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世界初、国民魚「スケトウダラ」完全養殖に成功…再び食卓に

    「東海岸で生きているスケトウダラを探しています。報酬は最高50万ウォン」。

    海洋水産部が絶滅の危機にある国産スケトウダラを救うために、「スケトウダラ復活プロジェクト」に着手した2014年に出したポスターは簡単だった。 「生きている国産スケトウダラ」を手に持ってくる漁民に、最高50万ウォンの報酬を支給するというものだ。国産スケトウダラの生態系を研究するために、死んだスケトウダラまで含めて買い入れたスケトウダラは総1000匹。 1000匹のうちで生きているスケトウダラは193匹、そのなかで昨年2月に卵を産むまでに成功した雌のスケトウダラはたった1匹に過ぎなかった。日本などの競争国がスケトウダラの2世代養殖技術の確保に困難をきたしている理由だ。

    水産科学院は適正水温10度で子スケトウダラがうまく育つことができるように、独自に開発した専用配合飼料でスケトウダラの生長環境を造成した。通常は3年の期間を短縮して1年8ヶ月めの去る9月、養殖場で育ったスケトウダラの雌雄間で再び2世代のスケトウダラが生まれた。 11日現在、受精卵15万個のうちで孵化したスケトウダラは5万個に達する。日本でもできなかった、スケトウダラの完全養殖に韓国が成功したのだ。

    海洋水産部は世界初の、スケトウダラの完全養殖技術の開発に成功した。完全養殖は、人工的に受精卵を生産・孵化させて育てた子供のスケトウダラを母親に育て、再び受精卵を生産する循環システムが構築されることをいう。乱獲と水温の上昇で希少になった国産スケトウダラを、再び食卓で見ることができる道が開かれたわけだ。

    海洋水産部の関係者は11日、「国産スケトウダラの受精卵から生まれたスケトウダラが先月、再び第2世代の人工受精に成功し、6日の時点で3万匹、11日の時点で5万匹の第2世代スケトウダラが生まれている」とし、「2018年になれば養殖場で大量生産できるようになり、2020年から国産のスケトウダラに食卓で再会できるようになるだろう」と語った。現在、国内の食堂で見ることができるスケトウダラは、1年の消費量25万トンのうちの20万トン以上が冷凍状態でロシアから輸入してきたものだ。国内産スケトウダラは、1970~1980年代までは7万4000トンずつ漁獲されたが、ノガリまでつかまえる無分別な漁獲と地球温暖化による水温上昇で漁獲量が急減し、最近では国産スケトウダラの操業量は1トンにも満たないからだ。

    2014年から「スケトウダラ復活プロジェクト」を推進した海洋水産部は昨年、天然母魚1匹から受精卵53万個を確保して、第1世代の人工種子の生産に成功した。昨年の12月、20センチほどに成長した人工第1世代のスケトウダラのうち1万5000匹を江原道コソン沖に放流する一方で、特に200匹を選別して産卵が可能な親魚(35センチ以上)に育てた。

    このうち7匹が9月18日から産卵に成功し、受精卵10万個のうち10月6日現在、孵化した3万匹が0.7センチ前後に成長し、ついにスケトウダラの完全養殖に成功したわけだ。

    特に国立水産科学院東海研究所は、通常は産卵まで3年かかるスケトウダラの生長期間を短縮するために、最適の生長環境を研究した。海水の温度をスケトウダラの生長の適正水温である10度を維持する一方で、10度でも生存する低温性の餌生物と高度不飽和脂肪酸(EPA・DHA)を強化した、高エネルギーのスケトウダラ専用の配合飼料を開発した。その結果、スケトウダラの成熟期間を孵化後3年から約1年8ヶ月に短縮することができるようになった。

    ユン・ハクペ海洋水産部次官は、「海水温度10度は国内の養殖業者が別途の努力なしに造成できる環境で、生長環境は1年8ヶ月に短縮され、スケトウダラを養殖しようとする業者の経済性確保にも役立つだろう」とし、「生は凍らしたものよりも価格が4~5倍より高価だが、われわれの手で育てた養殖スケトウダラは、凍らしたものではなく生のものが食卓に上がるようにするつもり」だと語った。
  • 毎日経済_イ・スンユン記者 / 写真=MBN放送映像キャプチャ | (C) mk.co.kr | 入力 2016-10-11 22:43:48