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【韓国コラム】琴瑟と管鮑
- 琴瑟
琴と瑟（大琴）を指すこの言葉は、普通夫婦の愛を意味する。時には一対の鳩のように離れられない恋人のように過ごし時には考えが通じる友達のように過ごす夫婦なら世の中で羨ましいことはないだろう。
こうした夫婦を指す四字熟語が「琴瑟友之」（琴瑟相和）だ。
琴瑟はたまに自分を認める知己であることを表すこともある。香港の作家、キムヨン（金庸）の大河武侠小説『笑傲江湖』にそんな場面が登場する。
正派人物の劉正風は邪派である日月神教長老の曲洋と音楽を縁に友達となる。劉正風は、曲洋との親交を守るために江戸から離れようとするが世の中は放っておかない。群衆の圧力にもかかわらず、 劉正風と曲洋は友情を選択する。豪放な性格で「笑傲江湖」一曲を合奏しながら、正邪を分ける世の中の偏狭さを嘲笑しながら淡々と死を迎える。
「私を生んだ人は親だが私を分かってくれた人は鮑叔」（生我者父母 知我者鮑叔兒也）という管鮑之交の武侠版だ。
新型コロナウイルスで家の中で1人でいる時間が多くなったので、こんな高貴な人間関係に感泣したのだろうか？ある世論調査の結果を見ると最近の人々は多くの友達と付き合うことをこれ以上望んでいないようだ。
2016年に続いて今年も同じ調査をしたが｢友達は多いほどいい｣という考えを持つ人の割合が40.4%から22.8%へと大幅に減った。もっと多くの友達を作りたいと表現した人も38.1%に留まった。
友達のために命も惜しまないという管仲と鮑叔の関係を尊重する社会になったらこの上なく嬉しいことだ。自分の人生で必要な友達は3~4人で十分で友達を作るために努力するよりは家族にもっと充実したがるのは当たり前のことだ。
しかし、人間関係を維持するのが辛くて疎通よりは孤立を選択するのなら心配だと思う。
社会的な関係を維持するのにかかる時間と費用がもったいないため、人間関係を整理する人が果たして少数の友人や家族に完全に忠実でいられるのかと疑わせるからだ。夫と妻が仲よくし子供たちの友達になってあげ何人かの友達のために尽くしてあげられる人なら、友達として付き合わなくても人間関係を築くのはそれほど大変ではないという気もする。
人間関係を整理する理由がひょっとして世の中が自分を中心に回らないと感じるからではないかと聞きたくなることもある。琴瑟と管鮑は私を主張しない時に成立する関係だ。
家族と親しい友達数人に充実したがる方なら、鏡の前に立って自らに問わなければならない質問だ。 - Lim, Chul | 入力 2020-10-02 00:00:00
