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アニメ『レッドシューズ』のキム・サンジン氏とホン・ソンホ氏

    • 『レッドシューズ』の主人公プリンセス・レッドシューズは、ハリウッドのトップスターであるクロエ・モレッツ氏が声の出演を引き受けた。キム・サンジン監督は「最初からクロエ・モレッツ氏を念頭に置いてキャラクターを描いた」と語った。 写真=ローカス



    動画は童心の栄養素としてするには偏見が多い。おそらく昔の童話作家は当時、それが偏見だと思わなかっただろう。 25日に公開されたアニメーション 『レッドシューズ(レッド・シューズ&7人のドワーフ)』は、21世紀に書き換えた古典的なおとぎ話のような作品だ。童話に内在していたPC(political correctness/政治的正しさ)にそぐわない要素を、いま一度糺してみようという企画で出発した。

    映画は最初の場面から童話『白雪姫と七人の小人』をひねって始まる。竜を破って村を救った七人の王子たちは、ルックスに偏見を持ったという理由で呪いを受けて小人になる。彼らが「美男」に戻る方法は唯一、世界で最も美しい娘のキスを受けることだ。しかし彼らの呪いを解くプリンセス 「レッドシューズ」(クロエ・モレッツ)にも秘密があって…じつは赤い靴がなければぽっちゃり体格の平凡な容貌に戻るわけだ。果たしてレッドシューズと七王子のリーダー「マーリン」(サム・クラフリン)は、お互いのコンプレックスを克服して夢を実現することができるのか。

    主人公たちが目標に近づいていく過程で、「アーサー王伝説」や「ピノキオ」のようによく知られたストーリーをパロディにするのが興味深い。シリーズ物が多くなって最近はアニメもプロットに沿って行くのが結構むつかしいケースが多々あるが、 『レッドシューズ』は親にも子供にも慣れたコードで展開し、世代を超えた共感を備えたことが特徴だ。

    グラフィックの精巧さにおいては、韓国3Dアニメーションの新しい歴史を書いたとに言うに値する。特に小さなキャラクターたちが、可愛い魅力を精一杯に誇る。小人に変わってしまった王子やウッドベア三兄弟の動きにディテールが生きていて、視覚的な楽しさがいっぱいだ。

    キャラクターデザインを総括したキム・サンジン監督はディズニー首席アニメーター出身で、『モアナと伝説の海』『塔の上のラプンツェル』『ビッグヒーロー』『冬の王国』などの名作アニメキャラクターをデザインしてきた。ただし、ふつうの人間のキャラクター描写や背景処理における細かなタッチには物足りなさが残る。

    この作品が童話の中の偏見を正すことに成功したのかと質問されれば、答えは分かれるようだ。主人公たちが内面の美しさを発見していくという点を高く評価する観客には肯定的に思えるだろうが、現世代が要求するPC(政治的正しさ)に照らして見た時は食傷気味に感じられる部分がないわけではない。それでもこの作品は韓国のアニメーションに一線を引いたという価値があるが、少なくとも最後まで鑑賞した後に作品の「メッセージ」に対する質問を投げるべきだろう。これまでの国内3Dアニメーションは絵の醜悪さやストーリーの貧困のために届かなかった領域だ。全年齢で観覧可。

    ■ 220億投入...10年かかった作品

    『塔の上のラプンツェル』キム・サンジンがキャラクターを、
    『ワンダフルデイズ』のホン・ソンホが演出し、
    「米トップスターのクロエ・モレッツがストーリーだけを見て配役決定」

    • 最近、ソウル江南区のローカス本社で会った 『レッドシューズ』演出担当のホン・ソンホ監督(左)とキャラクター担当のキム・サンジン監督。 キム・ホヨン記者



    韓国アニメーションのレベルを一段階引き上げた 『レッドシューズ』の誕生秘話が聞きたくて、キャラクター担当のキム・サンジン監督と演出担当のホン・ソンホ監督と最近、ソウル市江南のローカス本社で会った。主人公レッドシューズの声を演じたクロエ・モレッツとはどのように交渉したのかをホン監督に尋ねた。

    「運が良かった。キャスティングを始めるとすぐモレッツ氏が受け入れましたよ。モレッツはまだ20代前半なのに出演作が数十編に達しています。最近はシナリオをとてもうるさく選ぶと聞いています。メッセージが明確な作品でなければ出演しないと聞いた。ところで『レッドシューズ』は純粋にシナリオだけを読んで出演を決めたんですよ。まだ私の会社は他の国に名前が知られている状態でもないんです」。

    220億ウォンという大規模な資本が投入されたが、ディズニーではこの程度のクオリティを得ようとすれば予算を10倍は使わなければと言う。どうしようもない製作費の制約のために「アイデア」で勝負を試みたし、そのおかげでぴょんぴょんとはねるキャラクターが誕生したという。金監督がピノキオをもとに「ピノ」「ノキ」「キオ」の三つ子を作ることになった裏話を説明した。

    「コストを削減するためにセットとして作り、帽子で目を覆った。帽子の上にスジを一本、二本、三本入れて、それぞれの違いを与えた。瞳や髪を細かく表現するのはすべて金だから」。ピノ、ノキ、キオは試写会の後で、多数の観客から最も魅力的なキャラクターだと評価された。

    韓国秀作アニメ『ワンダフルデイズ』(2003)で名を広めたホン・ソンホ監督が初めて 『レッドシューズ』のシノプシスを開発したのは2007年だ。 10年以上も根を入れたこの作品は、25日午前9時現在、国内の劇場前売りが進行中のアニメーション全体の中で前売り率1位を走っている。ホン監督は作品を紹介してほしいという要請に、低い声で答えた。

    「最も美しい人とは何だろうかに対する答えを考えてみることができる作品です。私は美しい内面というものが答えではないと思えるんですよ。外見や内面が美しくなくても、私の愛する人が最も美しいのではないでしょうか?」。
  • 毎日経済_パク・チャンヨン記者 | (C) mk.co.kr | 入力 2019-07-25 17:54:40