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【韓国コラム】非婚母の藤田小百合が呼んだ波紋

  • 「韓国人男性たちは震えているのか?」

    タレントの藤田小百合が夢に見ていた赤ちゃんを抱いた後、ある女性コミュニティに書かれたコメントだ。

    「韓国ではすべてが違法です。結婚してる人だけが試験管施術が可能です」

    母になって幸せだと言った上記の一言は、韓国社会に少なからぬ波紋を呼んだ。

    ある新聞(中央日報)は、非婚母の藤田小百合が投げかけた4つの質問という記事で「非婚母出産は憲法的基本権」とし、女性の選択を広げる制度的整備が必要だと書いた。

    実際、韓国では非婚母の出産は違法ではない。法律ではなく病院や産婦人科学会の倫理指針が、非婚女性の体外受精の施術を遮っているだけだ。

    倫理指針は精子供与施術を法律的な婚姻関係にある夫婦(夫の同意が必要)だけを対象にし、施術費用の支援も不妊夫婦にのみ提供される。政界や保健当局は、法律にもない倫理指針が守られないと病院側に責任を転嫁したが、そのような慣行があることを当局もかねて知り、事実上黙認または傍観していたところだった。

    長い間受け継がれてきた家父長制の壁を壊すのは簡単なことではない。

    藤田小百合の一言で、非婚母の出産支援をはじめ、子女に対する女性の決定権保障、さまざまな家族概念などの論争が繰り広げられるようになった。政治圏で次々と出される様々な代案が女性に保障されれば、韓国社会はどのような姿を帯びることになるだろうか。

    「韓国男性は震えているのか?」というコメントは、子どもを望む女性がさえない男性と結婚する代わりに精子寄贈を選ぶ女性が増えるだろう、ということであなたたちは結婚する考えをあきらめた方がいいというニュアンスを漂わせている。

    1日稼いで1日食べることに汲々とする男性よりはハンサムで頭がよく体格の良い男性が寄贈した精子を望み、それが実現する社会。

    藤田小百合が赤ちゃんを欲しがって描いた社会は、そんな姿ではないと思う。

    自分が非婚母の道を選んだことを明らかにした理由も、子どもに「堂々した姿を見せるため」という理由だったため、優生学が幅を利かす社会への道に石を敷くようなことはしなかったはずだ。

    赤ちゃんが欲しいのか、だからといって好きじゃない男と結婚するなんて思いもよらないことだ。

    藤田小百合は、卵子を寄贈しながら未来の子供にこんな手紙を書いた。

    「あなたが女に生まれれば不利な時にフェミニズムを叫んで、有利な時に女だから大目に見てくれと言う卑怯な女にならないように一生懸命努力するわ。男に生まれたら女を性的対象としてだけではなく素敵な男になってね」と書いた。

    藤田小百合はいつか「香港、イギリス、韓国、日本の男性と付き合ったことがあるはずだが、その中で最悪の男性は?」という質問を受けてこう答えた。

    「大して変わりません」

    韓国の男たちが藤田小百合の話を聞き、寂しい境遇にならないための秘法もこの言葉から見つけられる。

    「大して変わらない人」にならなければいいのだ。
  • Lim, Chul | 入力 2020-11-20 00:00:00