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[I ♥ 建築] 自分だけのスペース作り…マイカー、ヘッドフォン、手袋、サングラス

    現代社会で、マイカーとはどのような意味を持つのだろうか。自律走行が可能になれば、本当に人は車を所有せずタクシーのように借りて乗るようになるのだろうか。マイカーを単に移動手段としてだけ考えるとそうだ。しかし、マイカーは移動手段以外にも、プライベートな空間として理解されることもある。住宅価格が高い昨今の若者たちは、家を買う前に車から買う。その理由は、マイカーの車内だけがこの複雑な現代社会で最も効率的な安息所となるからだ。マイカーは移動可能な「自分の部屋」だと見ることができる。そうならば、マイカーを買うのが難しい人にプライベート空間を作るための他の方法は何だろうか。

    まず、ヘッドフォンだ。ヒップホップ歌手たちは大きなヘッドフォンをつけて歩く。そのようなヘッドフォンを見ると「私は世の中の音を聞かない」という社会に対する抵抗を象徴的に示しているようだ。反抗の時期である思春期の若者たちが、ヘッドフォンを多く使用していることと一脈相通じる。私たちは、聴覚、視覚、触覚、嗅覚を通して外部の世界と疎通する。感覚を制御すると、外部と遮断されたプライベート空間を作ることができる。ヘッドフォンはその中の聴覚制御アイテムだ。世界の触覚を遮断し、自分だけの世界にいようとする人は手袋を着用する。マイケル・ジャクソンはいつも片手に手袋をはめて過ごした。これは、世界と差別化するためのファッションアイテムだ。

    自分を露出せずに、他人をのぞくことを「観淫症(のぞき見)」という。そして、このようなの観淫症は本能であり、権力を示す。暗い車の中にいれば、自分を露出せずに他人を観察することができる。マイカーは観淫症を可能にしてくれるアイテムだ。だから、人々は運転すると、より乱暴になるのだろう。マイカーがない時、観淫症を最も簡単にする方法はサングラスをかけることだ。マスコミで人の身分を露出させたくない時はよく目に黒テープを貼ったかのようにして印刷をする。人の目はこのように、その人が誰なのか知ることが出来る最も重要な部分だ。だから、サングラスは外を見ることはできるが、自分が誰なのかを隠してくれる最も効率的なアイテムだ。

    自動車、ヘッドフォン、手袋、サングラスは複雑な世の中で自分のスペースを作るアイテムだ。
  • ユ・ヒョンジュン弘益建築学科教授 | 入力 2016-04-08 16:24:29