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[コロナ] 新型コロナウイルスのバタフライ効果

  • 韓国の新型コロナウイルスの感染者数が中国に次いで世界2位になった。多くの国が韓国旅行に制限措置を取っている状況だ。ややもすると、韓国人の米国旅行が全面的に制限を受ける危機に陥っている。

    最も人気を集めている冬のスポーツであるバレーボールの試合も、観客のいない体育館でテレビの撮影陣の前で行うほどなので、そのような措置を取っていると文句を言ってる余裕もない。

    1月20日、韓国で新型コロナウイルスに感染した患者が初めて発生した後、2月27日まで確定判定を受けた患者が1500人を超えている。疑いのある人を相手にした全数調査が終われば、感染者が大幅に増える可能性もある。

    もしかしたら韓国の新型コロナウイルスの感染者が多いのは、多くの人を相手に診断検査を実施したためだと見ることもできるだろう。

    疾病管理本部によると、2月13~25日の13日間、新型コロナウイルスの感染有無の検査を受けた人は1万4157人に達する。日本の1890人や米国の445人に比べると、かなり多い数字だ。検査を受けた人のうち「陽性」確診判定を受けた割合は韓国2.86%、日本8.66%、米国3.15%だそうだ。

    数字だけを見ると、米国や日本で韓国ほど検査を受けた数が多ければ、新型コロナウイルスの感染者が多い可能性があるという話も成立する。もちろんあくまでも予想だ。

    米国の一部のメディアは、韓国の新型コロナウイルスの感染者が多いのは、韓国政府の開放性と透明性から始まっていると分析した記事を掲載したりもした。

    米国の時事週刊誌『TIME』は「韓国はどのようにして、こんなに早く新型コロナウイルスが統制不能の状態になったのか」というタイトルの記事で「韓国の診断能力が優れているうえ、メディアの自由を保障して、民主的な責任システムを備えているため」という記事を掲載したりした。

    新型コロナウイルスの検査が韓国では公共サービスレベルで全額無料で実施され、感染者になった場合は治療費も全額無料という点が米国や日本と異なる。

    報道によると、アメリカではほぼ私費で診断を行っている。1月、中国に出張に行って帰ってきた米国マイアミの居住者は、インフルエンザの症状で病院に訪ねて検査を受けた後、3,270ドルの請求書を受け取ったそうだ。韓国でこのような費用を払って検査を実施したら、自ら病院を訪れる患者はほとんどいないだろう。

    韓国が広範囲に新型コロナウイルスの検査を実施して、患者の治療に万全を期すと高く評価することはできるが、新型コロナウイルスの感染者の拡散は、決して望ましくないことだ。

    中国で新型の伝染病が広がったことが早くも報道され、予防法や注意事項が伝播されたにもかかわらず、一部の宗教集団を中心に感染者が増えているという事実は、韓国人の生き方を振り返らせている。

    新型コロナウイルスの感染の有無と関係なく経済はもちろん、文化芸術、体育など、社会全般を低迷させている。全国的なバタフライ効果を得ているわけだ。「自分は大丈夫だろう」、「それでも礼拝は参加しなければならない」という安易で、利己的な考え方が国中に悪影響を及ぼしているという意味だ。

    新型コロナウイルスは、1人の人生が国中に影響を及ぼすという事実を悟らせている。些細な個人の行動がはるか遠くの人々の生活を干渉するという事実を悟ってほしい。
  • Lim, Chul | 入力 2020-02-28 00:00:00