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【韓国コラム】 ふと思い出した映画「フォレスト・ガンプ/一期一会」

  • ふと思い出した映画『フォレスト・ガンプ/一期一会』

    とても古い映画、トム・ハンクスの『フォレスト・ガンプ/一期一会』を見たことがあるだろうか?

    私はかなりたくさん、そしてよく見た映画だ。疲れた時や癒されたい時に見たので、10回は軽く超えるだろう。

    ガンプの知能はIQ75の知的障害者をかろうじて超えるレベルだが、温かい心と情熱の持ち主だ。望むこともあまりない。エビ漁で大成功を収め恵まれた財産を蓄えたが、彼にお金は何の意味もない。

    ただ望むことは、愛する女性ジェニーとともに生きる人生だ。
    めったに怒らないガンプでも、形相が変わる時がある。ジェニーが侮辱されたり、殴られたりした時は後先考えず飛びかかるのだ。ある軍人に誘われ軍に入隊してベトナムに発つ前、クラブでギターを弾きながら歌を歌うジェニーが侮辱されると怒りを抑えられなかった。

    ベトナム戦線で戦友たちを救出した功労で名誉勲章を受けた後、反戦デモをしているジェニーに会った後、ジェニーが運動圏首脳部に頬を殴られると、目を覆して飛びかかった。

    なんで急に昔の映画の話をしたのかって?

    軍部独裁に対抗して80年代に学生運動家を率いて「運動家のゴッドファーザー」と呼ばれるホ・インへ氏が、納品と事業請託をする見返りに数億ウォンを受け取った容疑で拘束されたという知らせを見て、この映画が浮かんだだけだ。

    文を書いている筆者を含め、韓国人は抵抗運動、労働運動で青春を燃やした多くの人々に借りがある。彼らがいなかったら、今でも大統領に対する悪口を口にすることさえできない窒息した社会で生きていたかもしれない。亡くなったチョン・ジュヨン、現代グループ創業者をはじめ南北和解のために努力した人々のおかげで戦、争に対する恐怖を忘れて暮らしているため彼らに本当に多くの借りを作ったということだ。

    自分の命を懸けて固い信念を貫いた彼らが奈落に落ちる姿を見るのは本当に残念だ。自由と平等の旗印を掲げた運動圏の指導者の中には、右側のフカフカの席で栄華を享受する人もかなり多い。

    なぜ彼らが変質者という侮辱を受けたり、犯罪者になってしまったのだろうか?
    もしかして自分たちが世の中を変えたという慢心でそうなったのではないか、こんな思いがする。

    そんな考えを持つなら、それは勘違いだ。
    彼らの勇気は世界を変える火付け役になったかもしれないが、世界を変えた主役は別にいる。黙々と自分の人生は生きる平凡な国民たちだ。

    再び映画の話に戻ると、フォレスト・ガンプは黙々と自分の人生を生きていくだけだが、周りの人々はそのおかげで平穏を取り戻す。

    アメリカのロックンロールの帝王エルヴィス・プレスリーには「Hound Dog」の振り付けを作るのにインスピレーションを与え、ベトナム戦線で両足を失って荒廃したダン中尉は呪った神と和解する。 戦死した戦友バッハの家族は、エビ漁事業の持分を受けて成金になる。ジェニーと別れて何もない心を癒やすためにアメリカ大陸を横断しながら走っていた時期には、バンパーステッカー「shit happens」のTシャツのスマイルキャラクターを作るのにインスピレーションを与える。

    もちろん、全部映画の中で作りあげた話に過ぎない。しかし、つらい一日を黙々と過ごし隣人に温かい笑顔を見せ、少しでも手を貸そうと努める多くの人々がいるからこそ、社会はまだ生きていける状態で残っているのだ。

    信念をもって団結した人々に、どうか、このことだけは肝に銘じてほしいという願いが込められている。
    80年代の学生運動家のゴッドファーザーが拘束されたとしても、その時代の純粋だった学生たちの行動が卑下されなければという小さな願いとともにだ。
  • Lim, Chul | 入力 2020-08-29 00:00:00