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イ・セドルの超強手にもアルファ碁は冷静な形勢判断…第5局棋譜

イ・セドル、前日の黒3・5手研究「実利重視でスタート」 

    △写真=サイン入り碁盤をプレゼントする「センドル」イ・セドル九段が15日、ソウル光化門フォーシーズンズホテルでアルファ碁との対局を終えた後、Googleディープマインドのデミス・ハサビス代表に本人がサインをした碁盤をプレゼントしている。

    勢いのある「イ・セドル印の囲碁」を見せたが、それでも物足りなさが残る碁盤だ。実際、この日の対局こそが「人間」対「人工知能」の真の勝負だということができた。

    イ・セドルも、もうある程度アルファ碁について分かっていた。「情報の非対称」が最も緩和された対局であるわけだ。最初の対局では、相手についてあまりにも知らず油断したが、第2局ではとても慌て、そして第3局では、土壇場に追い込まれた気持ちから本当にらしくない囲碁を打った。 「背水の陣」で挑んだ第4局の勝利がアルファ碁の自滅によるものだとすれば、最後には本当にイ・セドルらしい囲碁を打ちたかっただろう。

    「黒を持って勝ってみたい」という彼の意のままに黒を握って初手で右下隅の小目に打った。白を握ったアルファ碁は予想どおり両星から開始した。イ・セドルは、3手で右下隅の小目に打った後、5手で右上隅を「日」の形で地を固めた。イ・セドルは前日、同僚の棋士たちと夜遅くまで一緒に手を研究したという。おそらくこの手がそうだろう。地に敏感なアルファ碁を相手に序盤から実利でリードしなくてはいけないという計算だ。これまで以上に落ち着いた顔だ。顔もイ・セドルらしい表情が帰ってきた。

    • < アルファ碁とイ・セドル九段の五番勝負、第5局の棋譜 >

    イ・セドルが悟ったアルファ碁の最大の弱点は、大きな形状にした時、力が弱く、攻撃力が落ちるということだ。 第5局も第4局の勝利の足場となった「先実利後打開」戦略だ。白30は、アルファ碁の感覚がいいことを知ることができる手だ。ただ隅を守れば(34手)黒35手で広げていい。アルファ碁はこれを嫌ったようだ。白48から黒地に手を出すのはあまり得がなく損だ。黒59までなんの手も出なかった。代わりにコウになりうる場所は多くなった。序盤は誰が見ても黒の実利が引き立つ囲碁だ。

    白70で開始された戦いで黒85は、気短な手だったのではないか思う。白86は、地として痛いところだ。安全を選ばなければなかったのではないかという手だ。 87で切り非常に強い手で出た。

    イ・セドルが上辺でも過度に萎縮したようだ。打開過程で黒79で右側に伸ばさずに、安全に行こうと避けたことはまったくイ・セドルらしくなかった。この1手でアルファ碁は勝負の土台になった巨大な白地を形成した。

    101は非常に強い手だ。中央白地を揺らしながら壊すという意志が確固とした手だ。107で白地に入った手は難しい戦いになると予想されるが勝負の手であることだけは明らかだ。第4局の勝利を抱かせた「78手」のような手ということだ。しかし、アルファ碁は形勢を非常に正確に読んでいた。左下辺の白地に飛び込んだが、なんの得にもならなかった。結局、フリカワリで損をしながら敗色が濃くなった。

    アルファ碁が怖いのは緻密に計算して感情がないということだ。人間なら長い時間悩むことを何も考えずに敢行する。まさにそれがアルファ碁の利点だ。アルファ碁が先の対局とは異なり、特に多くの時間を使った。

    それだけイ・セドルの抵抗が尋常ではないという証拠だ。最終的にはアルファ碁も初めて秒読みに追い込まれた。しかし、残念ながらも格差を縮めることはできなかった。差は大きくなかったが、敗北を直感したイ・セドルは280手で石を投げた。
  • 毎日経済 ヤン・ジェホ9段 / キム・ジェフン記者 | (C) mk.co.kr | 入力 2016-03-15 17:24:41