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独占か柔軟性か…「配達の民族」独占論難
注目される韓国「配達アプリ」市場
「配達の民族」が手数料改編に続いてライダーの手数料削減などで議論を起こすなかで、公正取引委員会が進めるペミンと独デリバリーヒーロー社間の企業結合審査の結果に関心が集中している。 8日、配達バイクがならんだソウル市内のペミン ライダースセンター。 [イ・チュンウ記者]
飲食アプリ「配達の民族(ペミン)」を運営する優雅な兄弟社が触発した手数料引き上げ論難に、配達人手数料削減の議論が加わって、ペミンとドイツ企業「デリバリーヒーロー(DH/ヨギヨとペダルトンの運営社)」が進めている買収・合併(M&A)が最終的に成功するかどうかにも関心が集まっている。専門家らは今回の議論は、公正取引委員会の企業結合の承認審査に小さくない影響を与えると予想する。
8日の関連業界と学界などによると、公取委の企業結合承認の可否をめぐって賛否の両論が対立している。表面的には国内の配達アプリ市場を事実上100%掌握する独占は明らかに許してはいけないという主張が多い。一方、オン・オフライン連携(O2O)サービスの新事業とスタートアップを育成するためには、政策の柔軟性を発揮し、企業結合の承認が必要だという声も少なくない。
このような世論の間で、公正取引委員会がどのような選択を下すかが注目される。条件付き承認のための気流が形成されている中で浮上した手数料改編論議が社会的に大きな波紋を巻き起こしただけに、公取委がこれまでの企業結合審査よりもいっそう厳しい基準を突きつける可能性が大きくなったという観測も出ている。
明らかになった数字だけを見ると、多くの専門家らは独占は明白だと指摘する。ペミンとDHが運営するヨギヨとペダルトンの国内配達アプリ市場でのシェアは100%に迫るうえ、今回の手数料改編問題で明らかになったように、市場支配力を乱用して自営業者の被害が大きくなる恐れが大きいと主張している。
ソウル大学行政大学院のパク・サンイン教授(市場と政府の研究センター長)は、「常識的に考えても意味がない組み合わせであり、100%の独占」だとし、「独占許可とベンチャー育成を勘違いしてはいけないし、公正取引委員会は独立性と専門性を持って厳しく判断しなければならないだろう」と強調した。パク教授は「企業結合審査で独占かどうかを判断する関連市場の画定も、今回の件では配達業ではなく配達アプリであることは明らかだと思える」とし、「配達アプリ市場がクーパンと競争するのではないだろか」と語る。オン・オフラインの配達業市場全体を基準にすると、排他的な判断を避けることができる余地が生じるので、配達アプリに市場を限定しなければならないというものだ。
こんかい手数料改編が公取委の企業結合審査の途中で行われたことも異例だという指摘だ。
ペミン側が審査に神経を使わないことから、すでに強い市場支配力を持っており、自営業者との関係でも「絶対甲」の地位にあることを示したという分析だ。匿名を要求したある大学教授は「公取委の審査が進行中なのに価格体系を変えるのはありえないことであり、承認を確信していなければ考えもしないこと」だとし、「このような行動を見ることになったので、条件付き承認を行ったとしても、今後の値上げ自制の約束を守るかは信じられなくなくなった」と語った。
延世大学法学専門大学院のシン・ヒョンユン教授は、「今回の手数料改編問題は市場支配力の濫用事例として見える余地がある」とし。「けっきょく企業結合審査の過程に悪影響を与える可能性が大きい」と言う。パク・ホジン韓国フランチャイズ協会対外協力部長は、「ペミンとDHの間の企業結合が行われれば消費者の情報を独占し、流通市場全体を妨害する可能性が存在する」と強調した。
一方、国家経済と新産業・スタートアップの育成、消費者便益などを考慮して条件付き承認を下すだろうという主張も出ている。
崇実大学法学科のチョン・サムヒョン教授は、「巨大プラットフォーム登場のグローバルマーケットという観点から見なければならない」とし、「市場シェアだけを測るのではなく、国家経済と企業のグローバル競争力の強化に役立つかどうか、消費者に得になるのかを見なければ「ならない」と語った。
コリアスタートアップフォーラムのチョン・ミナ政策チーム長は、「ペミンとDHの間の合併は国内事業の独占が目的ではなく、アジア事業権を獲得し、海外市場を狙っている」とし、「ペミンはドイツの企業ではなく、海外に進出する国内企業でなければならない」と強調した。
同氏は「自生的に育った国内プラットフォームが死ぬなら、海外のプラットフォームが国内産業を支配することになる」と語った。
また別のスタートアップ業界の関係者は、「M&Aを通じた企業の競争力強化、新産業の育成、スタートアップ創業者のエグジット(企業価値を上げた後、高値で売却すること)奨励などの観点から眺める必要がある」と指摘した。
一方、公正取引委員会は今回の手数料体系の改編を、審査で積極的に参考するという方針だ。公取委の関係者は、「手数料改編はまだ企業結合が行われていない状態で行われたものだが、企業結合の効果が既に反映されたものと見ることができる」とし、「手数料体系が加盟店にどのような結果をもたらすのか、消費者に負担が転嫁されるおそれはないかなどを調査する」とした。- 毎日経済_イ・ホスン記者/ムン・ヂェヨン記者/カン・ミンホ記者 | (C) mk.co.kr | 入力 2020-04-08 20:37:49