第4局のように、「先実利後打開」作戦で乗り出した。アルファ碁は右辺と中央に巨大な勢力を形成し対抗した。しかし、接戦の末に僅差でアルファ碁の勝利を再び許した。李セドルは280手めで負けた。確かに囲碁の結果だけを見れば、「人工知能」のアルファ碁の勝利だ。アルファ碁はこれまで経験できなかった、一次元高い囲碁を見せた。高性能コンピュータ1202台が接続されたアルファ碁は、緻密に手を読み、強い戦闘力、「神算」と呼ばれたすべての囲碁の高手たちがなげく仕上げの腕前を見せてくれた。しかし、人工知能も人間が作った結果という点で、人間の勝利でもある。

    アルファ碁の登場でうっすらと描かられていた未来の世界が、はるかに速くわれわれの前に迫っているという事実を悟ることになった。未来の世界では人工知能が多方面で活躍するのは明らかだ。また、われわれに未来に繰り広げられる社会に備えなければならないという警告も行った。そして何よりも、人工知能を見ながら人間の価値を感じさせた。

    今回の5回の対局を通じて李セドル九段が得たことは多い。おそらく囲碁の棋士ではなく、人間として多くのことを学んだだろう。第3局までは相次いで敗れ、人間界には敗北感が広まった。 「李セドルの敗北」を語り、さらには「囲碁の敗北」そして「人間の敗北」という声も出てきた。しかし、李セドルだけは「私の敗北で人間の敗北ではない」と反発した。絶望感だけが残り、人工知能が勝利するようだった世紀の対決は、第4局の「人間の大反撃」ですべてが変わった。決してあきらめない李セドル9段の姿に人々は惜しみない拍手を送り、胸の詰る感動を受けた。だから初勝利を収めたときに見せた李セドルのその明るい笑顔に、さらに涙が出た。「アル師範」はアルファ碁9段になる。韓国碁院はアルファ碁に名誉9段の資格を与えることにした。韓国碁院がアマチュアの名誉段証ではなく、プロの名誉段証を与えることはアルファ碁が初めてだ。「世界最強者を負かす実力を持つだけでなく、全世界に囲碁を知らせるために貢献した」というのが名誉九段を授与する理由だ。今回の「世紀の対決」で、囲碁はまた別の勝利者だった。
  • 毎日経済_オ・テシク記者/イ・ギョンジン記者/チョ・ヒヨン記者 | (C) mk.co.kr | 入力 2016-03-16 08:36:10